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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第1章 異世界の日常編(3歳)
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第23話 いつも通りの朝、いつも通りの日常

フランは都合のいいときだけ自分は子どもと開き直ります。


10/21 表現が不足していたため追記

お父さんにハグされた後 → お父さんに朝の挨拶のハグをされた後


 翌朝、私は息苦しくなって目を覚ますとお母さんに抱き着かれていた。いや、抱き枕にされていた。


 そうだった。

 昨日の夜は両親の寝室に行って一緒に寝たいとせがんだんだった。

 あんなことがあった日の夜くらいいいでしょ。

 それに私は子どもだからいいのだ。


 それにしてもはだけた服の隙間から、この顔に当たるふにふにむにむにした柔らかな感触がして正直ヤバい。

 前世の私とくら…いや、よそう。これ以上はいけない。

 抱きつかれて温かくて気持ちよくてこのままいたいけど、もう少し強く抱きつかれるとマジで窒息しかねない。

 時間はちょっと早いが起きてしまおう。


 私がもぞもぞ何とかして抜け出すと、お母さんも目を覚まして体を起こした。


 「お母さん、おはよう」


 「おはよう、フラン」


 まだお母さんは眠たげな目をして少しぼんやりしたあと、また私に抱きついてきた。私の顔が再び胸に埋まる。


 「ちょ、お母さん、苦しいよ」


 「うふふ……」


 いや、うふふじゃなくて。

 追加で撫でてるれるのも嬉しいけど、本当に息が苦しいから。

 無理矢理抜けるとお母さんはちょっとしょんぼりした。もちろんネコミミも。なにこのお母さんホント可愛すぎるんだけどどういうこと。


 二人して伸びをしてベッドから降りる。

 お父さんは放っておいてもいつも通り朝ごはんができる頃に起きてくるだろう。

 そのままそっとしておく。


 私たちは洗面所に向かい顔を洗う。冷たい水が気持ちいい。

 お母さんは着替えに部屋に行った。

 私はお花摘みを済ます。お手洗いから出るとすでに着替えたお母さんがおり、入れ替わりに入っていった。

 私は自室に行き、いつもの服に着替える。


 着替え終えてリビングを通り台所に行くと、すでにお母さんは朝ごはんを作り始めていた。今日は少し早いのでまだ時間はある。特にやることも無いしお手伝いだ。


 台所にある甕に水を補給するため、桶を持って外の井戸まで行く。桶を蛇口にセットし、ポンプの取っ手に飛びついて水を汲む。汲んだ水は甕に入れる。この前と一緒だ。

 何回か往復すると、お母さんから声がかかった。


 「フラン、朝ごはんができたわよ。いらっしゃい」


 「はーい」


 リビングに戻ると既にお父さんはテーブルについていた。


 「お父さん、おはよう」


 「おはよう、フラン。今日もいい天気だな」


 「うん、いい天気だね」


 私はお父さんに朝の挨拶のハグをされた後、踏み台を使って椅子に登る。

 私が席についたので食前のお祈りだ。


 「「「日々の糧をお与えくださりありがとうございます。いただきます」」」


 昨日は感謝の気持ちを伝えるという、文字にするとちょっと地味だけど私的にはビッグイベントがあった。そしていつもと変わらず、いや、いつもより温かく穏やかな朝だ。

 夢じゃない。

 一度死という最悪な結末を迎えた私が、何の因果か私が私としての心を持ち、第二の人生を生きるチャンスが与えられた。そして今は新たな愛し愛される素晴らしい家族と共に生きている。これ以上の幸運はあるだろうか。

 ゆっくり優しい時間が私に生を実感させてくれた。



 その後、食事を終え、出勤準備を整えた。


 「お父さん、行ってきまーす」


 「ケイン、行ってくるわね。それといってらっしゃい」


 「ああ、行ってくる。マリア、フラン、いってらっしゃい」


 お父さんとお母さんはハグと軽い口づけをした後、いつも通り私とお母さんは冒険者ギルドへ、お父さんは王都防衛のお仕事にそれぞれ向かっていった。




 今日は朝のミーティング後、すぐに資料室に連れて行ってもらった。


 「ミィさん、おはよう」


 「ミィ、おはよう」


 「……マリアンナ、フランシェスカ、おはよう……」


 ミィさんは朝からいた。


 「フランのこと、今日もよろしくね」


 「……問題ない……」


 相変わらずまぶたが半分閉じており眠そうな表情だ。でも紫の瞳はちゃんと私を見ている。なんか安心する。


 さて、今日も1日頑張るぞい。


 と言っても、相変わらず図鑑の絵を眺めたり、文字表を所々教えてもらいながら音読したり、お手洗いに行ったり、すやすや居眠りするだけだ。

 勉強は自主的なので居眠りしても誰も咎めない。

 世界旅行のためにこの世界で生きていく力を学ぶという目的はあるけれど、特に急ぐこともないし、暇だから勉強してるだけだ。

 3歳児なんて本能に生きてるんだしこんなもんでしょ。

 こう言った気ままな生活は最高だと思う。

 働かなくていい幼児の特権だ。んふふー。

 ちなみに、一晩たったら文字表の3分1は忘れており読みと文字が一致しなかった。

 私は天才でもなんでもないし1度で覚えきれるか。だいたい自分のことは平凡だと思ってる。

 半分以上覚えていた私を誉めてほしい。



 「…………」


 「むぁーっ!」


 途中、ウトウト寝そうになってたところをミィさんに頬をつつかれてビクッとした。


 「……本を曲げたり汚してはいけない……」


 図鑑や文字表を下敷きにしそうになっていたようだ。涎もちょっと出かかっていた。

 ジト目で怒られた。



 気付くと3の鐘(12時頃)が鳴っていた。お昼ごはんの時間だ。


 「おまたせ、フラン」


 少しするとお母さんがやって来た。


 「ミィ、ありがとう。今日もお昼は一緒にどうかしら?」


 「……行く……」


 「良かった。じゃあ一緒に行きましょうか」


 昨日と同じようにミィさんも含めてお昼ごはんをとることになった。



 「お、ミィは今日も来てくれたのね。おねーさんは嬉しいぞ」


 「……私の方が……」


 「ま、それはおいといて、今日はミィも来てくれると信じてたので、既にお昼ごはんは持ってきておいたのだ!」


 「……感謝する……」


 サラさんとミィさんの会話が面白い。

 それにしてもサラさんはミィさんのことよく分かってるっぽい。


 「サラさん、ミィさんが来るってよく分かったね」


 「そりゃ私はミィの親友だからね。ミィは人気(ひとけ)の多いところは嫌いだけど昨日の様子なら絶対に来ると思ってたわ。ミィもようやくフランちゃんの魅力に気づいた、いえ、理解したと私は見た」


 「え、そ、そうなの?」


 「それよりも~、私はフランちゃん成分が不足してダメになりそうなのよ~。今日も午後は資料室なんでしょ? 明日はこっちに来てよ~」


 「分かった、分かったから、サラさん苦しいよ」


 「今のうちにフランちゃん成分を補充するの~」


 思いっきりハグされてちょっと苦しい。

 スキンシップはいいけど、ちょっとアクセル全開なところがサラさんらしい。って、おい、どさくさに紛れて匂い嗅ぐな。

 それとお母さん、「うふふ、仲良しね」ってにこやかに微笑んでないで助けて。

 ミィさんもジト目でサラさんを見てないで助けて。



 そんなこんなでお昼ごはんを済ませた後は、資料室で図鑑の絵を見たり、勉強したり、お手洗いに行ったり、寝たりして過ごし、楽しく気ままに一日を終えた。





フラン「なんで私の匂いを嗅ぐの?」

サラ「そこにフランちゃんがいるからよ(キリッ)」

フラン「」


PV10000記念として10/22日(日)まで毎日更新します。

次回更新は10/22(日) 22:00の予定です。

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