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第二百三十六話

「優ちゃん、お使い頼まれてくれるかしら?」


「良いよ、何を買うの?」


 市ヶ谷に行った翌日の昼過ぎ、俺は母さんに頼まれて夕食用の食材を買いに行く事となった。


「舞、駅前のスーパーに行ってくるけど一緒に行くか?」


「行く!ちょっと待ってて!」


 買い物に出かける時は舞に声をかけてから行くのが習慣になっている。黙って行くと一緒に行きたかったと拗ねるのだ。


「もうお盆なのにまだ暑い!」


「九月になれば涼しくなるだろうから、それまで我慢だな」


 暑いと文句を言いつつ腕にだきついてくる舞と共に駅前まで歩く。暑いならくっつかずに歩けば良いと思うのだが、毎回断られるのでスルーしている。


「夕方ならもう少し涼しくなるのに」


「天気予報でゲリラ豪雨が降るかもしれないって言ってたからな。行きや帰りに降られたらびしょ濡れになる」


 外にいる時に傘なんて役に立たない大雨に遭遇なんてしたくない。それなら多少の暑さは我慢した方が良いだろう。


「今日は何を買うの?」


「アジとエビ、イカと蓮根だって。畑から茄子と玉ねぎ、じゃが芋と薩摩芋を取ってきたから天婦羅だな」


 迷い家を家族にバラしたので、大っぴらに畑の食材を取ってこれる。その為、畑にある作物はすっかり買わなくなってしまった。


「涼しい!正に天国と地獄ね」


「外に出たくなくなるな」


 スーパーに到着し自動ドアを潜る。空調が効いた店内の涼しさは、外に出るのを拒みたくなる快適さだ。


「蓮根を入れてっと。あっ、椎茸とさやいんげんは言われなかったなぁ。舞、母さんに電話して要るか聞いてみて」


「うん、わかった。・・・お兄ちゃん、お母さん忘れてたみたいよ。買ってきてって」


 椎茸とさやいんげんも籠に入れ鮮魚コーナーに移動する。頼まれていたアジとエビ、イカを籠に入れる。


「他に天婦羅の具になる物は無いかな」


「割ったお煎餅とかアイスの天婦羅って聞いた事があるよ!」


 それは俺も聞いた事はあったが、取り敢えず王道の具だけで良いだろう。アイスの天婦羅なんて作り方も分からないしな。


「後はお魚だとキスや帆立かな。でも、あまり量を作りすぎても食べ切れないからな」


 野菜系でも茗荷や紫蘇の葉、ししとうやオクラもあるが、あまり種類を増やすと少量づつ揚げても結構な量になってしまう。


「これで良いな。舞、アイスはどれを買う?」


「えっ、アイスの天婦羅作るの?」


「暑いからな。食べながら帰ろうと思ったんだ」


 歩きながら食べるので棒アイスに限定される。舞が選んだのはその固さに定評がある小豆を使ったアイスだった。


 買った食材をリュックに入れて背負い、アイスを食べながら歩く。


「そう言えばお兄ちゃん、冴子ちゃんからお手紙来たよ。お母さんとお婆さん無事だって」


「そっか。無事に逃げられたんだな」


 冴子ちゃん親子は無事を舞に知らせたかったが連絡先を知らなかったので警官や軍人に聞いたそうだ。しかし勝手に個人情報を漏らす事は出来ないので教える訳にはいかない。なので軍で手紙を預かりうちに送ってきたそうだ。


「色々あったけど、冴子ちゃん達が無事で良かったな」


「うん!」


 犯罪者どもは処罰され、巻き込まれた人達の無事も確認出来た。これで完全に水中村の騒動は終わったと言って良いだろう。


 後は冬馬伍長と潜るダンジョンで夏休みのイベントは終わる。そちらは伍長達のがんばり次第だけど、良い結果となる事を祈ろう。

役場の担当さん「あれ、もしかして忘れられてます?」

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― 新着の感想 ―
[一言] アイスの天ぷらは 求肥で包んで 1パック2個入りの アイスを使うんです
[一言] アイスの天ぷらは 求肥で包んで 1パック2個入りの アイスを使うんです
[一言] 水中村の今後がどうなるのかが問題ですね ダンジョンを公開して探索者が増えれば賑わいも出てくるでしょうけれど、レイスが居るのがネックですからね とはいえ氾濫を起こしたら不味いし、やらかしてしま…
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