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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第3章 二人の友人編(5歳)
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第76話 エリーの部屋


 私はメイドさんにエリーの私室に案内された。

 エリーの部屋に入ると既にアイリもいた。


 この2週間、どうやら二人して両親に友達と魔法の勉強をしたいと言い出したら、父親同士が相談を始めたことに驚いていたようだ。


 うん、分かるよ。私もアルバイトやりたいって言ったら思った以上にいろんな人が動いたって経験があるからね。


 それにしても貴族のご令嬢の部屋を初めて見た。

 まず広い。とにかく広い。50平米はあるんじゃないかな、この広さ。

 ちなみにアイリの部屋はこんなに広くないんだって。貴族と言っても男爵令嬢はそんなもんらしい。


 部屋の中にはベッド、テーブル、勉強机、ドレッサーなどいろんな家具がある。


 そして真っ先に気になった家具は天蓋付きベッド!

 なにこれめっちゃ可愛い!

 こういうベッドは物語の中だけで見ることはないと思ってたから実際に見ると感動だよ!


 私がうずうずしてるのが分かったのか、エリーはベッドで寝てもいいと言ってくれた。

 エリー愛してる!

 はやる気持ちを押さえつつ、私はお言葉に甘えてることにした。だってこんなチャンスもう来ないかもしれないし。


 お行儀よく靴を脱いでベッドの上に寝転んだ。


 むあぁぁーー!

 柔らかい!

 スプリングなんて入ってるようには見えないけど、このふかふかはどうなってるの!?

 板の上にお布団(オフトゥン)を乗せてるだけなんだろうけど、ふわふわがヤバいいぃー!!


 感動のあまり私はコロコロ転がっていた。

 二人は分かってますと言わんばかりの優しい目を向けてきたけど気にしないったら気にしない。


 少しするとアイリがそわそわしながら聞いてきた。


 「ねえ、フランは寝るとき丸くなるの?」


 「え? 丸くはなんないよ?」


 「じゃ、じゃあ冬の寒い日は?」


 「んー、お布団に潜って縮こまりはするけど……。寒いの苦手だし」


 「アイリ、どうやら勝負は冬のお泊まり会に持ち越しですわね」


 君たち私を何だと思ってるのさ。

 ちなみに私は前世から寒いのは苦手だ。

 この国は一年を通して気温差が少なく温暖と言っても、真冬の朝晩は凍えるほどじゃないにしろ普通に寒いし。


 みんなで自分の部屋のことを話す。

 貴族でもエリーとアイリではだいぶ違ったし、逆にエリーは平民の私の部屋の様子が気になって仕方ないようだった。


 そんなこんなで気づいたら2の鐘(9時頃)が鳴った。

 部屋の扉がノックされた。

 何だろうと思ってると、スーパーメイドのスーさんいわく、どうやらこれから魔法の訓練が始まるようだ。すっかり忘れてた。


 スーさん含めて4人で玄関ホールに行くとお母さんが待ってた。

 お母さんはなぜか冒険者ギルド受付嬢の服を着ていた。


 「お母さん、お仕事の話はもう終わったの?」


 「ええ、終わったわ。これからここでお仕事よ」


 「これから? ここで冒険者ギルドのお仕事があるの?」


 「そうね。ギルドを経由しての私への長期依頼よ。今日から週に1回、私がエリザベスお嬢様とアイリーンお嬢様の魔法の講師をすることになったわ」


 「え!? そ、そうなの!?」


 私が驚いてると、なぜかエリーが自信満々に説明し出した。


 「そうですわ! (わたくし)がお父様にお願いしたのですわ! フランの魔法の先生が貴女のお母様だと言うのだし、もう間違いないですわ!」


 なるほど。ソースは私だったのね。


 「フランのお母様が魔法の使い手ってことにも驚きだけど、アタシ、あなたのお母様がこんなに若いとは思わなかったわ。しかもすごい美人だし」


 んふふん、そうでしょうそうでしょう。

 何があっても「だってお母さんだし」ですべて解決するような人だし。


 「エリザベスお嬢様、アイリーンお嬢様、ありがとうございます。遅くなりましたが私は王都冒険者ギルドのマリアンナと申します。受付嬢ではありますが、これから毎週魔法の講師を勤めさせていただきます。それと、フランの母です。娘の友達になっていただきありがとうございます。とても嬉しいわ」


 前半はお仕事としての言葉で、後半は母親としての言葉のようだ。


 「(わたくし)はエリザベス・ファーレンハイトですわ。ご指導、ご鞭撻よろしくお願いしますわ」


 エリーはホントに5歳なの?

 普通5歳児はそんな言葉は知らないし使いこなせないと思うよ?


 「アタシはアイリーン・ムーンライトよ。アタシもフランみたいに素敵な魔法を使えるようになりたいの。よろしくね」


 軽く挨拶を済ませ、お母さんは今後のやることを説明していく。

 やっぱり最初は魔力感知から始めるようだ。


 それにしても魔臓持ちの私とお母さんと違って、エリーとアイリは普人だけどどうやって教えるんだろう?


 そう思ってじっと聞いてると、どうやら全身を使って感じていくようだ。

 じゃあどうやれば感じられるかというとやり方は簡単で、お母さんが魔力でエリーやアイリの全身を包むので、それを感じればいいだけだった。


 それにしてもすごい。

 私は体から魔力がある程度離れたら霧散しちゃうけど、お母さんは綺麗にムラなく包んでる。しかも二人同時に。


 「むぁー……すごい……」


 「フラン、感心してるけど、次はあなたもやるのよ?」


 「え!?」


 ちょ、そんなの聞いてないんですけど!


 「エリザベスお嬢様、アイリーンお嬢様、何か感じますか?」


 「何て言うか、ふわふわと温かい感じがしますわ」


 「アタシは優しく包まれてる気がするけど、正直この感覚が魔力を感じる感覚かどうか分からないわ」


 アイリは自信なさそうにしてるけど、多分それであってると思う。どうやら二人とも魔力を感じることはできるみたいだ。


 その後、お母さんの指示で私も魔力でエリーやアイリを包み込もうと頑張った。

 私の魔力操作のスキルレベルじゃ二人分なんて無理だし、相手が一人でも頑張って上半身までしか覆えなかった。

 ちなみに私の魔力に包まれると日向ぼっこしてるときのような暖かさと気持ちよさがあるらしい。

 アイリは私とお母さんの魔力の違いでようやく実感がわいてきたようだ。


 エリーとアイリは魔力を感じれてとても嬉しそうだった。


 うんうん、分かるよ!

 自分にも魔法が使えるかもしれないって言うワクワク感がするよね!


 こうして魔法の訓練は和気あいあいとやっていった。







次回更新は1/30(火) 19:00の予定です。

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