6 賢者アリサ
第6回ネット小説大賞 (なろうコン)のニ次選考で見事に玉砕です。残念!
ナターシャと合流してからの旅は順調です。
魔族との戦闘もほとんどなく、途中の街での冒険者ギルドの依頼などはスルーしてますので駆け足の旅。
賢者アリサの待っているダルースの街が見えてきました。
「やっと着いたか。アリサはきっと待ちくたびれて、怒ってるだろうなぁ」
こんなこと言ってますが、よほどシモンはアリサに会いたいんだなぁってのが丸わかりです。
このところ、話すことと言ったらアリサのことばかり。
正直、ちょっと妬けますね。
街につくと、シモンは急いで冒険者ギルドへ駆け込みます。
あたりをキョロキョロと見渡していると、
「シモン!」
向こうの方から声がかかりました。
あれが賢者アリサなんでしょうか?
シモンの顔を見ればすぐわかりますね。すっごく嬉しそうです。
向こうから小柄なとっても可愛らしい女性が駆けてきてシモンの胸に飛び込みます。
感動の再会ってやつですので、ここは暖かく見守ってあげましょう。
「シモン、大丈夫だった?
ケガとかしてない?」
「大丈夫だよ、ナターシャとも早めに合流できたし」
「そうか、よかったわ。心配したのよ」
どうやら、シモンにとってアリサはお姉さま的位置づけなんでしょう。
「それより仲間が一人増えたんだ。紹介するよ」
シモンがアリサをわたしとナターシャのところへ連れてきます。
「エルフ村で知り合ったユイナ、精霊使いだよ」
シモンの紹介にわたしがちょこんと頭を下がると、アリサは感激した様子で、
「まぁ、なんて可愛いの!」
わたしのことを思いっきり抱きしめます。
アリサの胸にわたしの頭が押し付けられます。
むむ、見た目の感じよりお胸が大きそうですね。少し敗北感が。
「シモンにエッチなこととかされてない? 大丈夫?」
えっと、どう答えるのがいいの?
なんか、冒険者ギルドで大騒ぎしててずいぶん注目を浴びちゃってる気がするんですけど……
ちょっと恥ずかしいよ。
「アリサ、落ち着け。
ユイナ、ごめん。
アリサは可愛いもの見ると興奮しちゃうんだ」
可愛いって言われて悪い気はしないけど、見た目は小さくてもこの中で一番年上のはずなんですけどねぇ。
アリサもそれまで泊まっていた宿を引き払い、合流して4人であらためて宿を取ることにした。
そしてこれからの行動予定の話し合いになった。
「もともとの計画どおりにこのまま北へ抜けたいと思います」
話し合いはアリサ中心。もともとそういう感じに進めてきたそうだ。
わたしはあまり外の世界のことは知らないので、すべておまかせするしかありません。
どうやら、北にはトラバビエというドワーフたちの王国があるらしい。
ドワーフとエルフは仲悪いって聞くけど大丈夫? とアリサに聞かれたけど、そうなの?
このあたりにドワーフっていないし、会ったこともない種族と仲が悪いかどうかと聞かれても困りますよね。
正直なところをアリサに伝えると、
「そういうものなんですねぇ。世間の噂とかはあてにならないですね」
って。
わたしもそう思いますよ。
トラバビエまでは1ヶ月くらいかかるらしい。
そんな感じで、このまま北に向かって旅立つことになりました。
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「昔のアリサってそんな感じなんだ。今とはずいぶん違う感じなんだね」
ライナがそんな事を言いますの。確かにご先祖様かもしれませんけど、名前が同じってだけで比べられても困りますの。




