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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第3章 二人の友人編(5歳)
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第52話 魔術ギルド

魔術師と言えばロッドか杖にローブ姿、とんがり帽子がテンプレだと思います。

※誤字修正しました。


 私たちは教会を後にし、次の目的地に向かって歩き出した。


 「それにしても、神父様にメダルをいただけるとは思わなかったぜ」


 「そうよね。フランちゃんの依頼を受けて本当に良かったわ」


 「だな」


 「このメダルってそんなにすごいの?」


 「実際のところどれだけ効力があるのか分からないけど、幸運のお守りって言われてるわ。しかも売り物じゃないから狙って手に入るものじゃないのよ」


 「冒険者にとって運の良さってすっげー大切だからな。特に城壁外に行く時ほどな」


 この世界でもゲン担ぎのようなものは重宝するようだ。

 いや、魔法や魔術があるような世界だから、本当に不思議な効果があるかもしれない。


 そんな雑談をしてると2の鐘(9時頃)が鳴り響いた。

 おおむね時間通りだ。



 大通りを進み、少しすると東の方に歩き出した。

 段々と魔術関連のお店が増えてきた気がする。

 杖やロッド、ローブ、巻物っぽいものなど冒険者ギルドの近くではあまり見かけないお店ばかりだ。


 「フランちゃん、もう少しだけど、大丈夫?」


 「疲れたらちゃんと言うんだぞ」


 「大丈夫だよ。ランニングしてるし、これくらいなら1日でもいけちゃうよ」


 前世ではさすがに3~4時間通して歩き回ろうものなら既に足が棒のように感じてただろうけど全然余裕だ。息切れすらない。獣人さまさまだ。

 んふふん、どうよ。


 「ふふ、小さいのに頼もしいわね」


 クスクスとルビーお姉さんは微笑んでる。ライト君は苦笑いだったけど。



 そうこうしてるうちに、魔術ギルドまでやってきた。

 

 「ここが魔術ギルドよ」


 「むぁー……」


 何て言うか冒険者ギルドとは違っていかにも魔術っぽい雰囲気がする。

 ちょっと学校みたいな感じだけど、建物の壁は蔦で覆われており、それぞれの部屋についてる煙突(?)からもくもく煙が出てる。

 それに出入りする人たちは普通の服装の人が半分くらい、他はとんがり帽子やローブの魔術師な出で立ちだ。

 面白いのは箒にまたがって空飛ぶ宅急便のお仕事をしそうな某アニメのような少女もいた。喋る黒猫はいなかったけど。


 「なんかすごいね」


 「俺も普段ここには来ないからすごく感じるな」


 「さあそろそろ入っていきましょう」


 冒険者ギルドと比べてスイングドアではなく、ドアは常時オープンとなってる。

 受付のロビーにクエストボードはなく、事務窓口しかなさそうな感じだ。


 「ルビーさんではないですか。本日はどうされましたか?」


 受付のお兄さんが声をかけてきた。


 「今日はこの子の依頼で王都観光の仕事よ。魔術競技がそろそろ始まると思うんだけど、この二人の見学はできるかしら?」


 「もちろんですよ。しかし、てっきり新たな魔術を習いに来たのかと思いましたよ」


 「そうしたいのは山々たけど、まだお金がたまってないのよね。ま、それはいいから手続き頼むわね」


 「かしこまりました」


 しばらく待ってると、ロビーにいる魔術師たちは奥の方に向かいだした。


 「おい、もしかしてもうすぐ始まるんじゃねーのか?」


 「そうよ。でもまだ余裕はあるから大丈夫よ」


 「お待たせいたしました。お二人にはこちらのプレートを首に下げてくださいね」


 私とライト君は職員のお兄さんからプレートを受けとった。

 前世で見た社員カードケースみたいだ。

 ちなみに見学者と文字が書かれてる。魔道具的なものかとちょっと期待したのは秘密だ。


 私たちはルビーお姉さんに連れられ奥の方に向かう。

 扉を潜ると訓練場に出た。

 ベンチには既に多くの人が座っており、思い思い話してる。


 私たちは空いてる席に座った。


 「競技が始まるまではまだ少しあると思うから、簡単に説明するわね」


 私もライト君も頷く。


 「えーと、フランちゃんには復習になるけど、ライトもいるしもう一度説明するわね。魔術は多少の適性があれば誰でも使えるのよ。昔は貴族が独占してた影響もあってか、魔術は貴族のものって印象が強いの。魔術は何も戦いに使うだけじゃいわ。例えば火種を作り出せれば炊事は間違いなく楽よね。そんなわけで、もっと魔術を気軽に誰でもってことを目指して作られたのが魔術ギルドなのよ。競技は関心を集めて認知度を上げる手段ね」


 「へー、それなら俺でも使えるようになるかな?」


 「ちゃんと訓練すればもちろん使えるようにるわ。多少向き不向きがあったとしても、火種くらいはできるでしょうね」


 「それでも十分だぜ。ただ、結構お金がかかるんじゃないのか?」


 「生活魔術ならたいした金額じゃないわ。それ以上の魔術だとライトの思った通り結構高いし、何より殺傷力が出てくる場合もあるからライセンスが必要になるわね。ま、扱いきれない過ぎた力は事故の元だから、予防するためにも仕方ないわ」


 「むぁー、よく考えられてるんだね」


 「そりゃね。魔術は貴族社会じゃ当たり前でも平民にはまだまだ。そしてこれからの時代は平民にも間違いなく必要なものになると思うわ。今のうちにちゃんとしとかないとね」


 前世で読んだラノベやWeb小説では魔法を使える人とそうでない人がはっきりしてたり、生活魔法のような簡単な魔法なら誰でも使えるってイメージが強かった。

 でもこの世界では、魔法は資質とイメージに依存するから個人技止まりで広まらず、敷居の低く体系だった魔術が広まりつつあるのかもしれない。

 今がちょうど歴史の節目だったりして。


 「お、そろそろ始まりそうだぞ」


 ギルドの扉からとんがり帽子をかぶったローブ姿の人たちが出てきた。

 続いて私服の老若男女8人も来た。

 いよいよ魔術競技が始まる。





改めて考えるとロッドや杖は分かるけど、ローブが重宝される理由って何でしょうか?

理由を考えてみると面白いかもしれませんね。


次回更新は12/15(金) 22:00の予定です。

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