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俺のクラスメイトが全員一般人じゃなかった件  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三十三話 幸運少女はいつでも幸運です
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出席番号18・日本(ひのもと) 毅(つよし)

 反存在が無数に現れ始めた。

 こいつらが出て来なければナーガラスタへの突撃作戦が始まっていたはずだが、残念なことに全員散開してしまった。

 俺の横にはネリウが居るだけだ。

 リテルラや大井出は他のクラスメイトたちの救助に向かい、綾嶺は俺と共に桃栗の護衛に戻った。


 俺の周囲では巨大ヒーローアトミックマンの反存在を相手にレーザーサーベルで対戦するジェノス・カスタムやら、そのジェノスの反存在と闘う手が開いた機械兵たち。

 機械兵たちの反存在はジェノスが出現と同時に一斉放射で破壊していたので残骸にさえ気を付ければ問題は無い状態だ。

 ただ、やはり破壊した機械から脱出したニンゲンが機械兵達に乗りこんで来て対消滅といったことが数体起こってしまっていた。


 魔法少女や戦隊ヒーロー等はさらに大変だ。

 当事者同士が入れ替わり立ち替わり迎撃するため、フレンドリーファイアやら対消滅やらがかなり起こっている。


 ライドレンジャーは無事、でもサラリーマンズやらスターゲイトソルジャーだったかは半分以上が付消滅してしまった。他の正義の味方もほぼ壊滅だ。

 さらに死霊達の相手で死んだはずの正義の味方仲間が現れ油断した奴が殺されて死霊の仲間入りしたりもしている。


 それで人知れず入れ替わった反存在がパーティー内で暴走したりすると、もう、誰が反存在か分からなくなる。

 そんな典型が魔法少女三人娘。

 誰か一人が反存在のようなのだが、誰なのかが分からず空を旋回しながら互いを監視している。


 エレクトロハルリー、スプラッシュみゆみゆ、ボルカニックユイ。

 先程まで協力して互いの反存在を撃退していたのだが、倒したのが反存在なのか仲間なのかが分からず互いを値踏みするように睨んでいるのだ。

 反存在を入れて六人が交差するように飛び交いながら対戦する様子はむしろ驚くほどだったのだが、どうにも互いに反存在を殺せたかどうか分からなくなったらしい。


 とりあえず、反存在についてはクラスメイトで出て来てないのは犬神と赤城、福田と武田だ。

 松下と網走の反存在は先程ネリウにより消し飛ばされていたからな。俺の反存在と一緒に……

 くそっ、思い出したら気分が悪い。


「日本、無事か」


「聖か? そちらも終わったらしいな」


「勇者の反存在が今増渕と闘っている。他の者が手が開いたのでこちらに来たのだが?」


「ならば丁度良い、反存在がまだいる。ナーガラスタと死霊、そして反存在迎撃部隊に別れよう」


「だそうだが?」


「問題無いわ」


 敵対存在を無くした大井出、リテルラ、聖、下田、小出、ヌェル。丁度良いので指示だしをさせてもらう。


「クラスメイトで反存在が残っているのは犬神と赤城、福田と武田だ。他の奴らは無事に迎撃できた」


「あ、待って日本君、三神君の反存在もまだだよ!」


「みか? 誰だそいつは? 綾嶺は知っているようだが……」


 綾嶺が慌てて会話に入ってきたが、俺達は皆一様に首を捻る。


「三神君だよ! えっと……ああ、アンゴルモア!」


 アンゴルモア! そういえばあいつも俺らのクラスメイトだったな。

 ぽんっと手を打つ面々に、何とも言えない顔をこちらに向けて来る件のアンゴルモア。

 機械が壊れたらしく動けないらしい。

 と言ってもここで修理などできないし……ん?


「おい、アンゴルモアの反存在、アレか?」


「間違いないな。奴だ!」


 遠目に歩いて来るのが見えた。

 半機械になどなっていない生身の反存在だ。みか……みか……ん?

 まぁいい、アンゴルモアの反存在は、どうやら異世界で機械化されてないらしいな。


 触れれば不幸になる。皆が覚悟を決めようとしたその時だった。

 チュンッと擬音でも聞こえそうな程に、唐突にアンゴルモアの反存在の頭を貫通する一発の弾丸。

 どさりと倒れた反アンゴルモアに反ジェノスが倒れて来た。


 ズンっ。地面が揺れる。反アンゴルモアを押しつぶした反ジェノスは、機械兵たちの連撃に耐えきれずにその瞳の光を消した。

 あー、その。反アンゴルモアはこれで終わりかな。

 何とも言えない空気が漂う中、ジェノスから脱出した反高田の頭蓋をヘッドショット決めて、御影祐一がこちらにやってきた。


「伊吹と炎野、坂崎、俺の反存在の撃破を確認した。先程反みか……アンゴルモアと高田を撃破した。残りは誰が残っている?」


 さすが俺のクラスメイト。優秀なのが揃ってやがる。


「では作戦を伝える。皆、確実にナーガラスタを撃退するぞ!」


 俺は皆に作戦を伝える。

 俺にはこれぐらいしか出来ないからな。邪魔にならないようにマロンの横にいるくらいしか出来ないだろう。

 綾嶺と二人で桃栗の護衛をしておくよ。

 そう告げると、皆嫌な顔せずに任せる。と散開していく。

 適材適所とはいえ、なんとも辛いモノだ。だが、なぜだろうな。前世よりは、気持ちが沈むことのない戦争だ。


 前世ではできなかったが、日本軍に勝利を。この闘い、絶対に負けられん。

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