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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第3章 二人の友人編(5歳)
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第61話 アイリーンの秘密

大晦日ですね。今年最後の更新です。


 …………


 エリーが帰ると周りのお客さんはほっと一息したような感じとなり、騒ぎとなる前のような雰囲気に戻った。


 エリーはきっとまた会えるって言ってくれた。

 でも私はエリーがいなくなったことで言葉に出せない寂しさを感じ、気づくとエプロンをぎゅっと握っていた。




 ちょっとしょんぼりしてると、アイリーン様がおずおずと話しかけてきた。


 「ね、ねえ、フラン、さん。アタシの話を聞いてほしいんだけど、いいかしら?」


 「え、あ、はい。もちろんです。それに私のことはフランと呼び捨てにしていただいて構いません」


 「分かったわ。そうさせてもらうわね、フラン。それと、あなたもアタシに対してそんなに畏まらなくてもいいわよ」


 「え、そんなわけには……」


 「いいの。普段通りに話したり接して欲しいわ。お願い」


 「はい……うん、分かったよ」


 どういうつもりか分かんないけど、平民の私が貴族のお嬢様相手に普段通りに接してるところを見られて変なことにならないといいんだけど……。

 まあこれも貴族のお嬢様がそうして欲しいと言うのなら仕方ない。


 「そこのお二方、少しフランを借りるけど構わないわね? さっきエリザ、エリーさんに話した通り、フランと話をするだけよ。心配ないわ」


 「「は、はい……」」


 ルビーお姉さんとライト君はぎこちなく返事を返した。

 マジか。話がしたいというのは私だけなのか。


 「さあ、ついてきてちょうだい」


 「はいっ」


 私は慌てて着いていく。

 小市民な私はすでに緊張でいっぱいいっぱいだ。



 気づくと応接室の様なところに座ってた。

 きょろきょろと部屋を見渡してもアイリーン様以外はいない。


 「そんな心配しなくても大丈夫よ。人払いもしてるし誰にも聞かれることはないわ」


 人払いまでするほどの内容って時点で心配しかない。


 「あ、あの……」


 「落ち着いて、フラン。エリーさん、いえ、エリザベス様に言った通りあなたに何かするつもりは無いわ。そしてできればアタシを助けて欲しいのよ。もちろんあなたが気に入らずに断ったとしても、貴族の名に誓って害することはないと約束するわ」


 いったいどういうつもりなんだろうか。

 とりあえずアイリーン様が本気だということは伝わってくるけど。


 「……なぜ私なんですか?」


 「それをこれから説明するわ。あと、敬語になってるわよ」


 「あ。……うん。分かった」



 アイリーン様は少しの間目をつむる。

 目を開けると真剣な表情をして意を決したように口を開いた。



 「これから話すことは多分アタシにとって、いえ、アタシたちにとって大切なことなの」


 「え? 私たち、なの?」


 「そうよ」


 冗談を言ってるように見えない。でもいったいどういうこと?

 はてなマークがいっぱいだけど、とりあえず続きを聞こう。


 「まずアタシのことを話す前にエリザベス様のことについて確認させて欲しいの」


 「……友達が困るようになることは言わないよ?」


 「言いたくなければそれで構わないわ。フランはもう気づいてると思うけど、エリザベス様はとある貴族のお嬢様よ。そこまではいいわよね?」


 私は頷く。


 「そして彼女のことについてはこれ以上のことは分からない、そう思っていいかしら?」


 今のところは当たり障りのないことだけど、気づいたら誘導尋問に乗ってた、なんてことにならないようにしよう。

 それと嘘は後々大変なことになるので、嘘をつかない方が良さそうだ。


 「うん」


 「ええと、今から失礼なことを聞くわ。エリザベス様の素性が分かっても、彼女のことを利用したりするつもりは無いと思っていいのよね?」


 え?

 はあ!?

 何言ってるの!?


 「いくらなんでも怒るよ! エリーが誰だなんて関係無いよ! そんなことするわけないじゃん!!」


 「ごめんなさい。分かってるわ。実際にあなたを見てそんなことする子じゃないって分かってるわ。でも……でも、本気のあなたの反応を確認したかったのよ」


 アイリーン様は本当に申し訳なさそうな顔をして頭を下げた。

 私は貴族が頭を下げるとは思ってなかったので面食らってしまい、既に怒ってしまったけど、これ以上怒れなくなった。

 なんだかすごくもやもやするけど、続きを聞かないと分かんない。


 「えっと、どういうことか説明してもらえるんだよね?」


 「ええ、もちろんよ。今のあなたなら信じられるわ。そしてできればアタシの言うことを信じて欲しいの」


 アイリーン様は一呼吸する。


 「えっとね、こんなこと言うと頭がおかしいんじゃないかって思うかもしれないけど、アタシには部分的にだけど、前世の記憶があるの」



 え?



 その言葉は、ふざけたことでも、からかったことでも、ましてや中二病なことではなく、私にとって他人事ではない意味のある言葉だった。






前世の記憶があるとか言われたら「中二病乙」って返せばいいのでしょうか(笑)


次回更新は1/1(月) 22:00の予定です。


1/2までは3日連続で更新予定です。

お正月の暇なときにでも読んでいただければと思います。

では皆様、よいお年をヽ(´▽`)ノ

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