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この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
復活したおれは気ままに恋愛小説を書き始めた。
前作の『ボインの伝説』で主人公ボインがサッカーに否定的な発言を繰り返すシーンがあったのだが、おれ自身はワールドカップとか超見るタイプ。サッカーは実は好きだ。もちろん、オフサイドのルールも理解してるし、女の子に聞かれたら説明できる。ただし、聞かれたことはない。
題名は『スリーバック』で、サッカーのディフェンスラインと、登場人物3人の背景を意識した物語を書いていく。
主人公はサッカー部のDFで長身の男子高校生と、中学時代の同級生で県外の強豪校へ進学したサイドバック、その二人と中学から仲が良かった女の子。
県外へ出ていったサイドバックが大怪我をして、サッカーをやめて戻ってきて、同じクラスに転校してきて、高校で3人の恋模様が動き出す……。
そんなお話を『小説家になったろう』の現実世界恋愛ジャンルへと投稿した。
しかし……。
「……いや、マジで。ほっとんど読んでもらえねぇ……」
とにかく、読んでもらえなかったのだ。
おれはまたしても心を折られそうになっていた。




