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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第3章 二人の友人編(5歳)
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第68話 お迎え

今回はちょっと短めです。

2018/1/12 誤字修正しました。


 1週間がたった。


 さて、今日はいよいよお茶会の日だ。

 エリーのお手紙では朝にお迎えが来るらしい。

 貴族が平民をお迎えするって世間的にいいのか気になるところだけど、何か不味いことがあればお父さんが何か言わないわけがないので大丈夫なんだろう。


 私はエリーとアイリに会えるのが嬉しくて、昨夜はなかなか寝付けずちょっと寝不足ぎみだ。

 遠足前の小学生かとつっこみがあるかもしれないけど、でも残念!

 私は小学生じゃない!

 年齢的には幼稚園児なのだ!


 ……はい、すみません。開き直ってました。

 だって、ホントに肉体年齢に引きずられるんだよ?

 こう、沸き上がる衝動というか、気持ちを押さえ込むのって難しいんだよ?


 それに彼女たちはこの世界で初めての同年代の友達。

 そしてお茶会にお呼ばれしちゃったのだ。

 ホント、漫画のような展開だよね。

 ちゃんとした招待で貴族のお茶会に参加できるとあれば、ちょっとはテンション上がるのは仕方無いじゃん。

 まあウフフとかオホホとかしながら優雅にお茶を楽しむなんて私には無理だろうけど。



 そんなこんなで、私は朝食を終えると、お母さんのドレッサーの鏡を使わせてもらい、最後に身だしなみを揃えた。

 これでバッチリ。


 時間的には1の鐘(6時頃)が鳴ってからだとは思うけど、待ち遠しくて仕方ない。

 私はそわそわしながら今か今かと待っていた。


 「フラン、少し落ち着きなさい。今からそんなだと疲れちゃうわよ」


 「全然大丈夫だよ!」


 「後で疲れた顔をお友達に見せたいの?」


 「むぁー、それは困る!」


 あまりにそわそわしてたからか、お母さんに嗜められた。

 深呼吸して多少落ち着いたと思ったけど、お母さんは私の後ろを見るとクスリと微笑んだ。

 振り返ると私のしっぽはピンと立ち、先の方がルンルン揺れていた。

 やっぱり獣人は感情を隠すのが難しいのかな。これって私だけじゃないよね?



 1の鐘(6時頃)が鳴った。

 もう少しで来るのかなって思ってると、鐘の音が鳴りやんだと同時に玄関のドアがノックされた。

 えっ?

 いや、早すぎない?

 びっくりしてそう思ってると、お父さんが向かっていった。

 私も後についていき、玄関に入る前の廊下から顔だけひょっこり出して様子を見る。


 「どなたですか?」


 「私はファーレンハイト公爵家の使いの者です。本日はエリザベスお嬢様の茶会にご出席いただくフランシェスカお嬢様をお迎えに参りました」


 お父さんが扉越しに相手を確認すると、どうやら私のお迎えのようだ。

 お父さんはドアを開けてお迎えに来た人と話してる。

 高性能なネコミミなので、多少離れてても集中すれば十分聞こえる。会話内容は社交辞令的なやつだ。


 「フラン、お迎えだぞ」


 お父さんは私を手招きした。

 私はぽてぽてと玄関まで向かう。


 「おはようございます、フランシェスカお嬢様」


 「お、おはようございますっ」


 な、慣れない!

 前世も今も庶民な私に「お嬢様」とか直接言われると違和感が半端ない!

 何ともいえないむず痒さでネコミミが世話しなくピコピコ動いてるのが分かる。


 お迎えに来た人は美少年執事だった。

 身長の割には若干ショタいような気がするけど見事に燕尾服を着こなしてる。

 美少年冒険者のライト君といい勝負だ。


 「ほら、行っておいで」


 「うん。あの、よろしくお願いします」


 「俺からもよろしく頼む」


 「はい、お任せください」


 お迎えの美少年執事は優雅にお辞儀をするとにっこりと微笑む。ちょっとまぶしい。


 「じゃあ行ってくるね」


 私はお出かけ用の靴に履き替え、お父さんとちょうど玄関に顔を出したお母さんにひらひら手を振ると美少年執事と一緒に家を出た。


 この人と一緒に街中を歩くのかと思ってたら、門の前に馬車が停まっていた。

 しかも商人が使うような幌馬車ではなく、部屋のような構造になってるタイプのだ。家紋らしきものまである。


 「むぁー、すごい……」


 ポツリと呟いてしまうくらい凄かった。

 もしかしたら馬車かもって思ってたけど想像以上だ。

 改めてこうやってみ見ると大変場違いな気がしてならない。

 小市民な私なんかがホントに乗ってもいいのかと思ってしまう。





フランは前世が平凡だったので、ブルジョアな待遇を受けて気後れしてます。


次回更新は1/14(日) 19:00の予定です。

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