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応募を済ませても、書きたいという意欲は失われず、そのまま続きを書き殴った。
書いても、書いても、終わらない。『学園物はエタる』という説の有力さを感じた。どこかで終わらせないと終わりそうもない。
既に文庫2冊分を応募し、そこからさらに3冊目、4冊目にあたる文量を書き終え、それでもキーボードを叩く手が止まらない。
7月の『ランドクルーザー男爵夫人の成り上がり ~高位貴族って本当に面倒なんですもの。困るわぁ~』以降は、応募したものだけで、作品の公開はしていないため、心配してくれた友人からも連絡が入ったりした。
その間にも、『ボイ伝』はタグで応募した小説賞の一次選考を抜けては、その先には残れないということを繰り返していたのだが、おれはいつの間にか、そのことに大したダメージは受けなくなっていた。
書きたいものを書いた。それが認められなかったからといって、どうしたというのか。
そんな風に思えるようになりつつあったのかもしれない。
そうして、『リアルダンジョンとタイムアタック ~RDTA、トレーニングSIM~』の前編と後編、『リアルダンジョンとタイムアタック ~RDTA、マネジメントSIM~』のその1とその2まで書き終えて、ふと我に返ると、もう年末になっていた。
「……この年末は、久しぶりに実家で過ごすか……」
そんなことを思いついた時は、『ボイ伝』での熱い戦いから2年が経っていたのだった。




