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妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第6章 エルフ村
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6-4 聖夜

メリークリスマス♪

なんとかこのお話を今夜にタイミング合わせることができました。

 翌朝、ライナはすっかり元気になっていた。

 なかなか立ち直りの早いやつだ。


「あのですね。

 今夜なんですが村のお祭りがありまして。皆さんも是非いっしょに行きましょう」


「どんなお祭りなんですの」


「あのですね。

 今夜、古代のエルフの精霊たちが古代樹のまわりに集まって皆に祝福をくれるというお祭りなんです」


「エルフ以外も行っていいんですか?」


「だいじょうぶ。このお祭りを見に近くの村の人たちもエルフ村に来たりしてますからね。

 夕方からは私も街と村を往復して、祭りに来る人たちの案内をしないといけません」


「そういえば、森って入るのは大変だけど出るときはどうなんだ?」


「出るときは大丈夫ですよ。少し幻惑されるかもしれませんが気づけば森の外にいるはずです」


「じゃ忙しいのは夕方だけか。それまではライナは時間空いてる?」


「だいじょうぶですよ」


 それまでの時間にいろいろと話し合うことにした。

 とりあえず、俺たちの今までのことをすべてライナに話した。


「なるほど、アリサとは兄妹じゃなかったんですね」


「あぁ、あれからそう判明してな」


「じゃアリサはライバルってことですね、負けません!」


 挑戦者の目になってアリサを見つめる。


「ヒルダ、女性ばかりの教会というのはいろいろ興味があります。

 後でいろいろ教えてください」


「いいですよ、いろいろ内緒な話もたくさんありますよ」


 2人で何か良からぬ目で意気投合している。

 あぁやっぱり残念なやつだった。そしてヒルダもそういう娘だったのか……


 そして夜が来た。

 ライナの案内で俺たちは世界樹の元へ。


 真っ暗なんだが、どうやらエルフは夜目が効くらしい。

 ライナが俺の手を引き、アリサとヒルダの2人は俺に捕まって引かれて行く。

 ライナが立ち止まったところで俺も止まると、ライナがそのまま抱きついてきた。

 俺はアリサとヒルダも手元に引き寄せる。


 どうやら、雪も降ってきたようだ。

 でも3人の体温を感じていると寒くは感じない。


「始まりますよ」


 ライナの声で見上げると、世界樹にぼんやりとした光が1つまた1つと灯りだした。

 その光はやがて世界樹を離れ、空に舞い始める。

 やがて、幾万もの光が上空に輝く。


「すべてエルフのご先祖様たちの光です。

 私もいつかあの光となるのです」


 エルフの精霊たちの光……

 あの光すべてが皆エルフたちだったのか。


「精霊たちの光のもとで口づけすると必ず幸せになれると……」


 俺はライナに優しく口づけをした。

 アリサとヒルダにも順に……

 そして、3人を強く抱きしめた。


 精霊たちの光が俺たちを祝福してくれている。

 そんな気がした。

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