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第四十八話

「優、浮かない顔してどうした?」


「ちょっと憂鬱な事があったから・・・」


 夕食の席で父さんが俺を気遣う。顔に出ないように気を付けてはいたのだが、家族の目は誤魔化せなかったらしい。お母さんも舞も心配そうに俺を見ている。


「悩み事なら相談しなさい、家族なのだから」


「いや、大した事じゃないよ。明日また2222ダンジョンのギルドに行く用事が出来ただけだから」


 ギルドに行く事自体は憂鬱ではない。しかし、用事の内容が煩わしいだけだ。


「あの言い掛かり付けてきた奴らが何か言ってきたのか?」


「いや、舞の予言が現実になったから断りに行くだけ。トラブルという訳じゃないから心配しないで」


 心配そうな皆を安心させる為に答えた内容を暫し分からずにキョトンとする三人。初めに気付いたのは当人である舞だった。


「予言って・・・お兄ちゃん、芸能事務所からスカウト来たの?どこ、どこから来たの?」


 妹よ、お兄ちゃんは黄金のドクロでフハハハハハとか笑わないから。なんて言っても若い人には通用しないネタだし、そもそもこの世界には黄金バットが存在しない。


「複数来たみたいだけど、興味ないから何処からかは聞かなかった。どうせ断るから聞いても意味ないしね」


「えっ、そんな勿体無い!お兄ちゃんなら芸能界で活躍出来るのに!」


 舞からの評価がやたらと高いが、芸能界で生きるなんて出来ると思えないしやろうとも思わない。どんなにチヤホヤされていても、何かの切っ掛けで手の平返されて切り捨てられる世界だ。


 それに、俺には女神様との約束もある。ダンジョンの攻略を進めるという使命がある以上、芸能界に現を抜かすつもりはない。使命が無くてもやらないけど。


「という訳で明日は朝から出掛けてくる。時間があったらダンジョンに潜って来るかも」


「それは構わないけど、気をつけてね。テレビで優ちゃんを見たストーカーに拐われないようにね」


「まさか、そんなストーカーなんて湧かないでしょ。もし居ても力で俺をどうこうしようなんて無理だから」


 最低でも青毛熊以上の力が無いと俺を力尽くで拐うなんて出来やしない。身体強化のスキル持ちで何とか、という所か。スキルは同じ物でも人によって効果の高さは違うのだ。


 翌日、毎日のルーチンを熟してから2222ダンジョンギルドに向かう。乗った電車の中で俺を見て小声で話す人が居たが、放送を見た人だろうか。


 ギルドに着いて受付に並ぶ。ギルドの中でも注目されていて居心地が悪い。順番が来たので手早く済ませてしまおう。


「すいません、滝本と申しますが・・・」


「滝本様ですね、ご案内しますのでこちらにどうぞ」


 用件を話す前に対応中の看板を窓口に置いた受付嬢さんに案内された。通常は職員以外入れない通路を進み、応接室らしい部屋へと通された。


「失礼します、滝本様をご案内致しました」


「おお、ご苦労。君はもう戻りなさい。滝本君、わざわざ済まないね。そこに掛けてくれ」


 応接セットには二人の男性が座っていた。受付嬢とやり取りしていたのはギルドのお偉いさんだろう。もう一人がTHKの職員だと思われる。俺は勧められた言葉に従い高そうなソファーに腰を下ろした。

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― 新着の感想 ―
[一言] >どこ、どこから来たの? それはね、コウモリさんだけが知っているンだよ
[気になる点] 「失礼します、滝本樣をご案内致しました」 樣…? これはわざとかな?
[気になる点] 前話でも放送局の略称がHTKになってましたが、名称を変更したのでしょうか? 確かNHKにちなんで帝国放送協会でTHKだったと記憶してますが
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