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この物語は、フィクションです。
悩んで気持ちが後ろ向きだと、よくないことも続くらしい。
まず、『ボイ伝』と『リアダン』がダブルで一次を通過していたコミカライズのための賞で、どちらも二次は通過できずに、消え去った。『ボイ伝』はこの賞の応募作の中では『なったろう』での最高ポイントだったにもかかわらず、だ。ポイントは関係ない、という言葉が真実だと思える。
続いて、『ランクル夫人』が生き残っていた小説賞でも二次通過が発表された。こちらも、二次に『ランクル夫人』は残れず、消え去った。
少しだけ勇気づけられたのは、『リアダン』が月間ランキングでひとつ順位を上げて3位になったことだった。
しかし、よくランキングを確認してみると、1位と2位は「即寝チート」という、相手を一瞬で眠らせてしまうチート能力の持ち主が活躍する異世界チート無双ものの、書籍化作家の作品だった。しかも、アニメ化が決まったらしく、本編は完結、そのスピンオフと一緒にワンツーフィニッシュを決めていたのだ。
「結局……実力のある書籍化作家には、勝てない、のか……」
それが、素人作家の限界なのだろう。
「……気分転換に、旅行にでも、行ってくるか」
おれは『リアダン』の続きである、『リアルダンジョンとタイムアタック ~RDTA、マネジメントSIM~』のその1とその2を予約投稿で7月分まで予約すると、青春18切符で格安旅ができるように乗換案内を検索し、じゃらんでホテルの予約も入れたのだった。




