第174話 生徒会長な王子様
ゴールデンウィーク最後の日となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
明日からお仕事が再開する人が多いかと思いますが、移動時間にでも読んでいただければ幸いです。
三年生になっても私たち三人は生徒会にいる。
私とアイリの成績はトップスリーじゃなくなったけど、一度でも成績優秀で生徒会に入った人はそのままいてもいいことになってる。
面白い制度だよね。
ちなみに女子トップスリーは順にエリー、シア、そしてキャロちゃんだ。それに続いて私とアイリ、ユリアーノ様。
私はトップにこだわってる訳じゃないし、前世の知識っていうとてつもないチートのおかげでスタートダッシュができただけだから、順当と言えば順当かな。
大半の学習内容は今でも簡単だけど、二年生に上がる頃には特にお作法とかダンスとかが難しくなった。前世に無く今の私が初めてやる科目で差がついた形。この二つは貴族としての教育の有無も相まって顕著だ。
成績順はこれらの内容を加味した順位だから、ペーパーだけ良くてもどうしようもない。
そういう意味ではシアは本当にすごい。
本人は平民だっていってたけど、もともと品は良いし理解力も異常に高い。私はあっという間に追い抜かれた。
エリーは秀才タイプの天才だけど、シアは正真正銘の天才だと思う。しかも努力するタイプの。
あ、魔術の成績は前世にはなかったけど好成績だよ。
恥ずかしい詠唱を唱えるのは嫌なので、ゴニョゴニョと小さい声で唱えてるふりして魔法を使ってた。
サラさんは私が魔法を使えるってことを知ってるし、多分バレてたから正直ダメだと思ったけど
「んー、まあちゃんと結果は出てるし、対人戦の場合は相手に悟られないようにできると考えればこれはこれで良いかもしれないわね」
とOKが出た。
ちなみにミィさんからは「……誤魔化してる……」って目線を向けられた。
結果は同じなんだし、サラさんからOKでたし別に良いよね。
ちなみにユリアーノ様からは「なんであの子はいつも遊び回ってるのにこんな頭良いのよ……」とぼやいてるのを聞いてしまった。
高性能なネコミミだから普通の人には聞こえなくても私には聞こえちゃった。仕方ないよね。
でも私は別に遊び回ってるわけじゃなくて、冒険者活動したり回復魔法のアルバイトやったり、お出かけしたりしてるくらいなんだけどなあ。
あれ、最後のは遊んでることになるかな?
まあいいや。
「それではこれから生徒会を始める。新入生もいるので改めて俺様の自己紹介をしよう」
生徒会長は三年生の王子様だ。
エミリア先輩や玉緒先輩という四年生はいるものの、必ずしも最年長学年の生徒がやる必要はない。
普通はキャリアになるので何らかの役職をやりたがるけど、生徒会長ともなれば能力を求められるため、生徒会のなかで立候補または推薦という形がとられる。
そんなわけで去年まではニコラウス様が二年連続で生徒会長をやってた。
そして今年は先輩たちの推薦もあって、王子様がやることになった。
王子様は何だかんだとこういうこともしっかりこなせるので本当にすごい。
新入生の男子たちは尊敬の眼差しを向けている。
女子はみんな貴族だからか、黄色い声を上げてきゃいきゃいするようなことはないけど、うっとりしてるような感じ。
それもそのはずで、王子様は少年の幼さを残しつつも、いよいよイケメンに拍車がかかってきた。
以前ほどいつでもどこでも「勝負だ!」と仕掛けてこなくはなったけど、武術や魔術の授業ではそのぶん嬉々として勝負を仕掛けてくる。
私はケットシーになって運動することは好きになったけど、それでも男子みたいにどんな勝負も好きってほどじゃないし。
昔からの付き合いやそんなこともあってか私はもう慣れちゃったけど、耐性がないとあのイケメンはヤバいと思うよ。
うーん、小さい頃の生意気さとかが嘘のようだ。
え?
そんなイケメンが身近にいて好きになったりしないのかって?
エリーの婚約者って分かってるからならないよ。
それに王子様は他の女子には紳士的なくせに、私たち三人には遠慮はなく、特に私にはまるで男友達みたいな扱いする時がある。
そりゃまあ私は平民だし?
でも私も女だし?
いくら仲良くなったっていっても、もう少し紳士的に接してくれてもいいんじゃない?
王子様は時々ドキッとするようなことを言うけど、それはマイケル様もそうだしマッシュ様もそう。本人は隠してるつもりだけど結構エッチなウルフェン様ですらそうだ。
彼らは貴族だけあって上手な言葉を紡ぐ。
前世の学生時代の私なら勘違いしてたかもしれないけど、今の私は中身が大人。
私に対する扱いもあるし、惑わされないもんね。
そもそも相手は未成年。
私は中身が大人だし、とにかく未成年に手を出すのは、ダメ、絶対。
まあそんなこともあって、王子様たちに対しては近所の少年みたいな感覚。他の二人も同様だ。
そんなこと言ったら、エリーを始めとして他のみんなにはため息をつかれた。
正体がドラゴンであるリンにすら。
解せぬ。
フランは恋バナ結構好きなくせに、自分のこととなると途端に疎くなります。
前世から自分には縁がないと思い込んでたため好意を寄せられても何かと理由を付けて違うと思い込んでいる節があったり?




