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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
終幕
330/342

再び王都へ

クレイス王国との一件から三年の月日が経った

カラミティはあれから独自の発展を遂げ、初めてここに来た時はまともに歩くことも出来ない程の悪路であったが、今は整地されたことと魔動列車も開通したことによって様々な種族が行き交う活気溢れる場所となった



『これとこれ。あとこれを頂戴』

『へい、合わせて2000オレットね』



オレットというのはこの国だけで使うことができる通貨のことである

始めの頃は物々交換でやり取りをしていたのだが、それだと個人によって物の価値が公平でなく取引を行う際に揉め事が度々起こったので、他の国に習って通貨を発行することにしたのだ

ちなみにオレットとはヴァイオレットの名前からとったものである


一度町を壊された状態からここまで栄えるまでに至った様子をヴァイオレットは自宅の屋根から眺めていた



『いやぁ。今日も平和だなぁ』



集まって談笑している者達や子供達が走り回っている姿を見ながらお茶を啜り菓子をつまむ

あれ以降大きな諍いも起こらず平和そのものだ

寝転がって風で流れる雲を眺めながらゆっくりと時が過ぎていくのを感じる

このまま寝てしまおうかと目を閉じかけたその時、空からルージュがやって来るのが見えた



『ヴァイオレット、お迎えがやってきたみたいだよ』

『んー……?あっ!そういえば今日だったっけ!分かった今行くよ』



とある人物が来るのをすっかり忘れていたヴァイオレットは屋根から下り、急いで門の方へと歩いて行った

すれ違う者達皆それを見てヴァイオレットに声をかける



『行ってらっしゃいませヴァイオレット様』

『行ってきまーす。お土産沢山買ってくるからねー』



町の者達に手を振りながら門に到着すると、そこには黒髪ロングヘアで眼鏡をかけた女性が立っていた



『お久しぶりですヴァイオレットさん』

『久しぶりシャルル』



カラミティにやって来たこのシャルルという女性はエリザの護衛役等を務めていたアレクの後任となった者である

今は護衛などよりもこうして度々カラミティに来ては王国との橋渡しを務めてくれている

最初は慣れない土地とヴァイオレットにかなり緊張していたようだが、今は良好な関係を築けている



『クラーケンの体に乗って移動するのは何度体験しても慣れませんね。途中で巨大な魔物が襲ってきて死ぬかと思いました』

『フフッ、まぁ海でクラちゃんに勝てる魔物はいないしちゃんと守ってくれるから安心してよ』

『それでもやはり慣れないものなのです。っと、すみません他の者達を待たせておりますのでそろそろ』

『うん、じゃあ行こっか。王都に』


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