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ネコミミ娘に転生したので楽しく気ままに生きたい  作者: 星川 咲季
■第1章 異世界の日常編(3歳)
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第18話 暇つぶしに何をしよう?

ようやく今朝(第13話)考えてたことを思い出します。


10/16 誤字修正しました

無償 → 無性


 その後、サラさんは私をハグしてからお仕事に戻っていった。

 結局、サラさんの休憩時間をフルに使ってしまった。ちょっと申し訳ない気持ちになる。

 お礼は何がいいかな。

 なんかあげたい気もするけど、持ってるものは何もない。

 まあいっか。自慢のネコミミをもふらせてあげよう。勝手にもふってくるけど。




 暇だ。再び暇になってしまった。

 仕方ないので次は【ブロンズ(Fランク)】冒険者を観察しよう。


 魔物討伐依頼を終えた冒険者のお兄さんがお母さんのいる受付カウンターにやってきた。

 手には袋を持っており、討伐証明部位が入っているんだろう。

 って、おい、お前もさりげなくちらちらとお母さんの胸を見るんじゃない。

 確かに大きくて魅力的だから見たくなるのは分かるけど、女性からしたら見てるのバレバレだぞ。

 お母さんも気づいているだろうが、慣れてるのかニコニコ笑顔でスルーしてる。


 討伐した魔物は依頼内容に条件が無い限り冒険者の自由だ。

 そんなわけで、たいていの冒険者は素材となる魔物の死体を商業ギルドに売り、証明部位だけを冒険者ギルドへ持ってくるらしい。


 主に討伐する対象は王都外の街道沿いに出る魔物だ。

 王都外に主に出現する魔物は、スライム、角ウサギ、平原狼、メタルタートルなど。夜になるとウィスプまで出るらしい。

 横文字と縦文字が入り乱れているが、この世界の言葉を日本語に置き換えるとだいたいこんなニュアンスの言葉になるのだ。言葉のセンスは気にしてはいけない。

 これらを始めとした魔物に対して常時討伐依頼が出ている。


 普通のスライムはぷるぷるした弾力のいい謎生物で、油断して体当たりされるとそれなりに痛いらしいが、逆に言えばその程度で済む。

 ちなみに、某国民的RPGのドラゴン的なゲームに出てくるスライムのように愛嬌のある目や口は無い。お手洗いにいるスライムしか実物は見たことないけど、水信玄餅のような形でぷるぷるしてるやつだった。スモークガラスまではいかないけど透明度はちょっと低め。

 でも角ウサギだと話は別で、10センチはある大きな鋭い角を持ち、体格は犬のサイズくらいある。でかい。ウサギサイズじゃないと思う。

 そして10センチの刺さる角とか危険すぎる。下手すると後遺症が残る大けがをしかねない。当たり所悪かったら死ぬよねこれ。平原狼は言わずもがな。一般人には超危険だ。

 そんなわけで、一般人は武装費用や怪我のリスクを負うよりもお金を払って冒険者に依頼するわけだ。


 それにしても、あんまり意識してなかったが、多くの冒険者が毎日毎日討伐した証明部位を持ってくるんだけど、魔物は絶滅しないのだろうか?

 それと魔物と動物はどう違うんだろう?

 謎だ。


 そういえば、討伐報酬っていくらになるんだろうか。

 そもそも、この世界のお金ってどれくらいの価値だろう。

 やばい、自我が戻っても幼児ライフを満喫してて、金銭感覚とか全く気にしてなかった。


 貨幣は金貨、銀貨、銅貨、鉄貨の4種類が存在してる。

 それぞれの換金率は10倍で、価値は鉄貨<銅貨<銀貨<金貨となっている。

 ここまでは受付嬢さんたちを眺めてればなんとなくわかる。

 でも、鉄貨が何円くらいに相当するのかが分かんない。

 帰りにパン屋さんへ寄ったとき黒パン1つをどれくらいで買うのか見ておこう。


 っていうか、文字だけじゃなくって数字も読めないじゃん。

 アラビア数字を見たことないから、数字も覚えないといけない。

 文字を書く時、間違ってアラビア数字書かないように気を付けよう。



 はっ!


 そうだ、今朝は文字を勉強するにはどうしようか考えていたはずだった!

 数字どうのこうので思い出した!


 何かいい案が無いかな?


 う~ん……。


 むぁー。


 ぜんっぜん思いつかない。


 別に急ぐことじゃないけど、とにかく暇だし、文字を覚えるのは暇つぶしに持って来いだから、なるべくなら早めに何とかしたい。


 ここはいつものように(?)、旅行に関連付けて考えてみよう。

 旅行といえば、目的地の情報はもちろんのこと、なんか美味しい食事処やお菓子を売ってるお店とかの情報も調べるはずだ。


 ……


 思い出したら前世のお菓子が無性に食べたくなった。

 この世界にお菓子はあるけど全然甘くないし薄味なんだよね。果物の方がよっぽど甘い。

 お小遣い稼げるようになったらいつかお菓子作りに挑戦しよう。


 って、脱線した。

 つまり写真、は無いから、絵とそれを説明する文字の本であればいいわけだ。

 そうすると、図鑑のような本がいいのかもしれない。

 でも図鑑っていっても、どんな図鑑なら私が読んでも不自然じゃないのだろう?

 ぱっと思いつかないけど、考える方向性はあってるはずだ。むむむ……。


 「フランちゃん、良い子にしてたかな?」


 いつの間にかサラさんがこちらにやってきてた。


 「あれ? サラさん、もう休憩なの?」


 「そうよ。もう休憩よ。むぁーとか唸ってくねくねしてたけど、何かずいぶん考え事してたみたいね」


 「え!? そ、そんなこと言ってた!?」


 唸り声が漏れてたとかくねくねしてたとか恥ずかしい!


 「言ってた言ってた。なんかめっちゃ可愛かったわ。我慢できないからちょっとハグさせなさい」


 有無を言わせずハグされた。

 それはいいけど、どさくさに紛れて私の匂いを嗅ぐのはやめてください。


 「あ~、いい匂い。匂いといえば、さっき面白い依頼があったわ。いい香りのする花束の納品依頼があってね、どうやら依頼者は彼女に贈りたいらしいのよ。あの依頼者、絶対プロポーズするわね。いいなぁ、私もケインさんのような素敵な男性にプロポーズされたい……」


 匂いを嗅ぐのを隠す気無いなこの人。


 それにしても、いい香りのする花束かあ。

 ん?

 あ、閃いた。これなら不自然じゃない。

 早速サラさんに聞いてみよう。


 「依頼者の人、うまくいくといいね。ところでサラさん、いい香りのする花ってどういう花なの?」


 「あら、フランちゃんも花が気になるのね。いい香りのする花は外壁の外にある自然の花畑で採取するのよ。バラっていう鮮やかな赤い花があるんだけど、知ってるかな?」


 わ、バラはこの世界にもあるんだ。

 でもここは知らないふりだ。そして攻める!


 「ううん、知らない。どんな形なの? 絵とかあったりするの? サラさん、私、見て見たいなあ。お願ぁい」


 「う゛……も、萌える……。そ、そうねぇ、納品する花束はもう依頼者に渡しちゃったし……そうだ、資料室に行って一緒に採取図鑑を見て見ない?」


 「うん! 見たい! サラさん、ありがとう! 大好き!」


 「お姉さんに、まっかせ~なさ~い! まだ休憩時間はあるから早速行きましょう!」


 計画通り。


 私は必殺おねだり大作戦がうまくいって気分が良くなる。

 これで図鑑を見ることができそうだ。

 サラさんちょろい。サラちょろ。



 サラさんと手をつないで資料室に向かう途中、サラさんの鼻息がめっちゃ荒い。

 「うへ、ふへへ……大好きって言われちゃった……」とか呟きながら表情が崩れてる。


 やばい。やり過ぎたかもしれない。なんかちょっと危険な気がしてきた。

 次からは自重しよう。





気づくと細かいことを書いてるせいか進行が遅くなってきます(-_-;)


次回更新は10/16(月) 22:00の予定です。

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