7-4 正装
新連載スタートしました。
「呪われた魔剣は進化して女の子になった」 https://book1.adouzi.eu.org/n4668em/
(下の方にリンクがありますのでそちらから飛ぶと便利かと思います)
ファンタジー世界の異種恋愛ものです。よろしくお願いします。
父上の指示で俺とアリサは正装に着替えさせられた。
ヒルダとライナにも服を貸すから着替えてもらおうということで客間のほうへふたりを呼びに行ったところ、
「シモン様、かっこいい」
正装の俺を見てヒルダが感激してた。
「ふたりも着替えて欲しいって。
アリサの衣装が山のようにあるから、適当に選んでくれ」
俺はふたりを案内してアリサの衣装部屋へ。
両親から買ってもらった衣装のの他、自分で稼いで買った衣装が1つの部屋を占領している。
「すっごーい……」
ライナの目が点になってる。
うん、俺もこれはちょっとすごいと思うんだよな。
だがどれも実際問題として可愛いんだ、これが。
「ちょっとサイズが微妙かもしれんから、そのあたりはガマンしてくれ」
ふたりは目を輝かせて衣装を選んでるようだ。
まぁ俺がいても着付けとかわからないから、あとはメイドのナタリーとサーシャに任せて俺は退散させてもらうことにした。
出て行こうとしたところ、ナタリーが俺にそっと耳打ちしてくれた。
うん、いい情報をありがとう。
アリサのほうの様子を見に行くと着替えが終わっていたようだ。
「お兄様、どうかな?」
アリサがクルリとまわってくれた。
「すっごく可愛い。
それ見たことがない気がするんだけど」
「うん、お兄様が出て行った後に作った衣装ですの」
アリサは俺の反応にすごく喜んでいる。
うん、ナタリーの情報のおかげだ。
そのままアリサと話しているとふたりの着替えも終わったようだ。
サーシャがふたりを連れてきてくれた。
「ふたりとも素敵だよ」
俺が声をかけるとふたりともなんか恥ずかしそうにしていた。
ヒルダは胸がずいぶん苦しそうで、逆にライナは胸が余裕ありそうな感じだ。
でも、それぞれ自分の魅力をうまく出せる衣装を選べてるんじゃないかな。
「変じゃないですか?」
ヒルダが不安そうに聞いてくる。
「いや、すっごく温かみのある感じで可愛らしいよ」
「よかった……」
満更でもないようだ。
「わたしのはどう?」
ライナも少し表情が硬いな。
「うん、すっごく綺麗だ。ライナはいつも綺麗だけどこういう衣装着るとまた違った感じでいい」
「すぐそうやって……」
え、素直に言ってるんだけどな。
「綺麗さで言ったらライナ以上の存在俺は知らないぞ」
ライナは真っ赤になってる。
こういう反応可愛いよな。
そのまま晩餐会となった。
今日になって急に来たというのに、シェフのガネルはずいぶん頑張ってくれたものだ。
「いつもこんなご馳走なの?」
ヒルダがびっくりして聞いてきたが、
「まさか、俺たちが来たから特別だよ。そのための正装だし。
普段はもっとざっくばらんだよ」
「安心した。毎日こんなんだったらララウェル大変だろうなって思ったの」
「確かにそうだな」
ヒルダとライナはテーブルマナーに困ってたけど、
「マナーとか気にしなくていいからな。
美味しく食べるのが一番のマナーだ。
少なくとも我が家ではな」
俺が声をかけると、母上のほうからも、
「そうですよ。こんなのは他の貴族たちの相手するためだけに覚えてればいいことです。
おふたりのことは、もう家族と思ってますから、気楽にすごしてくださいね」
と声をかけてくれた。
まだふたりとの関係を細かく話してはいないんだけど察してくれてるようだ。
さすがにアリサとの結婚を両親に宣言したすぐあとに、あとふたりいますとか言えないもんなぁ。




