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竜皇女と呼ばれた娘  作者: Aoi
開拓編
139/342

もう一人の記憶 その1

強制的に眠らされ夢の中……いや記憶の中へとやってきたヴァイオレット

目的は自分の中にいるシオリというもう一つの人格をなんとかして自分の魂と一つにするということ

具体的な方法も分からない上失敗すればこちらが消えてしまうかもしれないということでヴァイオレットは一先ず記憶の続きを見てみることにした

夢の続きはこうだった。シオリは新たな学校でとても優しい友達カエデと出会い友好を深めていっていた

しかしその一方で母親の容態は悪化していくばかりで一向に好転しない状態が続き、一年もしないうちにシオリの母親は息を引き取ってしまった



『お母さん……うっ……うっ……』



他に頼れる親戚もいないシオリはまだ学生にも関わらず母親とずっと二人で暮らしてきた家を離れ集合住宅の一角で一人での生活を送り始めた

母親の死の悲しみを紛らわす為学校やバイトを我武者羅にこなす毎日

このままいけばきっと身体を壊して母親の二の舞になっていただろう。だがシオリにはそれを支えてくれる相手がいた



『シオリ、全部一人で抱え込もうとしないで。本当に辛くなったらいつでも相談に乗るからね。私達親友でしょ?』

『カエデさん……ありがとうございます……』



誰にも辛い気持ちを吐露することができなかったシオリにとってカエデの言葉は本当に救いだったのだろう

それからシオリはカエデに徐々に依存するようになっていった。まるで母親の代わりを求めるように

何をするにしてもカエデと一緒に行動し色んなことを経験し、少しずつ母親のことを考える日が少なくなっていっていた

そんなある日のいつもの帰り道、カエデと共に歩いていると思い出したくない相手が目の前に現れた



『あれ?シオリじゃね?』

『えっ?マジじゃん。おひさー』

『あっ……ど、どうも……』



蘇る記憶、虐められていたあの頃を思い出してシオリの体は無意識に震えだした



『そういやアンタの母親亡くなったって同中の奴が話してたけどマジ?』

『てことは保険金とかいうので大金持ってんでしょ。私達今金欠なんだよねぇ、ちょっと貸してよ』



当然返すつもりはないだろう

ここで言う通りにしたらまたタカりにくるに違いない

自分のお金ならまだしも母親のお金だけは許されない

勇気を振り絞ってシオリが断ろうとする。しかしそこで後ろにいたカエデが前に出てきた



『あなた達はシオリとはどういう関係?』

『は?なんだお前』

『私はシオリの友達よ。シオリがあなた達に貸すお金なんてないわ。それじゃ』

『おいちょっと待てよ』



女性達に呼び止められるもそれを無視してカエデはシオリの手を引いてその場から立ち去った

その頼もしい後ろ姿を見てシオリはカエデと友達になれたことを心から良かったと思えた

しかしそんな日々もそう長くは続かなかった


ご拝読いただきありがとうございます!

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