3 いきなりの展開に理解がついていけない
いきなり少年はわたしの肩を掴んだの。
「俺はシモン、勇者だ。あんたみたいな美しいエルフと出会えたのは運命に違いない!」
もしかして、わたしは口説かれてる?
そんな会っていきなり……
「俺としよう」
え?
何の話かな?
わたしがキョトンとした顔をしてるとシモンは聞こえてないと思ったのか再び繰り返した。
「俺としよう」
そして、いきなり自分の服を脱ぎ始めた。
「ちょっと待って!
しようって言うのは……」
「え? 男女ですることって言ったら決まってるだろ?」
決まってるの?
人間って種族とほとんどって言っていいほどつきあいがなかったので、よく理解できてないけど、人間ってそういう種族なの?
「人間はどうかわからないけど、エルフの常識ではそんなことは……
会ったばかりの男女がいきなりそんな……」
「会ってどれだけしたらとかいうのは関係ないさ。要は愛があるかどうかだけで」
「そんなこと言われても、どこにも愛とか……」
「いや、俺はあんたを愛してる!」
シモンはそう言うと、素っ裸になって大きくなったそれを誇るように見せつけた。
絶対それってただの肉欲であって、愛じゃないと思うんだ……
と思いつつも、ついガン見しちゃってるのに気づいて慌てて視線をそらした。
このままじゃダメだ。完全にこのシモンのペースに乗せられてる。
とにかく、今のお互い素っ裸のままってのはまずすぎる。
「お願い。とりあえず、服を着て話し合いましょう」
そう言いながらなんとか服のところまでたどり着いたわたしは急いで服を身につける。
少なくともシモンは乱暴にことを運ぶつもりだけはないようだ。
シモンはわたしが服を着る様子をじっと見てたけど、特にジャマすることはなくて一安心。
わたしが服を着終わるとしかたないって感じで、自分を服を着始めた。
ギンギンになってるそれをしまうのが大変そうだったけど。
男の人のってあんなんなのね。
「わたしはユイナ。このエルフ村の族長の娘です。
勇者のシモン様と言いましたね。事情を話してもらえませんか?」
落ち着いた素振りをしてわたしがシモンに問いかけると、シモンはゆっくりと事情を話してくれた。
幼馴染で賢者のアリサとゴアビレンス教の僧侶ナターシャとの3人で魔族と戦い続けて来たこと。先程の魔族を含んだ高位の魔族の軍団に襲われた時に賢者アリサが覚えたばかりの古代魔法を暴走させて全員ばらばらに吹き飛ばされたことなどを。
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「ねぇねぇお祖母ちゃん、前に聞いたときって勇者と出会っていきなりやっちゃったって言ってなかったっけ?」
ライナが空気を読まない発言で、ユイナさんのお話に割り込んだんですの。
「後世に残すための話じゃからそういうことは少し省略しておくものなんじゃ」
「ふーん、じゃその時に結局やってたんだね」
さすがにそこまで赤裸々な話は要らないと思うんですの。
少しくらいのフィクションがあっても特にツッコミはしたくないですの。




