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第157話 ファラとホムの適性

 機体の準備が調ったので、予定どおり測定が開始された。


 機兵適性値の測定は、機兵を使った簡単な動作を通じて総合的に測定される。まずは、膝を抱えるようにして駐機している機兵に乗り込み、機兵を立たせた後、指定されたエリアを一周し、タヌタヌ先生に倣い、格闘技の簡単な型を模倣した後、機兵を駐機させて終了だ。素早さは加点となるので、機兵を走らせたり、タヌタヌ先生の格闘技の型に素早く反応することで、適性値の上限を引き上げることが可能になる。


「よし、はじめるぞ。適性値80越えがどれだけ出るか、わしも楽しみだ」


 機兵適性値は100が上限値となっており、適性値が80を越える生徒は、武侠宴舞(ゼルステラ)・カナルフォード杯への参加申請が可能となる。参加申請の後、第二審査が行われるため、本戦へ進めるのは、三人一組を1チームとした合計15チームのみだ。


 早くに測定を始めたA組は、もう半分以上が測定を終えたらしく、自分たちの適性値を喜んだり嘆いたりしている姿が目立つ。


「軍事科の生徒でしょうか……」

「そうだろうね。授業内容を考えると、成績の序列が出来るようなものだから」


 軍事科において、機兵適性値が高いことはかなり有利に働くが、タヌタヌ先生が言っている80という値は、中央値のかなり上の値だ。80を目標にしている大抵の生徒は、そこに到達できないことも多い。A組の悲観的な様子の生徒たちは、おそらく80に及ばなかったのだろうな。


 そうでなくても、武侠宴舞(ゼルステラ)・カナルフォード杯で結果を残した生徒は、大学部への推薦の他、帝国軍への登用も行われるため、軍事科でなくともそこを目標としている生徒は多いはずだ。


 セント・サライアスとは異なるが、このカナルフォード学園も実力主義であることには変わりないので、生徒会は成績優秀者で構成されている。当然機兵適性値も上位のため、武侠宴舞(ゼルステラ)・カナルフォード杯において、生徒会にはシード権が与えられているほどだ。


 それを考えると、ホムはきっと武侠宴舞(ゼルステラ)・カナルフォード杯の参加申請権を得られる成績だろうな。僕がそのように造ったわけだし。


「……ホムは、武侠宴舞(ゼルステラ)に出たいかい?」

「その方が、マスターのお役に立てますので」


 もうすぐ僕たちの番だ。心づもりを聞いておきたくて確認すると、ホムは笑顔で即答してくれた。


「それを聞いて安心したよ」


 問題は、このF組で同じくらい適性値の高い生徒が出てくるかどうかだな。僕もアーケシウスで測定するのでそれなりの適性値になるだろうけれど、戦うとなるとアーケシウスをもっと改造する必要がありそうだ。


 この先のことを考えながらレギオンを見ると、ちょうどファラが指定エリアを走っているところだった。ほとんどの生徒が駐機姿勢の機兵を立たせることすら出来ない中、機兵を歩ませたりするだけでもかなり注目されているのに、軽々と走らせているのには驚かされた。


 しかも、映像盤に投影されているファラは、かなり落ち着いている様子だ。父親の愛機を受け継いでいて、機兵に慣れているという話だったが、かなり適性がありそうだ。


 ファラはそのままタヌタヌ先生の格闘技の型を難なく模倣し、滑らかな動きで機体に駐機姿勢を取らせた。


「マジか、すげぇ!!」


 測定値が出たのか、クラス委員長として測定をサポートしていたヴァナベルの大声が聞こえてくる。


「ファラ殿、98! 98でござるよ~!」


 興奮した様子でアイザックが測定値を叫ぶと、ざわめきは一気に広がり、他のクラスの生徒たちが集まって来た。


「にゃはっ、100じゃなかったか~」


 ファラが照れたように笑いながら、操縦槽から移動を始める。その発言からもかなりの自信があったことが窺えた。


「次、リーフとホム」


 ああ、僕の場合はアーケシウスだから同時に測定出来るようだな。


「行って参ります、マスター」

「普段どおりでいいからね、ホム」


 ホムを見送り、久しぶりのアーケシウスに乗り込むと、外のざわめきが少し遠くなったが、ほどなくして爆発的な歓喜の声が響き渡った。


 やれやれ、クラスのこの喜び様を考えるとホムはきっと適性値100を出しそうだな。


「さあ、僕たちも頑張ろうか、アーケシウス」


 話しかけながら起動すると、アーケシウスは僕の手足のように動いてくれた。


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― 新着の感想 ―
[一言] アーケシウスの駐機姿勢ってどんなのだろうか イラストを見ると脚部を折りたたむというか、出来そうだけど
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