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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第2章 魔法習得の訓練編(4歳)
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第36話 魔力操作を習おう

魔力が何なのかも分かんないのに魔力操作って何気に難易度ベリーハードですよね。


 魔力感知の訓練で魔力量が分かるのに1週間かかった。


 お母さん曰く、数日で魔力を作る量の大小はできてたらしいが、暖かさは変わらないので自分ではよく分からなかった。

 一度あまりの分からなさにむしゃくしゃして思いっきり魔力を作ったら魔力の存在感が大きくなったことに気づいた。

 結構適当なきっかけだったけど結果オーライだ。


 ちなみにやったあとは凄く疲れて即座に寝落ちした。

 ベッドの上でやってて良かった。

 加減が分からないうちに魔力を一度に大量に作るのは疲れるので気を付けよう。

 そんなわけで、魔力量は「魔力の密度」が一番しっくり来る感覚だと思う。



 翌週の土曜日、またお母さんと一緒に庭に来ていた。


 「すごいわフラン。まさかもう魔力感知のスキルが初級レベルになるとは思わなかったわ」


 「お母さんが手伝ってくれたからだよ」


 「私はきっかけだけ。よく頑張ったわね」


 このなでなでがたまんないんだよね。頑張れちゃう。

 獣人だからか知らないけど、やたらなでなでに弱くなった気がする。

 お母さんも同じ種族の獣人だし、どこを撫でられると気持ちいいのか分かるせいで的確過ぎる。

 ネコミミの裏とかむっちゃヤバい。

 あんまり撫でられ過ぎると多分くどく感じるんだろうけど、撫でる時間も的確だ。


 「んふふーん。ありがと! 魔力感知ってお母さんは私の魔力が分かるようにもっと色々あるんだよね?」


 「もちろんよ。魔力感知は分かりやすく分けると3つあるわ。1つ目は自分の体内の魔力を感じること、2つ目は肌で体外の魔力を感じること、3つ目は体から離れた魔力を感じること。魔法を使うなら1つ目の体内の魔力感知が一番重要よ」


 「え? そうなの? なんで?」


 「魔法の威力や規模だけではなく、場合によっては成功率にも影響するからよ。んんと、杓子でコップに注ぐ水の量を魔力量で例えてみるわね。ちょうどいい量を注げば問題ないけども、注ぎすぎれば水はこぼれて無駄になるし、足りなければコップに注ぐ水は少なくなる。水の量が少なすぎると杓子を濡らしただけでコップに水が注がれないわよね。こんな感じで杓子の大きさや入る量をしっかり分かるようにするのが1つ目の体内の魔力感知なのよ」


 「無駄にしちゃもったいないね。魔力感知で魔力量が分かるようになるのって大事なんだね」


 「感知できる魔力量の精度を高めるには、魔力操作のスキルの訓練をすれば一緒に鍛えられるわ。というわけで、次は魔力操作のスキルの訓練をしましょう」



 魔法を使うまではまだまだ道のりは長そうだけど、夢の魔法にだんだんと近づいて行ってるのが楽しい。

 次の魔力操作はどういったスキルなんだろう?


 「魔力操作は文字通り魔力を操作するスキルのことよ。今は魔臓のあたりに魔力を感じてると思うけど、その魔力を全身に行き渡らせたり、移動させる訓練をやりましょう」


 魔法を使うのになんで魔力を全身に行き渡らせたりする必要があるのだろうか。

 手のひらとかなら分かるんだけど。

 もしかして魔力操作を極めるとドラゴン玉なマンガみたいな感じで体に気、じゃなくて魔力をまとったり、か〇は〇波みたいに手に魔力を圧縮して放てるようになるのかな?

 なんてね。

 まあ魔法を教えてもらうのに必要ならやるしかない。


 「これも感覚だからやってみるしかなかったりするの?」


 「そうよ。もうフランには魔力感知のスキルがあるから、魔力が体の中を移動すれば分かるはずよ。ちなみに、魔臓で作った魔力を体全体にいきわたらせたり、移動させたりすると感じる魔力量が変わるはずだからそれを感知すると楽よ」


 「うん、分かった。やってみるね」



 魔力を体中にいきわたらせるやりかたについては、ネット小説とかラノベで読んだことがあるのでたぶん何とかなると思う。

 というわけで、魔力を血液に載せて体中にいきわたるような感覚でやってみたら魔臓からだんだんと広がっていくような感覚が分かった。


 「何となくだけどできそうな感じだよ」


 「!?」


 「? お母さん、どうしたの? 間違ってる?」


 「いえ、ちょっと驚いてるだけよ。大丈夫、その調子で続けてごらんなさい」


 「はーい」



 出だしが良かったので楽勝かと思いきや、思ったほど簡単に全身にはいきわたらず、なんだかんだと1週間かかった。

 最初は魔力の広がる速度はとてもゆっくりだったし、広げれば広げるだけ魔力の密度が薄くなり、行き渡ったかあいまいで分からなくなったからだ。

 お母さんの言った通り、感じる魔力量は確かに変わった。


 魔力が頭まで行き渡っても頭までぽかぽか暖かくなることはなく、のぼせたりしないし、気持ち悪くなったりすることも無かった。

 暖かく感じるのは不思議と魔臓のあたりだけだ。

 う~ん、それにしても魔力の感覚はホント不思議。

 触れてるわけでもないのにそこにあるのが分かるっていう前世に無い謎の感覚なんだよね。


 「お母さん、何とか全身に魔力を行き渡らせることはできたよ」


 「ふふ、さすがフランね。これも1週間でクリアするなんて。どこまでできるか本当に楽しみだわ」


 「んふふー」


 なでなでしてもらったり、ギュッとハグしてもらいながら誉められるのはとても嬉しい。

 でも、なんかお母さんの目が怪しくきらんと光ってる。

 意気込みがすごくなってるような気がするけど大丈夫だよね。

 気のせいと思いたい。


 「じゃあ次の課題よ。今度は体中に広がった魔力を右手だけに集中するように移動させるのよ。右手ができたら今度は左手、左手ができたら右足、その次は左足。左足まで移動できたら、また体中に広げる。このサイクルを続けるのよ。長くやってると途中で魔力がだんだんと魔素に戻って減ると思うけど、いつも魔力量を一定に保つようにするのよ」


 気のせいじゃなかった。


 「えー、やること多くない?」


 「こんなものよ」


 「むぁーん」


 「ほらほら、泣き言言ってないの。フランならすぐにできるわ。試してごらんなさい」


 「う~……はーい」


 早速やってみたけど思った以上に魔力の移動は難しい。

 体中に魔力を広げる感覚を血液に乗って広がるようなイメージでやってたので、同じ要領じゃ右手だけに集中させることが簡単にはできない。

 見えない手で魔力をぐいぐい押したり引っ張ったりするような感じで移動させようとするんだけど、するすると指のすき間から水がこぼれていくように魔力が思ったように移動していかない。

 移動できても超遅い。


 「ほらほら、そんな魔力操作じゃ魔法なんて使えないわよ?」


 「お母さんの意地悪ー! 今にできるようになるもん!」


 4歳児だってやるときはやるんだから!






マリアンナ(母親)はフランが信じられないほど優秀だと思ってるので、だいぶ無茶ぶりしてます。


次回更新は11/14(火) 22:00の予定です。

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