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妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第2章 不死の王
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2-2 手分けして調査

 ギルドから宿屋への帰り道、

「明日は何か予定があるのか?」

 牧場へ向かう日程を1日ずらした理由が気になった。


「少し気になることがあるんですの。

 フォレストウルフっていうのは名前のとおり、森の奥に住んでるウルフのはずですの。

 あまり人里近くでは目撃されないどちらかというとレア種のはずですの」


「牧場の近くに現れた理由が気になるってことか」


「そうですの。

 普通に考えると森に何か強敵があらわれたか、エサがなくなったかってことですの。

 でもフォレストウルフはモンスターと比べれば弱いかもしれませんが、普通の森にいる生き物の中では相当強いはずですの。

 グリズリーとかがいたとしても1対1ならともかく、フォレストウルフ数匹で戦えばそうそう負けないはずですの」


「確かにそう言われてみると妙な話だな。

 ということは森にフォレストウルフが住めなくなったなにか特別の理由があるということか」


「そしてその森なんだけど、ちょっと聞き覚えのある森のような気がするの。

 ということで明日はどこまで調べれるかはわからないけど、下調べと準備にあてたいと思うの」


「わかった。なにやら赤字になりそうな依頼だな」


「ごめんなさいなの。

 でも、今はそれほどお金は苦しくないよね」


「あー、俺たち2人だけのパーティーなんだから気にしなくてもOKだ。

 納得のいく仕事をやっていこう」


 気がかりなこともいろいろあるが、その日は初めての依頼を終えたお祝いに帰り道で買ったエール酒で2人で乾杯して就寝した。

(このあたりでは16歳になれば飲酒できます)


 そんなわけで翌日は手分けして調査に。

 アリサは図書館で、俺は街で人々から、何か役に立ちそうな情報はないか調べた。


 街で適当にあたったかぎりでは、さっぱり収穫はなかった。

 まぁ結構辺鄙なところではあるし、近くに何か有名な観光地があるわけでもないし、その牧場のあたりのことを知っている人も少なそうだ。


 しかたなく冒険者ギルドに顔を出して受付のサマンサだけでなく、職員たちをつかまえていろいろ尋ねてみた。

 この作戦はあたったようで、ギルドの職員たちには牧場の先代とそれなりにつきあいがあった人もいたので、そのあたりから少しは情報が得られた。


 わかったことといえば、


・フォレストウルフの強さは通常のウルフと同じくらい、ただ肌の色がこげ茶色で森の中では迷彩色となり手強いこと

・フォレストウルフは普通、森以外では生息していないこと

・牧場の先代の頃には、野獣からの被害は聞いたことがないこと

・フォレストウルフは特に臭いに敏感であること

・マーケイン牧場から少し離れたところに、大きな森林地帯があること

・その森林地帯には立ち入ってはいけないと牧場の先代は言われていたらしいこと


 このくらいじゃ、特に役に立ちそうにないな。

 アリサのほうに期待しよう。


 アリサが行った図書館の前で待ちあわせ。

 図書館には入館料がかかるので、今から俺がはいってもお金の無駄遣いだから、ここで待ってるのが正解だろう。

 時間通りにアリサが出てきたので、近くの食堂で昼食をとりながらの情報交換となった。


 俺の方の情報をアリサに伝えると、

「その臭いに敏感ってのが少し気になるの」

 ということで、俺の方の情報もまるでムダという訳ではなかったようだ。よかった。


 アリサのほうは何やら重大そうな情報を見つけたようだ。

「古文書によると、マーケイン牧場の近くの森に600年ほど前の魔王の四天王の1人不死の王が封印されてるらしいの」


 なんかいきなりな展開になりそうな気がしてきたぞ。

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