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7-9 ヒュドラ

 ボス部屋に飛び込むとそこには、9つの首を持つ大蛇の姿があった。


「お兄様は初心者の頃、こんなすごいモンスターを倒したんですの?」


「いや、ここのボスはジャイアントサーペントだったぞ。

 大蛇には違いないがあんな化物じゃなかったはずだ」


「あの姿は伝説でしか聞いたことがないヒュドラだと思いますの」


 なんか神話かなにかで聞いたことがある名前だな。


「ダンジョンの核ってのはどこです?

 それを破壊すれば問題は解決するかと」


 ヒルダが落ち着いてそう言うが、見渡した限りではそれっぽいものは見つからない。


「状況からの予測でしかありませんが、あのモンスターの中に核があるんじゃないかと思いますの。

 ダンジョンの核がボスの体内に発生したための突然変異ではないかと想像します」


 ヒュドラと思われるモンスターも俺たちの姿を見つけたようだ。

 どうやら戦わざるをえない流れだな。


「毒攻撃に注意ですの」


「了解」


 と、言ったもののあまり注意のしようがない気もする。


 俺は間合いを気をつけながらヒュドラに向かうが、9つの頭からの視線でスキを見つけれそうにない。

 ヒュドラと睨み合っていると、ライナの矢がヒュドラの頭の1つに突き刺さり、その頭がライナ目掛けて伸びてきた。

 俺はその首を一撃で切り落とすことに成功した。


 切り落とした首がそのまま俺めがけて襲ってきたが、ライナの矢で地面に串刺しになると、首は溶けるように消えて切った。

 この調子で1本ずつ落としていけばと思った瞬間、斬られたはずの首が新しく再生してきやがった。


「伝説のとおりなの」


 そういえば俺の読んだ話でもヒュドラの首は再生するとかなってたな。再生を防ぐにはたしか……


「再生にはアリサが対処するの。

 気にせずどんどん攻撃して」


「わかった」


 俺がヒュドラの間合いに踏み出すと、ヒュドラは毒のブレスを俺に向かって吐いた。

 ブレスの範囲にいた俺とライナが毒に侵されたが、すぐにヒルダの解毒魔法が飛んできて毒は一瞬で消え去った。


 俺はそのままブレスをはいた首を切り落とす。

 そこへアリサのファイヤーボルトが飛んでいき、ヒュドラの切り裂かれた傷口を焼いた。


 そう、確かそんな感じの攻略法だった気がする。


 アリサの狙い通り、傷口を焼かれた首からは新しい首は再生されなかった。

 俺たちは攻撃してくる首を1本ずつ確実に切り落としては、傷口をファイヤーボルトで焼いていき、8本の首を落とすことに成功した。


 残る首は他の8本よりもやや太い気がする。

 どうやらこれが本体のようだ。

 だが、こうなればもうちょっと強めの大蛇と変わらんな。

 俺の剣が胴を大きく切り裂き、ヒュドラの息の根を止めた。


 ヒュドラの胴をさばくとそこからは紫色の大きな結晶があらわれた。


「これがダンジョンの核かな?」


「そのようなの」


「このまま叩き割ればいいのかな?」


「やっちゃうの」


 俺がダンジョンの核を真っ二つに切り裂くと、ダンジョンが一瞬光って揺れたかと思うと、それまで聞こえていた唸るような音は消え去った。

 壁の色も紫から、かつて見たような土色に変わってきた。

 どうやらダンジョンの異変は収まったようだ。


「宝箱があるようよ」


 ライナが隅に湧いた宝箱に気づいた。どうやらボスを倒した報酬の宝箱のようだ。


「それよりもダンジョンの核を割った後に、大きな魔石があるの。

 こんな大きな魔石は見たことがないの」


 魔石はモンスターを倒すと時々採れるものであるが大抵はとてもちっぽけなものであるが高値で取引されている。

 この大きさの魔石だといったいどのくらいの価格になるか想像もつかない。


 宝物などを回収して、アリサの帰還魔法で引き上げることにした。

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