第五百九十二話
翌日、マスコミはギルド職員の借金というネタを掴み報道したが、後が続かなかった。その為視聴率を取ろうとベルウッド学園への取材を強めたのが悪手となった。
強引な取材に怒った鈴木財閥は生中継の会見でマスコミに対して警告を発し、幾つかのテレビ番組へのCM広告を打ち切った。
流石にヤバいと悟ったマスコミは取材の頻度を下げ、事件がメディアで取り上げられる頻度が減った上に進展も無い為世間からの関心は薄れていった。
「中尉殿、とんだ災難でしたね」
「全く、一週間も登校出来なくなるとは思わなかったよ」
辻谷君の同情が身に染みる。結果的にマスコミを追い払ってくれた鈴木財閥に感謝したいくらいだ。
「そう言えば、ロマノフ皇帝陛下と皇女殿下が公務に参加するようになるとニュースで見ました。中尉殿も護衛として参加されるのですか?」
「そこは分からないな。本来、皇族方の護衛は皇宮警察や近衛師団の管轄で情報部が出る幕ではない」
皇女殿下の護衛を俺や舞が行う事は異例なのだ。しかし、海軍の件があるので良く知っていて信用出来る人材の方が良いだろうという事で任されていたのだ。
しかし、公式に式典などに出席するとなると話は変わってくる。俺はまだ近衛師団に貸し出しという建前で護衛に参加出来るかもしれないが、舞は無理だ。
軍属ですらない一般人で、対人戦の経験も皆無。スキルが守護に向いているというだけなので、ゴリ押しして参加させるならスキルの詳細を明かす必要があるだろう。
そうなると、クマさんの存在が大きくなってくる。持ち歩いても負担が少なく、光の壁を展開できるクマさんはアーシャが公務に出る時に持たせておきたい。舞とアーシャが張り切っていたので任せていたが、俺も本腰を入れて条件を解明するべきだな。
「お兄ちゃん、お帰りなさい」
「優お兄さん、お疲れ様です」
迎賓館に帰ると、舞とアーシャがクマさんを抱いて障壁を出していた。俺も鞄を置いてきて参加するとしよう。
「何か分かった事はあるかな?」
「朝起きた時は学校に行く前より少し大きいのが作れるわ」
「私がやっても舞ちゃんと同じように学校に行く前より起きぬけの方が少し大きいです」
二人とも早朝の方が少し大きな盾を作り出せるのか。時間によって出力が変わるのかな?
「とすると、時間が関係している可能性があるな。今はどうなの?」
「舞もアーシャちゃんも、学校から帰ってすぐは学校行く前と同じだった。今はそれより少し大きいかな」
「でも、学校から帰ってくる時間がいつも同じではないので時間が条件とも確定出来なくて。それに、メイドさんに使ってもらうと何時でも同じ大きさなの」
舞とアーシャは時間で大きさが変わり、メイドさんだと変わらない。未成年だと時間で変わり、成人していると時間が関係なくなるのか?
「これは母さんにも協力してもらおう。母さんも時間で変わらなければ成人していると時間が関係なくなる可能性が高いと思う」
アーシャの安全の為にも、早いとこ条件を確定させたいな。これで確定ならぱ楽なのだけど・・・




