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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第2章 魔法習得の訓練編(4歳)
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第28話 4歳になりました

一つ一つのエピソードを細かくやろうかと悩みましたが、話が進まないのでダイジェストっぽくしてみました。


 受付奥のテーブルと資料室、時々裏庭を行ったり来たりして日々を過ごすうちに1年近くがたち、この春で4歳となった。


 すっ飛ばし過ぎかと思うけど、気にしない。


 この1年で起きたイベントは4つほど。


 一つ目は、私が文字を読み書きできるようになったことを両親が知ったこと。

 家でお父さんに今日は何をやったのかと聞かれたので、何気なく「今日はお花の本を読んだよ」って答えたら、お父さんだけじゃなく、横で聞いてたのかお母さんまで二人して「「え?」」と目が点になって素っ頓狂な声を上げた。


 言ってから自分が3歳児であり、おかしなことを言ってることに気づいた。

 なので、もう最初からミィさんが自重せず教えてくれたことを洗いざらい話しておいた。

 私は悪くない。事実だし。


 拙いながらも私が説明し終えるとお母さんは納得した様子だ。「あのミィがよくフランのことを賢い賢いって言ってた意味がようやく分かったわ」って呟いてたし。

 そして私は「ミィさん教えるの上手なんだよ! でね、覚えるとミィさんは褒めてくれたんだよ、すごいでしょ!」って子どもっぽくドヤ顔で自慢して開き直ることにした。

 下手に言いつくろうとたぶん変なことになる気がしたし。

 その後は、なんだかんだとお父さんとお母さんに褒められた。

 ちょっと最後はわざとらしいかと思ったけど何とか誤魔化せた。気味悪がられなくて良かった。


 お母さんは、まさか私が文字の教育を受けているとは予想外だったらしく、後日、ミィさんにお礼を渡していた。

 ミィさんは自分が勝手にやったことだから受け取れないと言っていたが、お母さんは受けた恩に対してお礼をしないのは一族の恥だとして頑なに譲らず、結局ミィさんはお礼を受け取ってくれた。

 考えたら中世ヨーロッパっぽい時代で読み書きの教育ってかなりのことだろうし、それに見合うお礼が何なのか怖くて聞けなかった。

 うーん、ミィさんは見た目12歳前後に見えるし、やっぱり教養のある良いところのお嬢様なのかもしれない。

 そもそも、お母さん、サラさん、ミィさんと3人だけ見て判断するだけでも、王都冒険者ギルドってもしかしたらどの人もすごいのかもしれない。



 2つ目は、この1年近くを冒険者ギルドの資料室ではいろんな図鑑や本を辞書を使って読んだ結果、どうやら私が普段話している言語はこの世界の共通言語っぽいことが分かったこと。

 ただ、共通言語と言えども、外国の草花には若干言い回しが分からない説明があった。

 文化や種族によって表現するニュアンスが違ったりするようで、さらに国によっても意味が若干異なる場合もあるように思える。方言の類いかな。

 他には各国独自の言語も存在するようだ。資料室には知らない文字の本も僅かにあった。


 それにしても、世界の共通言語とかすごいと思う。

 他種族が存在するこの世界だからこそ意思疎通のため広まったのか、どういった背景で広まったのかは分からないが、こういったところはファンタジー万歳である。

 世界旅行となると言語の壁は切っても切り離せない重要な問題だが、共通言語であるならば、この国以外でも会話や読み書きできる可能性が非常に高い。

 これはとても助かるし非常に素晴らしい。

 思わず小躍りしたのをミィさんにバッチリ見られており、お昼ごはんの時にサラさんから「面白いことなかった?」との質問でバラされた。お約束の高速なでなでをされた。


 また、本を読み進めたことで共通言語の特徴が分かった。

 この共通言語は大文字、小文字の1種類の表音文字と0~9に対応する数字、句読点や計算で使ういくつかの記号のみだ。

 日本語のように表音文字のひらがなとカタカナ、表意文字の漢字が組合わさったハイブリッド言語じゃなくて良かった。日本語並みのハイブリッド言語を新たに覚えられる気がしない。

 共通言語の文字は大文字と小文字の区別があり、文の始まりは英語のように大文字で始まる。単語の区切りはスペース、文末は「.(ドット)」で終わる。

 全部大文字の単語だとカタカナや強調するようなニュアンスになる。このため、あえて全部大文字の単語は少ない。基本的には全文ひらがなで書いてあるような感覚だ。

 それに単語の並びにより文字の発音が変わることはミィさんのいった通り、今のところ見たことはない。ひらがなみたいに分かりやすくていいと思う。

 やっぱり新しい文化に触れるのは楽しい。



 3つ目は、この国の誕生日は前世の日本とそんなに変わらなさそうなこと。

 自我が戻ってからの初の誕生日だが、お祝いの言葉に、ちょっと豪華な夕ごはん、プレゼントとして新しいエプロンをもらっておしまいだ。日本でも大体こんなもんだと思う。

 裕福な我が家と言えども前世の映画で見たアメリカのようにホームパーティ開いて盛大に祝うような催しは無かった。この世界では貴族ならそういった催しをするのかもしれない。


 ちなみに、お父さんの誕生日は秋、お母さんの誕生日は冬だ。

 今思い返すと私の誕生日とだいたい同じような感じだと思う。

 私はお小遣いが無いのでプレゼントは家の庭やギルドの裏庭に生えてる草花で作った冠や木の実のネックレスだ。

 こんな物でも両親がとても喜んでくれてよかった。

 お父さんが「我が家の家宝にする」とか真面目な顔で言い出し、リビングの壁に飾り始めたのでズッコケそうになった。

 やめて恥ずかしい!


 数日後、当然のごとく冠やネックレスは枯れた。それを見たお父さんの落ち込みようが酷かった。

 庭にある小さなハーブ園の肥料にすれば美味しくなるし、来年も作るから元気出してねと抱き着いたら見事復活した。お父さんが単純でよかった。


 お母さんはお父さんの二の舞を避けるためか、プレゼントをした翌日、枯れないようドライフラワーのように乾燥させたネコミミイヤリング形の冠とネックレスを身に着けていた。

 いったいどうやって一晩で乾燥させたし。

 さらにそれを職場にも付けていくということまでやってのけた。

 ネックレスを見たサラさんは、私の方をちらちら見ながら「誕生日は夏なのよね~」とか露骨にアピールしてきた。

 普段からお世話になってるし次の夏に作ってあげようと思う。


 数日後、当然のごとく冠やネックレスはボロボロになった。

 そりゃ乾燥させたけど身につけて持ち歩けばボロボロになる。

 だんだんとボロボロになり、ついに壊れて肥料行きにするしかなくなったのを見たお母さんの落ち込みようが酷かった。

 私としては大事に使ってくれたその心が嬉しいし遅かれ早かれ肥料行きだから気にしないんだけど。

 お父さんの時と同じように、来年も作るから元気出してねと抱き着いたら見事復活した。


 ただ1つ気になることとしては、私に対しては4歳の誕生日おめでとうって言ってくれたのに対し、お父さんやお母さんの時は誰も年齢を言ってなかった。なので私は両親の年齢を知らない。

 まあ見た目的には、お父さんは30歳くらいで、お母さんはやっぱり20歳くらいなんだろう。ちょっと年の差カップルだと思ったけど仲いいならどうでもいいか。

 あと、両親の誕生日の翌日、お母さんはいつものつやつやではなく、いつも以上につやつやしてて、お父さんはいつもの以上に穏やかな表情だったのを私は覚えている。



 そして最後の4点目は、ギルドから家に帰るとき、今までは背負ってもらっていたが、4歳となった今は私も一緒に歩くようになったことだ。

 帰り道は朝とは違って日中で人通りも多いためお母さんは早足しない。

 私の足が遅く多少時間がかかっても特に問題ない。

 家に着くまで私の体力が持つようになったのも大きい。

 私は土日に家の庭で動き回ったり、ギルドの裏庭で動き回る以外は基本的に室内で過ごす。

 若干引きこもりっぽいにもかかわらず、体力が高い獣人すごい。

 お母さんは私を背負わなくなったので、帰りに黒パン以外に買い物をすることも増えた。




 そんなある日、私はお母さんと一緒に冒険者ギルドから帰ってくる途中、今後の私の人生を大きく左右する出来事が起きた。




今後もちょくちょく時間が進むので、その前振り的な感じです。


次回更新は10/31(火) 22:00の予定です。



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