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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第3章 二人の友人編(5歳)
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第54話 王都観光でのお昼ごはん

食事の値段は5~10G(500~1000円)くらいです。たぶん。



 私たちは魔術ギルドを後にした。


 「フランちゃん、楽しかった?」


 「うん、楽しかった! 魔術ってすごいんだね!」


 「そうよ、魔術はすごいのよ。でもまあ魔法を使えるフランちゃんも十分すぎるほどすごいんだけどね」


 「確かにな」


 「んふふーん」


 雑談しながら私たちは次の目的地に向かう。

 次の目的地は王城がよく見える食事処だ。

 お腹の空き具合からそろそろお昼だと分かる。

 まだ3の鐘(12時頃)は鳴ってないけど、混雑する前だろうからちょうどいい。


 「お昼ごはんは王城がよく見えるオープンカフェのお店だったよね?」


 「ああそうだ。カフェと言ってもいろんな料理があるんだぜ。小洒落た飲み物からステーキまでな」


 「ライトがそんなお店を知ってたなんて意外よね」


 「うん、そうだよね」


 「ひでえ言い草だな、おい。そりゃずっと王都に住んでれば詳しくなるさ。うまいステーキが出るってんだからチェック済みだ」


 「ライト君、意外とグルメだなんだね」


 「意外は余計だ。お、店についたぜ」


 ライト君はそういうと看板と階段があるところに進んでいく。

 階段は小型マンションように部屋がたくさん並んでる平屋の隅にある。非常口のようだ。


 「え? ここがそうなの?」


 「そうだぞ。入口は分かりにくいから知る人ぞ知るって感じになってるのさ。さ、早くいこうぜ」


 私たちは階段を上っていき、2階の部屋に入っていった。

 私が見た限りだと2階建てはそんなに多くない。

 建築技術の問題というわけではなく、前世の日本と比較するととにかく土地が広いので2階建てにする必要が無いって感じだ。

 2階建ては多くは宿屋とか冒険者ギルドとか人が集まるところのようだ。


 部屋には木製のテーブルや椅子が並んでいる。既にお客は何人かいる。

 そこをスルーして私たちは奥へ進み、テラスに出た。

 テラスにはテーブルが3セットほどしかなく、1つだけ空いていた。セーフ。


 「ちょっと早いかなって思ったけど、どうやらそうでもなかったみたいね」


 「だから言っただろ? ちょうどいいかぎりぎりくらいだって。で、どうだ? 王城がよく見えるだろ?」


 「ふわぁー……」


 5歳児の私の身長はとても低いため、こんなにはっきり見たのは初めてだ。

 いや、自宅の庭から見れるけど、距離が結構あって小さいんだよね。

 大分近くまで来たので、少なくとも自宅よりかは大きく見えるし、何より障害物なしで見えるのはとてもいい。

 富士山を遠くから見るのと、近くで障害物無しに見たときの感動は違うでしょ?

 ちょうどそんな感じ。


 「ライト君、すごいね! いつも見慣れてると思ったけど、全然違ったよ! とっても素敵だよ!」


 「へへっ、喜んでもらえて何よりだぜ」


 私はにっこりするとライト君は照れながらでも笑顔を返してくれた。


 「さ、ライトはフランちゃんに見惚れてないでさっさとおすすめ料理を注文しなさいよね」


 「べ、別にそんなじゃねーし」


 おー、照れてる。照れてる。

 肉体年齢に引きずられているせいか、外見通り中身まですっかり子どもっぽくなってしまった私だけど、それでも前世での経験があるのでお姉さんな気分になる。


 ちなみに中身が子どもっぽくなったということについては、もう開き直って受け入れることにした。

 認めたくないけど認めざるを得ない程、自我が戻ってからのこの2年で実績を積んでしまっている。

 いいんだよ、誰も私が転生者だって知らないんだし言うつもりもない。5歳児として正常な反応だもん。


 「……こほん、やっぱおすすめはステーキだな。フランはステーキでいいよな?」


 「フランちゃんはお昼から重たいものだけど大丈夫なの?」


 「うん、大丈夫だよ! お肉は大好きだよ! ステーキにする!」


 「そ、そう、ならいいわ」


 ルビーお姉さんの気持ちはよく分かる。

 前世の私だったらステーキを一枚食べようものなら胃もたれしたし。



 「「「日々の糧をお与えくださりありがとうございます。いただきます」」」


 そんなこんなで注文したステーキが食卓にならんだ。

 角ウサギのステーキだ。

 初心者でも油断しなければ安定して狩れる魔物であり需要も高い。


 「ライト君、美味しいね!」


 「ああ、この店の肉は食べ飽きなくて最高だ。やっぱ肉を食べないとパワーでないよな!」


 「よくそんなに食べれるわね……」


 お肉に臭みはなく、柔らかく、柑橘類のソースがいいアクセントになって美味しい。

 前世ではウサギの肉なんて食べたことないけど、この世界では普通だ。それが魔物だとしてもだ。

 肉質は鶏肉のように淡泊な感じだけど、すごく食べた感じがする。

 猫獣人だからか前世と比べて結構長い犬歯でお肉をがぶりと噛むのが気持ちいい。

 犬歯が長いと大変かと思うかもしれないけど、不思議と噛むのに問題ない。

 猫なのに犬歯とはこれ如何にとか気にしたら負けだ。


 目の前には王城が広がって壮観だし、お肉は美味しいし食が進む。

 あ、野菜はちゃんと食べてるよ?

 バランスよく食べるとお肉がより美味しいからね。

 決してお母さんに不意に聞かれても大丈夫なようにしておくわけでじゃない。



 私たちはお昼ごはんを終えると一息つく。

 依頼内容は4の鐘(15時頃)までだ。食事中に3の鐘(12時頃)が鳴ったのであんまり時間はない。

 もっとも、時計を見たことないし、時を知るのは体感で3時間おきに鳴る鐘の音だけだから、この国の人たちは時間におおらかだ。

 とはいっても、あんまりずるずる長引かせても印象は良くないし、私自身がアクセサリーに興味津々だ。なので早く見に行きたい。

 食後の休憩はあんまりなくてもいいので、休憩はそこそこにお店を後にした。


 本日最後の目的地は流行りのアクセサリー屋だ。


 「フランちゃん、さっきからすごいそわそわしてるけど、アクセサリー屋が気になるのかしら?」


 「うん、すっごく楽しみ!」


 ネコミミ型イヤリングがないか期待しまくりだ。

 いつかは自分用のが欲しい。今日のおこづかいじゃ買えないだろうけど。

 それとできれば姿見も欲しい。姿見はめっちゃ高そうな気がするけど。



 そんなこんなで二人と話ながら進んでいくと、一人の少女――いや、私と同じくらいだから幼女か――が明らかに見た目がヤバい男達に囲まれていた。


 「だから案内など不要だと(わたくし)は何度も申し上げておりますわっ!」


 「っつーケドぉ、マジでこんなとこお嬢ちゃん一人でいちゃ危なくね?」


 「ぶははははは、オメーが危ないとか言うの、ウケるんだけど」


 「俺らこンなだけど、心配してるのはマジなンだぜ?」


 うわぁ、なにこのイベント。






見た目がヤバい人たちが出てきたとしてもほのぼのです。


次回更新は12/19(火) 22:00の予定です。

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