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さらには、その感想の翌日、メアドに待っていた「評価シート」が届いていた。
ずっと知りたかった自分自身の客観的な評価が、ここに、ある。
たかが一次通過、二次落選の作品とはいえ、それを読んだのは出版関係のプロの人。
どんな意見でも受け止め、おれ自身の糧にするしかない。
シートは5角形のレーダーチャートと、選考講評があった。イメージしていたよりも、選考講評の文字数は多く、長所を誉め、短所を伸ばすようにアドバイスがもらえていた。
おれは、文章力がまだまだ足りず、その一方で、構成力には大きな可能性があるらしい。こんなおれにも、小説を書く武器となる長所があったのだ。
足りないものを埋めるためにも、この小説の続きを書こうと、アイデアを考え、続きを必死に打ち込んでいく。
そして、ある程度、書き溜められたところで、続きを『なったろう』で公開していった。
だが、やはり、PVもポイントも、伸びない。
……おもしろくないんだろうか。
戻り切っていないモチベーションの中、一度、自分を疑うと、キーボードを叩く指は、どんどんと固くなっていく。
なんとか、続きを更新していくのだが……。
次は戦闘シーンだというところで、完全に指が止まってしまった。
実は、評価シートでは、特に戦闘シーンの文章力に課題がある、となっていたのだ……。
その日から、また。
おれは、一文字も書けなくなってしまったのだった。




