7-8 無限湧き突破
そのまま俺たちは1層を駆け抜け、2層へ降り立った。
2層は狭い通路の続くフロアとなる。
迷路となっているが、かつて通いまくったダンジョンであるため、すべてのマップは俺の頭の中にはいっている。
普通に近道をまっすぐ進めば、脇道にも大量にいるモンスターに後ろを取られて挟み撃ちになる。
かといって、脇道のモンスターたちをすべて倒すとなるとどれだけ時間がかかるかわからない。
そこでアリサの指示により俺たちがとった作戦はこうだ。
俺が戦闘になってモンスターたちを切り倒しつつ前へ進む。
アリサが最後尾で、モンスターたちの後ろからの攻撃を防ぐ。
ライナは土の精霊魔法により後ろに壁を作り、モンスターの進行を止める。
ヒルダは中央で前後の仲間を回復しつつ、適宜横からの攻撃に備える。
という分業方式で進むことになった。
「本当はミカエル兄様のような重戦士が前衛になるのが一番いいんですの」
言われなくても俺の被弾が多いのがこの作戦のネックだってのはわかってる。
敵が多すぎて、攻撃をかわすとかがほとんどできないため、どうしても被弾が増えてヒルダの回復の負担が多い。
俺はいかに早く前方の敵を倒すかってことに専念し、被弾は無視して進むだけだ。
とはいえ、斬っても斬っても次がせまってくるんだからたまったものじゃない。
めっちゃ痛いが、他の誰も変われないんだから俺ががんばるしかない!
まぁこのくらいの攻撃ならたいしたダメージじゃない。めっちゃ痛いんだけどな。
エルフ村でもらった勇者の鎧がなかったらと思うと、絶望的になるな。
それでもなんとか突破できるだろうけど、どれだけ痛い思いをすることになっただろうか。
必死の思いで2層を突破。
フロアボスのジャイアントベアも途中でいたような気がしたが、まぁ雑魚である。
他のモンスターたちの数の脅威に比べたらどうでもいい相手だ。
「ライナ、ここにも壁を頼む」
3層へモンスターが降りてこないように、ライナに壁を作っておいてもらった。
3層は1層と似たようなフィールドタイプ。
ここは1層と同じく火炎魔法で焼き払ってと思ったら、アリサいわく、
「ダンジョンの下層で大規模に火炎魔法を使うのは危険ですの。
息が詰まったりするんですの」
ということらしい。
知らなかったよ。昔にいたパーティーの魔法使いは普通に火炎魔法をビシビシ使ってたと思う。
火炎魔法以外はあまり広範囲の魔法はないらしい。
アリサの氷魔法とライナの風の精霊魔法で近づいた敵を倒しながら徐々に進んでいく。
時間はかかったが問題なく3層も突破。
フロアボスのオーガは俺たちの集中攻撃で一瞬のうちに崩れ去った。
そして最深部の4層にたどり着いた。
ここはボス部屋までは一直線、それほど長い距離でもない。
それなりのモンスターたちがひしめいていたが、俺たちは一気に突破して、ボス部屋へ飛び込んだ。




