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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第3章 二人の友人編(5歳)
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第72話 魔法のお土産


 「二人ともすごいよ。私は魔法が使えるけど、エリーみたいにすごくないし、アイリみたいにアクセサリー作れるわけじゃないし……」


 二人がすごくて私だけ置いていかれてる感がする。

 今の人生を楽しく気ままに過ごそうと思ってるから、本当に好きなことしかしてきてないし。

 そんな思いがつい口からこぼれた。

 でもエリーとアイリの反応は思ったものと違うものだった。


 「あら? フランは魔法が使えるの?」


 「そういえば魔法が使えるって話だったわね」


 そっか、アイリはあの秘密の話の時に魔法が使えるってことを前世の記憶から思い出してたね。


 「うん、回復魔法が使えるよ。あとは水を出したりもできるかな」


 とりあえずギルドのバイトでこの2つはいつもやってることだし、できるって言えるかな。


 「まあ! 回復魔法まで使えるなんて素晴らしいですわ!」


 「ちょ、まさか回復魔法とかアンタすごすぎよ!」


 「え? 回復魔法ってそんなすごいの?」


 「「はぁ……」」


 そ、そんなため息つかなくてもいいのに。


 「アンタ分かってないようだけど、回復魔法の使い手は回復魔術の使い手と比べて少ないのよ? 魔術よりも応用がきくから重宝されるけど、習得難度が高いらしいのよ。それも私たちと同い年の上に獣人のあなたが使えるとなるとなおさらね。ベータでチーターだからビーターって言われるレベルよ」


 「ビーターが何なのか分からないけど、とにかく素晴らしいですわ」


 「そ、そうなんだ」


 なんかアイリから変な呼ばれ方した気がするけど、改めて二人から誉められるとテレる。

 っていうか、お母さんが教えてくれた一番最初の魔法が回復魔法だったんですけど。


 「あ、そうだ。私は二人が気に入りそうなお土産が思い浮かばなかったから、魔法を披露しようと思ってたんだった。回復魔法じゃない魔法だけど、披露するのはそれでもいい?」


 「むしろフランがどんな魔法を披露してくれるのかとても見たいですわ!」


 「もちろんよ。アタシも見たいわ!」


 「分かった。あ、火や水が出るわけじゃないから危なくないし安心してね。じゃあいくよ」


 私はこの1週間で新しい魔法を練習してたのだ。

 それは立体映像魔法。

 魔法はイメージであるなら、VRみたいなこともできるのでは?

 と思ってやってみたら案外簡単にできた。消費魔力は若干多めだけど魔法の訓練で私の保有魔素量は飛躍的に増えているので、何時間という長時間じゃなければたいしたことはない。

 ただ姿形があやふやだった最初はとにかくとても残念な魔法だった。形がいびつすぎて笑い死ぬかと思ったくらいだ。

 なので毎朝早起きして朝顔を観察して必死にイメトレしたのだ。

 お父さんやお母さんにも好評でお墨付きまで貰ってるからバッチリなはずだ。


 私は朝顔が芽吹いてから咲くまでのイメージで立体映像魔法を発動させた。

 もちろん、すべてがそのままでは日が暮れちゃうので動画を早送りするようなイメージだ。


 テーブルにあるクッキースタンドの足元辺りから朝顔の芽が出る。

 芽は延びていき、クッキースタンドに絡まっていく。

 蔦から徐々につぼみがついていき、そして水色や赤などの魔法の朝顔が次々に咲いていった。

 満開を迎えた朝顔は、最後に蛍のように光の粒子になって霧散していく。幻想的な感じで。

 うーん、自分で言うのもなんだけど、結構いい演出だと思う。


 「どおかな?」


 私的には結構上手できたと思うけど。


 「ふふ、うふふふ、おーーーほっほっほっ!!! 素晴らしいですわ! 魔法ってこんなにも素晴らしいものですのね! (わたくし)、感動しましたわ! おーーーほっほっほっ!!!」


 エリーは興奮のあまり高笑いを決めた。

 私、エリーの高笑い好きだよ。こう、癖になるような感じがするんだよね。


 「ちょっと! フラン! 一体今のはなんなのよ! 凄すぎるわ! ああもう、とにかく凄すぎるわ!」


 アイリも興奮で何を言いたいのか自分でも分かんないほどのようだ。

 アイリの目がキラキラ輝いてる感じがすごいする。ピンク髪も相まって可愛い。


 二人に喜んでもらえてよかった。

 満足してもらえてもらえてよかった。

 私も笑顔になる。


 「決めましたわ! (わたくし)も魔法を使えるように習いますわ!」


 「こんなファンタジー見せられたら魔法が使えるようになりたくなっちゃうじゃないの! アタシも魔法を習うわ!」


 「アイリ、二人でフランに追い付きますわよ!」


 「もちろんよ!」


 おおう、好評すぎて二人が魔法を習うことにしたようだ。

 私は魔臓があるからいいけど、普人は魔臓が無くてもいけるのかな?


 「魔法って使えるようになるまで訓練が必要だし結構大変だよ? 大丈夫?」


 「問題ありませんわ。将来貴族学校で希望者だけが魔法を習うという話ですし、今からやったとしても無駄にはなりませんわ」


 「(そういえばそんな設定あったような……)」


 誰にも聞こえないくらいのアイリの呟きが高性能ネコミミにはっきり聞こえた。

 私みたいに耳がいい人に聞かれるかもしれない。

 ちょっと無用心なので、後で二人になったときにでも注意するように言っといた方がいいかな?


 「それで、フランは誰に魔法を習ったのかしら?」


 「お母さんだよ。お母さんは必要なとき以外は魔法を使わないけど、私なんかよりずっとすごいよ」


 「なるほど。それはいいことを聞きましたわ。フランのお母様も素晴らしい魔法の使い手なのですわね」


 「うん!」


 「あー、アタシも早く魔法を習って使いたいわ。フランの才能がうらやましい」


 「魔法を使う前に魔力感知に魔力操作を覚えないといけないから大変だけど、ファイトだよ、アイリ!」


 そんな感じでおしゃべりを楽しんでると3の鐘(12時頃)が鳴った。

 楽しくて間にあった2の鐘(9時頃)に気づかなかったくらいだ。







次回更新は1/22(月) 19:00の予定です。

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