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対魔王軍作戦会議3

「ちょ、ちょっと、土下座とか止めてよ」


 さすがに驚いた八神だったが、俺は額を擦りつけたまま土下座を続ける。


「勇者パーティーだけだったなら、俺は早々に諦めていた。だが、勝てる目が見えるんだ。頼む八神。俺にもう一度指揮を行うチャンスをくれ。絶対に全員を生還させる。そのチャンスを俺にくれッ!」


「いや、ちょ、意味わかんないから……ああ、もう。どうなってんのこれっ!?」


「私に助けを求められても困る。いいじゃないか。天使だということを隠したいのはわかるがすでに私も綾嶺も知って……すまん。口が滑った」


 下田に助けを求めたらしい八神。しかし、その下田により隠したかった事実が暴露された。

 ……天使? 天使って、あれか? 神の使いという伝説上の生物か?


「あああっ、ちょ、何言っちゃってんのっていうか何で知ってるの!? あたし喋ってないはずだよ!? 麁羅、もしかして!?」


「え? いやいやいや、私話してないよ? ホントだよぉっ!」


「あ……いや、すまない。私、耳が良くてな。全ての会話が聞こえていた。綾嶺がルミナスナイト? になったのでしょ?」


「だから何でバラしちゃうかなっ!? ああもう、主よ。我が身を晒す事をお許しください。ホント許して。堕天はさせないで。はいっ。ステータス展開表示! これでいいっ!?」


 なかばヤケクソ気味にステータスを表示させる八神。

 俺は土下座を止め、食い入るようにそれを見た。

 皆も気になるようで、席を立って寄ってくる。


 名前:オルタナエル・フレイブレイズ 【♀】

 種族:天使 【4100004007】

 階級:力天使 【Lv227】

 二つ名:なまけもの 【Lv20】

 体力 32800/32800

 魔力 20000/20000

 技力 8300/8300

 攻撃力 1320

 防御力  544

 魔攻  1520

 魔防  1030

 速度  2000

 運    880

 特技:

     手加減:0

     寝る:0

     聖戦士任命:0 (使用済み)

 魔法:

     ホーリーアロー:10

     ダーヂエグザイル:80

     天罰:2300

     ヒールラオール:160

     ヒールライア:220

     リザレクト:500

     リフレッシュ:200

     ホーリークロス:340

 常時発動:

     ファスト神の加護

     天の御使い

     監視者

     神聖無効

     魔力耐性

     魔素脆弱

 情報:異世界から召喚されし者

    綾嶺麁羅を聖戦士に任命する


 本当に天使だった。しかも力天使。

 確か、天使、大天使、権天使、能天使の次に位置する天使ヒエラルキー中級第二位の俗称だ。

 結構な役職に付いている。

 しかし、残念なのがなまけもの。レベルが20ということは、かなり仕事を怠けていると見ていい。


 ただ、ステータスが凄い。体力などは俺のステータスと一ケタ違いである。

 これ程強かったならなぜ俺たちの助太刀を行わなかったのかと思うが、怠け者な彼女のことだ。自分の実力を見せて頼られるのが嫌なのだろう。


「おい、八神。このステータスなら手塚を死なす事はなかったんじゃないのか? なぜ俺たちを手伝わなかった?」


 俺の想いを赤城が伝えた。

 八神も予想はしていたのだろう。本当に面倒臭そうに頭を掻いて答える。


「あのねぇ。あたし天使なわけよ。人間、その他の殺生に関して天使にも法律があってさぁ。それに触れると堕天しちゃうわけ。だから戦いに参加して、もし魔物を倒して堕天しました。なんてことになったら最悪じゃん? だからあたしは涙を飲んで皆を見護っていたの」


「殺生が御法度なのか?」


「そうでもないわよ。許可なく主の持ちモノを破壊してはいけないってだけ。魔族相手なら別に倒しても良いけど。この世界の魔族が私達の居た世界の魔族と同じかどうかわからなかったし。でも、これからは戦闘も参加できるわよ。聖戦士である麁羅を護るという名目が出来たし」


 つまり、これから先は戦争にも参加してくれるということか。天使の法律とやらは変わっているな。

 これはかなり強力な手駒だ。

 なら、使える能力を取捨選択しなければならない。


「八神。この能力欄、説明して貰っても構わないか?」


「説明? まぁ、いいけど」


 寝るや手加減は詳細を見なくてもわかるのでこの際放置だ。

 まずは聖戦士任命について。


 聖戦士任命:

  聖戦士ルミナスナイトを任命することができる

  任命にはルミナスストーンが必要になる

  ルミナスストーン枯渇のため、現在は使用不可


 綾嶺に使ったと言っていたからこれは当然の結果だ。使えないのならどうにもなるまい。

 これはもう放置だな。別の能力を見るか。

 ホーリーアロー、ダーヂエグザイル、天罰は前の世界で普通に使っていた神聖技という能力らしい。

 全て攻撃技だそうなので、概要だけ聞かせてもらった。

 次にこの世界で手に入れた魔法。


 ヒールラオールは全体中回復。

 ヒールライアは単体を大回復。

 リザレクトは死者蘇生。

 リフレッシュは状態異常回復魔法である。


 このうち、死者蘇生以外は元の世界でも使えたらしいが、名前は別だったらしい。

 最後にホーリークロス。

 これは不死属性の生物などを浄化させる魔法らしい。

 もちろん、普通にダメージを与えられるので、生者相手でも十分使えるが、攻撃魔法としてならダーヂエグザイルという神聖技の方が使えるそうだ。


 常時発動、他のヤツにはPASSIVEと見えるらしいが、俺には日本語にしか見えない。

 まぁ、とりあえず。一つ一つ説明を見せてもらう。


 ファスト神の加護:

  ファストという名の神から加護を受けている

  聖属性付加


 天の御使い:

  神に仕える高次生命体

  人よりも優れた能力を持つ

  飛行可能


 監視者メルカバー

  ある人物を監視する任務を継続中

  観測対象が死亡後、速やかに天界へ導く役目を持つ

  観測対象に加護を与える


 神聖無効:

  神の加護により光属性、聖属性による攻撃を無効化する


 魔力耐性:

  魔法攻撃によるステータス異常に耐性が増す


 魔素脆弱:

  魔素または瘴気に脆弱になる

  弱点のさらにマイナススキルのため、魔素の飽和した場所ではダメージが最大5倍に増える。


 なるほど。天使というのは魔素、瘴気とやらに脆弱らしい。そういった場所に向わせないように気をつけなければならないようだ。

 逆に、神聖属性は無効化されるようだ。


 八神曰く、この欠点のせいで瘴気のある場所では魔族と戦えないため、天使たちは代わりに戦ってくれる聖戦士を人間の中から選ぶのだという。

 人間なら瘴気のある場所でも普通に戦えるんだと。今はあまり必要な説明でもないので聞き流しておいた。


「これで、満足?」


「ああ。これだけの情報があれば十分生かせる」


 次は綾嶺と下田だ。

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