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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■最終章 ネコミミ娘の奮闘編
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第192話 引きこもりなフラン


 「フラン、いい加減部屋から出てくる気はない?」


 「やだっ」


 私はお布団にくるまる。


 今、私がいるところは学校の寮ではなく自宅の自室だ。

 泣きじゃくりながら歩いていたと思うんだけど、気付いたら自室にいた。

 私は一昨日から引きこもっている。


 「食事はここに置いておくからちゃんと食べるのよ。何があったのか話したくなったら話してね」


 「……」


 お母さんの足音が遠ざかる。


 嫌われた。

 私はエリーとアイリに嫌われた。

 今まで大なり小なり喧嘩をしたことはあったけど、あの冷たさは……。


 「ぅぅー……」


 思い出したらまた涙と声がでちゃう。

 中身が大人だろうと今の年齢が15歳だろうと、悲しいものは悲しい。




 こんなの、全然楽しくない。


 今まで過ごしてきた時間は一体なんだったんだろう。


 なんか、もうどうでもよくなってきたかも。


 二人と一緒にいれないなら、もう学校に行く意味無い、かな。




 そんな鬱々とした考えが止まらない。


 「ねえ、私、どうしたらいいかな、スラちゃん」


 なんてスラちゃんに愚痴をこぼして思い出した。


 「あ……スラちゃん、寮に置いてきちゃった」


 数日は何もあげなくても問題ないけど、さすがに2日も放置したらかわいそう。

 スラちゃんをお迎えに行くついでに荷物も回収しちゃおうかな。

 でも、行くのはもう少し後でもいいかな……。




 なんて思ってたら誰かの足音が聞こえてきた。


 ん?

 この足音って、もしかして──


 ドンドンドン!


 「フラン! 迎えに来たよ! はよ出てきて! 出てこないなら勝手に入るからね! っていうかもう入るからね!」


 がちゃり、なんて音はドアに前世のような鍵が無いのでしない。

 ガン!

 とドアが壁にぶつかる音と共にシアが乗り込んできた。


 「むぁー! ちょ、な、なんでシアが!?」


 私、お布団から頭としっぽだけ出したすごく微妙な姿なんだけど!


 「もちろんフランのことが心配だからよ! あ~あ、こんなに目元を腫らしちゃって。『我は望む。彼の者に癒しを』──ほら、これでマシになったわね。それじゃあ、さっさとマリアンナさんが作った朝食を食べて!」


 私は呆気にとられていると、シアに顔を濡れタオルでごしごしされつつ癒しの魔術をかけられた。

 目のしぱしぱが無くなってることを確認してると、シアは続いて部屋の前に置いてある台ごと私のベッドの脇に持ってきた。布をめくると台の上のお皿には朝ごはんのサンドイッチが並んでる。


 「お腹が空いとると元気でないわよ! ほら、はよ食べる!」


 なんて言ってる間にシアは私の口にサンドイッチを突っ込んできた。


 「んむーー! んっんむっむ(ちょっと待って)!」


 飲み込んでは突っ込まれ、飲み込んでは突っ込まれ、何度か繰り返して喉につまりそうになったところでカップを渡され、一気に飲み物で流し込む。


 「むぁー、喉につまると思った」


 でも、美味しかった。

 これ、私の好きなリンゴの果実水だ。


 「ようやく落ち着いたみたいね。さ、次はお風呂に入ってきれいさっぱりするわよ!」


 一息つく間もなく、手を引っ張られてお風呂場に連れていかれた。


 いや、前にシアもウチに何回かお泊まりしたことあるけど、迷い無さすぎない?


 なんて思ってる間に脱衣場ですっぽんぽんにされ、そしてすぐにすっぽんぽんになったシアにお風呂で丸洗いをされた。


 お風呂を出ると、これまたいつの間にか私の替えの制服があり、仕方なく着替えるとドライヤーで髪の毛を乾かす前にリビングに連れていかれた。


 「マリアンナさん! フランを連れだしました!」


 「ありがとう、アナスタシアさん。先に座ってなさい」


 私とシアはソファーに座ると、お母さんは暖かい紅茶を三人分テーブルに並べ、そして私のとなり(シアの反対側)に腰かけた。

 今日はお父さんはいないみたいだ。


 「アナスタシアさん、改めてお礼を言うわね。ありがとう」


 「いえいえ、いいんです! 私もフランが心配でしたし」


 「フラン、無理やり部屋から出すような真似をアナスタシアさんにさせたのは私だから、彼女には怒らないでね」


 「う、うん」


 シアが来てから怒涛の勢いで怒る余裕すらなかった。

 お母さんは軽く私をハグしたあと、佇まいを正し、でも、優しく私に尋ねてきた。


 「もう大分落ち着いたみたいね。本当はあなたが自分で出てきてくれるのを待つつもりだったけど、アナスタシアさんが2の鐘(9時頃)に来たから、ちょうどいいと思ったのよ。それで、よければ何があったのか話してくれないかしら?」


 私は迷い、二人を交互に見た。

 シアは一部始終見ていたけど、口を開くつもりは無さそうだ。

 そしてお母さんは黙って、そして私が話し始めるのを待ってくれている。


 一度下を向いて考える。


 このままは嫌だ。

 何がいけなかったのか全然見当がつかないし、何に謝ればいいのか分かんないのに謝っても、多分エリーもアイリも納得しないと思う。

 お母さんに何がいけなかったのか意見を聞きたい。

 それに、もしかしてシアなら気づいたかもしれない。


 私は、お母さんの顔を見た。

 お母さんはにっこり微笑んで、頷いてくれた。


 「あのね」


 口を開くと、次々といろんなことが出てくる。

 私はとにかく思い出したまま、思いのまま話し出した。

 





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