48.闘技大会①
遅くなりましたがなろうコン、最終審査で落ちました!
やはり甘くないですね(T ^ T)
悔しいので作品がより良くなるよう改稿作業もしていこうと思いますのでよろしくおねがいします( •̀ω•́ )/
時が流れるのは早いもので、僕とアルテミスの関係が判明してから2週間が経った。
あれから皆の態度が変わる…………なんてことは一切無く、皆これまで通りに接してくれている。
特別扱いされないのは嬉しい限りだ。
さて、今日は何をしているかというと、
「終わった…………」
「終わった!」
この対照的な二つの声。
まるでこの世の終わりみたいな言い方をしている前者はガイで、希望に満ち溢れているような後者は僕だ。
この差が生まれるイベントはアレしかない。
そう。テストである。
今日は入学以来初めてのテスト、1学期中間テストが行われた。
結果は、まず転生者の僕はもちろん余裕であった。
が、勉強が少々……かなり苦手なガイは燃え尽きたように顔色が真っ白になっていた。
そんなガイを元気付けるため僕は声をかけた。
「ガイ、元気だしなよ。折角テストから開放されたんだからさ!」
まるで生気のないガイを気遣い、皆もガイへ励ましの声を送る。
「次願頑張りなさい」
「そうだよ!今回は残念だったけど次で挽回すれば大丈夫だよ!」
ロゼリーナとミュウが憐れみを含んだ視線を向けている。
ちなみにこの二人、小テストでは成績上位の常連である。
そして表情からも今回のテスト結果が満足のいくものだったということが、容易に予測することができた。
そんな二人に優しく慰められれば余計自分が惨めに思えるわけで……、
「優しくされると……余計に……うぅ」
「あーあ。二人共。ガイを弄るのはその辺にしてあげな」
「「はーい」」
「ちくしょう……」
ガイはとうとう机に突っ伏した。
一同はそんなガイを華麗にスルーし、会話を再開する。
素晴らしいチームプレーだった。
「そう言えばレイ。明日は闘技大会ではなくて?私は観戦席で応援してますわ」
「あ、そうだよ!頑張ってねレイ!私も見に行くから!」
「不肖このわたくしめもささやかな応援をさせていただきます」
「スレイ……いつのまに?」
ガイが突然現れたスレイに驚いている。
「見に来てくれるの?これは負けるわけにはいかなくなったね」
僕は嬉しさのあまり微笑んだ。
皆も僕に吊られるように笑を浮かべた。
僕らはそのあと他愛もない会話をし、ご飯を食べて解散した。
前世では、孤児院の大人はいつも忙しかったので体育祭などに見に来てくれる人はほとんど居なかった。
それに比べて今世はなんと幸せなことか。
優しい家族も居て、恋人も居て、仲間がいる。
僕は改めて幸福を噛み締めた。
どうかこの幸せが続きますように。
しかし、この後僕はおもいしるのだ。
世界は僕に停滞を許さない。
翌日。
僕は王都闘技場という闘技大会の会場へ来ていた。
人の多さから流石は王都一の闘技大会だけはある。
ここで闘技大会について説明しておく。
まず、闘技大会への参加資格だが、これは誰でも出場可能だったりする。
ただし、冒険者ランクがC以上、または有力者の推薦人がいる人は予選を免除される。
これは大会のレベルを落とさないためという理由と無闇に死傷者を出さないための措置だ。
有象無象に出られて勝手に殺されたんじゃ観客の胸糞も悪くなるというものである。
有力者、というのは主に国から認められた者達のことをいう。
ただの貴族などではなく、過去に素晴らしい功績を残した者。あるいは王に認められた者などのことを指す。
これは王が信頼している配下の者が人格的に問題がないかどうかを面接により判断して決められる。
これにより、冒険者資格がなくとも、騎士や貴族の私兵が出ることを許されるのだ。
次に大会の方式だが、まず初めに選手は8つのグループに分けられる。
そのグループごとに乱戦をし、ふるいをかけるのだ。
そして残った4名程度が二回戦へと出場することができる。
程度、とつけたのは乱戦のため4名が必ずしも残るとは言いきれないからだ。
大抵が4名以下に絞られる為、4名程度と決められているのだとか。
そして、二回戦目からはサシのバトルが始まる。
なんとも単純な試合方式だ。
ルールは以下の通りだ。
・勝敗は審判が責任をもって宣言します。一切異論はみとめません。
・不正行為は発覚した時点で失格とします。
・ダメージは全て精神へと換算されます。肉体はダメージを受けませんが痛みは発生します。致命傷を受けた場合、意識が強制的に失われますのでご了承下さい。
・剣、魔法、その他あらゆる武器や術が使用可能です。
・試合は全力で臨んでください。
分かりやすくて良い。
不正行為については別の場所に書かれていたが、態々見る必要の無い分かりきったものだった。
要するに八百長やドーピングだ。
ただし、試合の中で身体強化の魔法は許されている。
「楽しみだねぇ」
口元に思わず笑みが浮かぶ。
別に戦闘狂ではないが、やはり自分のまだ見ぬ技術を見れるのは楽しみなのだ。
僕は最後のグループとなっていた。
僕は逸る気持ちを抑えつつ、控え室でその時を待つのだった。
Side~三人称視点~
レイが控え室でテンションのゲージを振り切らせている頃、
ミュウ、ガイ、そして何故かスレイの姿が客席にあった。
「そういやロゼリーナはどうしたんだよ?あいつも来るって言ってたよな?」
ガイはいつもの様に第四王女ロゼリーナを呼び捨てにし、無邪気に問いかけた。
直後にミュウが頬を引き攣らせ、スレイは無表情、無言でガイの頭を強めに叩いた。
「痛っ!?何すんだよスレイ!」
「何すんだよ、じゃないでしょうガイ!ここは学園じゃないのよ?」
「はあ?そんなん分かってるよ」
「ふぅ。貴方の頭は空っぽですか?」
「な、なな!?」
予想外に冷たい態度にガイは怒りというよりも会って数回の女の子に嫌われたかもしれないという不安感から二の句が継げなくなった。
ガイは元来物怖じしない性格だが、それはそれ。
ガイもしっかり思春期を迎えた男子というわけだ。
そんなガイを哀れに思ったのか、説明してあげたのは双子の姉であるミュウだ。
「いい?学園は身分差別を無くすためにあえて全員を"一生徒"っていう身分で扱ってるの。でもここは学園とは何にも関係ないところ。ガイはさっき自国の王女様を呼び捨てにしたってことになるのよ。それって学園の関係者じゃない人からはどう見えるかしら?」
「そりゃあ……良くはないな」
「悪いのよ!本当はスレイやレイにだって敬語を使わないとなんだけど……」
「私に敬語は必要ありません」
「そういうことなの。レイも笑いながら、別にそんなことどうでもいい、って言ってたから大丈夫なの!分かった?」
「ああもう!分かったよ!悪かった!」
ガイはうんざりしたように言った。
本当に分かってるのか、という表情をしているミュウはしぶしぶ席につく。
その間もスレイは無表情で会場内を見回していた。
すると、その視線はある一点に止まった。
「居ましたよ」
「ん?何がだよ」
すっかり不貞腐れたガイが興味無さげに聞き返す。
スレイはそんなガイの態度を気にした風も無く、答えた。
「姫君ですよ」
「え、何処……んっっ!?」
スレイの指す方向を見た瞬間、ミュウは思わず固まってしまった。
いつの間にか騒がしかった会場内が少々ざわめく程度になっていた。
ミュウは視線を固定したまま、不貞腐れているガイの袖を引いた。
「何だよ姉ちゃん。ってどこ見て……えっ!?」
ガイがミュウの視線を追うと、そこには煌びやかなドレスに身を包んだとても美しい少女がいた。
精巧な人形のように整っている顔には薄く上品な化粧が施され、美しさを際立たせている。
年齢からすると成長の早い膨らんだ胸元はまったく下品には見えず、キュッとくびれた腰はドレス越しにもよく分かり、浮世離れした美しさを放っていた。
特徴的な桃色の髪は全て下ろし、毛先は軽く巻かれ、前髪を宝石のついた髪留めによって留められている。
そんな彼女は注目されているのに気づいたのか、華やかな微笑みを浮かべ軽く手を振ると、豪華な椅子へ静かに腰をおろした。
「「「ウォオオオオオオオオ!!」」」
それだけで観客は歓声を上げ、凄まじい熱気を放った。
少女はそれに気圧されるでもなく、にこやかに手を振っていた。
「ロゼリーナ様、綺麗だねぇ~」
「やはり格が違います」
「マジかよ……すげぇな。本当にお姫様だ……」
そう。美しい少女の名はロゼリーナ。
普段は三人の学友であり、レイの婚約者である第四王女がそこにいた。
ロゼリーナは確かに普段から気品に満ち溢れていたが、学園では第四王女という身分ではなく、ただのロゼリーナとして振舞っていた。
しかし、第四王女としてここにいる彼女は普段のロゼリーナとは別人に見えてしまう程凛々しく、高貴だったのだ。
そこで急に可愛らしいマイク(魔道具)を持った女の子が会場の中心に現れた。
そして可愛らしい声で
「あーあー。テステス」
とテストをした。
その言葉を聞いた観客は急に口を閉じ、客席に静寂が訪れる。
彼女は一段高い客席を見回すと満足気に頷き、息を大きく吸い込んで大声で言った。
「おい野郎共!調子はどうだぁああああ!!」
闘技大会に初めて来る三人は一瞬その言葉に固まってしまった。
が、周りはそうはならなかった。
「「「ウォオオオオオオオオ!!!」」」
野太い男共の声が響き渡る。
どうやらほとんどの客はこれを分かっていたらしい。
女の子はニヤリと笑い、続ける。
「おうおう今年も元気そうで何よりだ!知ってる奴が大半だと思うがわたしの名前はティッタ。毎年安い給料で闘技大会の司会をやってるもんだ。てなわけでよろしく!」
「「「ウォオオオオ!!ティッタ!ティッタ!ティッタ!」」」
ティッタコールが始まった。
ティッタはおざなりに手を振って答える。
「サンキューサンキュー。さて。てめぇら!今から注意事項言うからぜってぇ守れよ!守んなかったらつまみ出して出禁すっからな!」
「「「応ッッッ!!」」」
それからティッタは注意事項を冗談を混じえながら言っていく。
「……とまぁ以上だ。客席は特殊な結界で覆われてるから落っこちることはねぇし、攻撃が飛んでくることもねぇから安心して楽しめよ!」
「「「応ッ!」」」
「うっし!さて、気づいてるだろうが今回は特別ゲストが来てくださってる。なんと……我が国の第四王女、ロゼリーナ様だぁッッッ!!」
「「「ウォオオオオオオオオ!!」」」
拍手喝采が鳴り響く中、ロゼリーナは静かに立ち上がると、従者の持ってきたマイクを持ち、挨拶を始めた。
「皆さんごきげんよう。第四王女ロゼリーナです。今日はどんな勝負が見られるか楽しみにしていますわ」
「「「オオオオオオオ!!」」」
最後にロゼリーナが上品な笑みを浮かべると、熱気を帯びた歓声があがった。
そこで司会のティッタがロゼリーナにとって思わぬことを言った。
「王女様ありがとうございました。なお、今回の闘技大会にはあの剣聖の息子であり、そしてロゼリーナ様の婚約者であるレイ・ヴァン・アイブリンガー様も出場している!かなりの美少年らしいからてめぇら妬くんじゃねぇぞ!!」
「「「ヒューヒュー」」」
ロゼリーナが席で顔を真っ赤にしたのを確認した観客が口笛や野次で囃したてる。
さらに顔を赤くしたロゼリーナを見て、ティッタがフォローを入れた。
「てめぇら王女様が可哀想だからその辺にしておけぃ!じゃあ時間もねぇからそろそろ始めんぞ!おめぇら!準備は良いか!!」
「「「応ッッッ!!」」」
「よし!そんじゃ、これよりワイルド王国闘技大会を開始する!!」
「「「ウォオオオオオオオオオオオオオオオ!!」」」
こうして闘技大会は始まった。
なお、結局三人は最後までノリに付いていけなかった。
「まず始めは8グループに分かれた乱戦形式だ。ここで残った上位4名が決勝リーグに進むことを許される。1グループ大体40~50名程度だからかなりの倍率だ!では注目の一グループ目、入場!」
ティッタが入場コールをすると、殺気立った強者達が入場して来た。
ミュウが少し怯えたように言った。
「何か怖いね」
「これから戦うんだから当然じゃね?俺はワクワクしてきたぞ」
「ああやって殺気を漏らしている人達は大して強くありませんよ」
スレイが断言する。
ミュウはそれに疑問をおぼえ、問うた。
「どうして分かるの?」
「真の強者というのは殺気すらもコントロール出来るそうです。隊長がそう仰られてました。隊長曰く、レイ様はそれを簡単に身につけたそうです」
「へぇ~。やっぱレイはつぇ~んだな」
「確かにレイが負けるところは想像出来ないね」
「同感です」
そんな話をしていると、ティッタが注目選手を言っていく。
「さぁて一戦目の注目選手。まずは冒険者ランクBの"毒花の強鞭"という二つ名で有名なエスデス!強面に似つかわしくないオネエ口調で相手の精神にダメージを与える!正直気持ち悪いが近々Aランクに上がると言う噂がたっている実力者だ!」
ガイは思わずフィールドを見てしまった。
巨漢の強面男は何故かガイの視線に気づいたのか目が合った。
その瞬間、ガイはすぐさま視線を逸らした。
巨漢の強面男は頬を赤くして、ウィンクしてきたのだ。
ガイは吐き気を必死に堪えた。
ティッタの話は続く。
「そしてエスデスと対照的な爽やかイケメン騎士、彼の名はリュード!騎士団の若手の中では群を抜いていると言われている剣技は見逃せない!」
イケメンは爽やかな笑顔で手を振っている。
ミュウとスレイは心の中で思った。
(レイ(様)の方がカッコイイ)
ミュウとスレイの視線は白けていた。
その後、何名かティッタは注目選手を紹介した。
「おっと、そろそろ時間だな。野郎共!こっからは瞬き厳禁だぜぃ!」
「「「応ッ!」」」
「うっし!選手の準備も出来たみてぇだし、いくぞ?」
場を静寂が支配する。
緊張がピークに達した時、
「一回戦…………始め!!!」
「「「ウォオオオオオオオオ!!」」」
闘技大会がいよいよ始まった。
これからおそらく予想外の展開になります(笑)
そのうちアルテミスの弟が……ゲフンゲフン!
こうご期待(^^)
それから、ブックマーク件数が8000件を超えました!!
お読みいただきありがとうございます!
では作者は明日のテストのために勉強してまいります!(笑)
明日の教科は物理と英語(^^;;




