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この物語は、フィクションです。
第2章の完結を迎えた『リアダン』は、2/16の時点で、1918ポイント、451ブックマーク、163610PVと、ブクマが第1章の時から1.5倍くらいに増えていた。ランキングもまだ、ジャンル別月間10位をキープしていて、『なったろう』の表紙に居座っている。
書き終えているのだから、どんどん投下した方がいい。おれは、第3章となる『リアルダンジョンとタイムアタック ~RDTA、トレーニングSIM~』の前編と後編の予約投稿を始めた。
ただし、第1章、第2章と違って、日付ものという点は同じでも、その日と同じ曜日に全ての話を投稿するというのは止めた。
平日は12時に1日1話、休日は6時、12時、18時に1日3話の投稿で、1週間にだいたい11話の更新ペースにした。
表紙のジャンル別ランキングに名前があれば、それなりに読んでもらえるだろうという安易な判断だった。
また、ここから先は、応募作ではなく、その続きとして、書きたいように書いたものだったのも、大きかった。
小説賞の一次を通過しなかった物語の続きが、『なったろう』読者にどんな風に受け入れられるのか……ひょっとしたら、受け入れられないのかもしれないが、おれは『なったろう』の素人作家として、諦念のような、達観のような、そんな心境に達していたのかもしれない。
そして、ここから、『リアダン』は地味な伸びを見せ、3/12には、日間ランキングの1位に入った。俺の中には以前ほどのこだわりはなかったが、それでもこの結果は嬉しかった。
その一方で、『リアダン』の第4章となる『リアルダンジョンとタイムアタック ~RDTA、マネジメントSIM~』のその1とその2までは書き上げていたものの、その3はなかなか指が動かず、その先の物語は遅々として進まない状況にあるままだった。
書きたいもの、であるはずなのに、書き進められない。おれは、新たな壁にぶち当たっていたのだ。
いつものように、読専へと変身して、他の『なったろう』作家たちのランキング作品をひたすら読み漁っていく。
そうしていると、おれも読むのは好きな異世界恋愛の「婚約破棄-ざまあ」なのだが、どうしてこのテンプレというものは、そろいもそろって、王子が浮気相手の証言だけで婚約者を断罪しようとするのだろうか、と。
こんな王子が、王家で生き残れるんだろうか?
そんな疑問が湧いた時、『リアダン』の続きでは固まったままで動かなかったおれの指が、動いた。




