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妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第2章 不死の王
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2-7 アンデッドの群れ

本日2回めの投稿になります。

 森の木々が開け、そこに巨大な世界樹が姿を現した。

 世界樹の影となるため、世界樹のまわりには木々の生えていない広場が広がる。

 その広場を埋め尽くすようなアンデッドの群れ。

 アンデッドたちは世界樹を囲むように集まっているが、何をするでもなくただぼーっと立っているだけである。

 そのアンデッドの群れに森のあちこちから、あちらから1匹、こちらからまた1匹というようにアンデッドたちが合流していく。


 そんな様子を3人で木の影から様子を眺める。


「このアンデッドたちはなんなんでしょう?」

 ライナが疑問を口にする。


「不死の王が呼び出したのかなって思ってましたけど、どうやら違うようですの。

 あちこちにいたアンデッドたちがここに集まってきたんじゃないかなって思うの」


「そう、その不死の王はここにいるのか?」

 一番の問題は不死の王だ。

 この群れの中に不死の王がいるようなら、さっさと逃げないと……


「ちょっと待つの」

 アリサが詠唱を唱えつつ、世界樹のまわりを見渡す。


「大きな力の持ち主は魔法の届く限りにはいないの。

 ここにいるのは弱いアンデッドたちだけみたいなの」


「このアンデッドをなんとかしないと。

 これだけのアンデッドに囲まれているせいなのか、世界樹が苦しそうです」

 ライナの目が俺たちに助けを求めているのがわかる。


「なんとも数が多いな。

 一匹一匹は弱くても囲まれると厄介だ」


「世界樹もろとも吹っ飛ばすのなら簡単なんだけど……」


「やめろ」「やめて」

 ライナと俺の声が重なる。


「いくらなんでもエルフの人の見てる前で世界樹吹っ飛ばしたりはしないの」

ライナがいなかったらやりかねなかったな、アリサは。


「ちょっと地味な呪文を威力と範囲拡大してかけるの。

 たぶん撃ち漏らすから、そいつらをお願いなの」


「わかった」

 俺はホーリーウェポンを唱え直しておく。

 ライナも何やら詠唱を始めている。


 アリサは長い詠唱を終え、パワーワードを唱える。

「ホーリーレイン」


 光が雨となってアンデッドたちに降り注ぐ。光の雨をあびた多くのアンデッドたちの体は崩れていった。

 それでも何匹かのアンデッドたちは抵抗に成功し、こちらに敵意をむけてきた。

 とはいえ、そのアンデッドたちの移動速度は極めて遅い。どうやら、抵抗に成功したアンデッドたちにも行動阻害の効果が効いているようだ。


「風の精霊よ、その刃をもって敵の体を切り裂け」

 そんなアンデッドたちの群れに、ライナの精霊魔法が炸裂する。

 それでも耐えたアンデッドは数匹いたが、俺の攻撃で崩れていった。


「集まってるアンデッドたちは片付いたみたいなの。

 まだ森にはアンデッドが残ってるみたいだけど、それは後回しなの」


 世界樹へ近づいていくと、そこには入り口が破壊された祠があった。


「この祠は多分あとから作ったものだと思うの。

 不死の王の封印を雨ざらしで置いておくわけにはいかないから作っただけのもののはずなの。

 封印そのものとは関係ないみたいなの」


 祠の中に入っていくと、突き当りには真っ黒に焦げてえぐられた世界樹の姿があった。


「封印をすごい魔力で強引にぶち壊していった跡って感じなの。

 なんか美しさが感じられないの」


「封印は解かれてるってことで間違いない感じ?」


「伝説のとおりなら、ここに不死の王が勇者の剣で貫かれたまま封印されているはずなの。

 その封印は見るも無残に破壊されて、も抜けのからなの」


「その剣って、あそこに落ちてるやつかな?」


 俺は祠の隅に1本の剣が落ちているのを見つけた。

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