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この物語は、フィクションです。
「まーだ、そんなことに悩んでんのか? 贅沢な……」
「贅沢?」
「はっ……そもそも、ランキングに入れないヤツがどれだけいると思ってんだ?」
「いや、ランキングに入ってなくてもいい作品はあるだろ。おれだってNTRスコップは毎日欠かさずやってるぞ?」
「NTR以外も読めよ!?」
「婚約破棄ものも、冤罪ものも、読むは読むけどな……」
「いや、『なったろう』漬けだな、おい……メインで読むものがNTRとか、病んでるけど……」
「ざまあものなら、NTRが一番、リアリティが出る可能性があるからな。『毒々しい死人』とか、読んだらおまえにもわかるって。ただ、あんまりリアリティのある作品がないジャンルなのも事実だけど……」
「あれ読んだら脳が破壊されるわ」
「お、読んだことあったか」
書けなくなったおれは、休日に友人とコメダ珈琲でモーニングのトーストを食べていた。誰かに話せば悩みはスッキリするかもしれない、そんな思いもあった。
気晴らしにはなったが、悩みは消えず、『リアダン』の続きは書けないまま、『リアルダンジョンとタイムアタック ~RDTA、トレーニングSIM~』の前編が3/21に終了した。そのまま、後編が予約投稿はされているが、この時点で、5118ポイント、1130ブックマーク、618415PVで、ジャンル別ランキングは日間5位、週間3位の、月間4位だった。友人に言わせれば、上出来の部類だ。おれも、そう思う。四半期でも10位なのだ。
それでも、ポイントは短編『王子も楽じゃない ~婚約者の義妹が「お姉さまにいじめられて……」と言うのだが~』に、とっくに追い越されていた。
まるで短編と連載長編は、童話のうさぎとカメのようだった。




