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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第3章 二人の友人編(5歳)
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第73話 貴族のお昼ごはん

今回はちょっと短めです。


 そんな感じでおしゃべりを楽しんでると3の鐘(12時頃)が鳴った。


 そう言えばお昼ごはんのことすっかり忘れてた。

 どうしようかとそわそわしてると、スーパーメイドのスーさんが教えてくれた。お昼ごはんはファーレンハイト家が出すので心配要らないのだとか。

 考えて見たらお父さんお母さんがお弁当を持たせないで私を行かせるわけないか。


 私がエリーの客人だとしてもお礼はちゃんと言わないとね、ということで「スーさん、ありがとう」って微笑んだら、ハンカチで鼻を押さえて「ありがとうございました」と下がっていってしまった。

 ハンカチが少し赤くなってたような気がする。っていうかやっぱり獣人の鋭い嗅覚で匂いで分かっちゃう。

 この反応ってサラさんと一緒だよね。この人ポーカーフェイスでスーパーメイドだけど、違う意味でダメな種類の人かもしれない。


 スーさんがハンカチで鼻を抑えながら何かに必死に耐えてるところを余所に、美少年執事が少し後ろでスーさんを見ながらにやーっとしている。

 この人も大概ぶれないと思う。


 「スーはダメそうね。まあフラン相手じゃ仕方ないですわ。スチュアート、昼食はもうできてるでしょう? 出してちょうだい」


 「かしこまりました、お嬢様」


 エリー、私は人をダメにする何かじゃないんだからね?

 それはそうと、美少年執事はスチュアートって名前なのか。この様子だともう一つの有名な名前の人もいるかもしれない。


 「スチュアートがいるのなら、やっぱりセバスチャンもいるのかしら……」


 アイリも同じことを思ってたらしい。

 だよね。やっぱり気になるよね。


 美少年執事のスチュアートさんがテーブルを片付け、お昼ごはんを並べていく。

 パッと見はシンプルそうだけど、間違いなく豪華だ。


 まずパンが白パンだ。行きつけのパン屋さんを始めとして、街で白パンなんて見たことない。街では黒パンが普通だ。

 ポタージュだけど、めっちゃ煮込んでると思う。こんなとろとろになってるのは前世以来だよ。

 お肉はとにかくめっちゃ美味しそう。見た目はソテーな感じだ。

 どれもちゃんと子どもサイズだ。私的にはお肉が子どもサイズなのが残念だけど。


 「「「日々の糧をお与えくださりありがとうございます。いただきます」」」

 どうやら食事の挨拶は貴族も変わらないらしい。



 気づいたらお昼ごはんを食べ終えてた。


 白パンは前世のものほどふわふわしてはなかったけど、味は多分遜色ないと思う。当然この世界で食べた中ではダントツで美味しかった。蜂蜜が入ってたのかほんのり甘かった。

 ポタージュは匂いの通りお芋の味だった。味が濃厚すぎて、お水をもらったくらいだ。何時間煮込んだのかな?

 お肉は柔らかくてジューシーで美味しかった。なんて言うか、お上品で優しい味だ。甘さ控えめのケーキを次々おかわりしたくなるような感じ。エリーやアイリでも胃もたれしないで食べれると思う。


 ちなみに平民がお店で買うお肉は日持ちさせるためか干したり薫製にしてたりするのが多いので大抵固くてちょっと臭い。まあ固いのについては、獣人は顎の力が強いのか私的には普通に食べれるし、むしろ噛み応えがあっていいけど。

 ただお肉料理は、お母さんが作ってくれたジャイアントバイソンのお肉を使った料理の方が美味しいし好みかな。あれは前世を含めてダントツ。まあ前世は安いお肉ばっかだったし、今の私と味覚が違うかもしれないから単純比較はできないんだろうけどさ。

 何はともあれ貴族の食事はすごい。フラン、分かった。


 「スーさんとスチュアートさんは食べないの?」


 私は食器を下げるスーさんに気になって尋ねた。


 「このあとちゃんと食べますのでご安心下さい」


 「そっか。でも、先に食べちゃってごめんね」


 「お心遣い感謝します。ですがフランシェスカお嬢様はエリザベスお嬢様のお客様です。私たちのことはどうぞお気になさらずに」


 「うん、分かった。でも、色々とありがとね!」


 執事やメイドは一緒には食べないって前世の映画や小説でそういうものだと知ってても、実際に自分が食事する側の立場になるとどうにも気になってしまう。

 上級貴族に仕える執事やメイドって確か貴族の身分がある人もいるって前世の記憶にある。この世界は知らないけど。

 そんなわけでなんかお店のウエイターさんとは違うので平民の私がパクついてていいのかと心配になって聞いてしまった。大丈夫ならいいんだけど。


 「フランってホントいい子ね。こういうのって当たり前すぎて忘れてたわ。アタシも帰ったら使用人にもっと労いの言葉かけてあげなくちゃ」


 「ええ、そうですわね。(わたくし)も見習わないといけないですわ」


 アイリとエリーは私の様子を見て言ってくれるのは嬉しいんだけど恥ずかしい!

 私としては気まずいから聞いただけなんだよ!

 私はそんないい人じゃないから!


 多分顔まで真っ赤になってる私に対し、またも二人から生暖かな視線を感じた。






次回更新は1/24(水) 19:00の予定です。

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