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THIRD EYE  作者: 暇な青年
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番外編 バレンタイン

バレンタインのお話です。これが終わったらセカンドステージをやりますので皆さん読んでくれるとありがたいです。

二月十三日の夜、桜の家では一人桜が何かを作っていた。


「ん~こんなもんかな?」


作っていたのはチョコで次の日がバレンタインデーなので誰かに上げるつもりなのだろう。そのチョコを一つ口にしてみて呟く桜。


「よろこぶかな?」


チョコの量は少し多いのでいろいろな人に配るのだろう。こうして桜は手作りチョコを作り終えると冷蔵庫にチョコを入れ、眠りに着いた。


次の日の朝、いつもどおりに学校へ登校する良祐と紅希。空は寝坊でもしたのだろう。など二人話し合って教室に入ると中は異様に盛り上がって女子は仲の良い友達や男子に何かを渡していた。


「ん、なんだ?」


「さぁ?」


分からない二人は教室を見渡しながら席に着いた。


「は~、ねむ」


「いきなりだね、来たばっかだよ良祐」


「しょうがねぇだろ」


「はは・・・・・・あれ?」


紅希は机の中から教科書を取ろうとした瞬間、何かを机の中で掴んで声を上げた。


「どうした?」


「なんか・・・はいってる」


取り出してみると綺麗にラッピングされている箱だった。当然、意味が分からない紅希だがそれを見ていた男子が紅希に近づいて来た。


「あぁそれ、二年生の先輩がいれて行ったぞ」


「えっ、何で?」


「お前な~、今日はバレンタインだぞ!」


人差し指を立て言う男子をどうでもよさそうな目で良祐は見ていた。


「コレ、ほんとに僕に?」


「あぁ、その先輩、紅希の席聞いてきたからな」


そういうと男子は他の女子に呼ばれて行ってしまった。紅希は箱をまじまじと見ていた。


「良かったな、紅希」


「よかった・・・のかな?」


疑問に思っている紅希をからかっていると教室のドアがゆっくりと開き、視線を向けるとチョコをぎっしりと抱えている空だった。ドアは足で開けたのだろう。


「よ、よお」


「おう」


疲れ果てている空を見て良祐は何が合ったかすぐに分かった。


(まぁ、チョコの数を見ればすぐ分かるか・・・・・)


クラスの視線は空のチョコに釘付けだった。チョコのを机に置き席に座る空に声を掛けようとしたらクラスの数人の女子が空に近づきチョコを渡し始めた。


「お、お礼はいいから・・・・・」


など、恥じらいを持ちながらも渡してくる中、良祐と紅希は肘を突いてまたかと思いながら空を哀れんでいる。


「やっぱり空は人気だね」


「だな」


二人の言うとおり空は小学校の頃から女子に人気でこういう行事では必ず空はかかわってしまう。


「成瀬君・・・・・・!」


後ろから声を掛けられ紅希は後ろを向くとまたもや数人の女子がチョコを持っていた。


「えっと・・・・・」


「これ・・・・」


困った顔でどうしようかと思い紅希は良祐に顔を向けるが良祐は口パクで「がんばれ」と言い教室から出て行ってしまった。


「っちょ!?」


「紅希も実はもてるんだよね」


廊下を歩きながら呟く良祐。他のクラスを見ながら歩いているがどこもチョコ関係である。


「飲み物かってこよ」


呟き良祐は一階にある自販機に向かった。




その頃、二年B組


「ありがとう桜!」


「いいよ」


と桜が友達の春子に昨日作ったチョコを渡していた。正確に言うとチョコを交換した。


チョコを入れていた袋を春子が見るとあと一個残っていた。それを見た春子は何かを感じ取り面白そうに桜に聞いてみた。


「残り一個誰に上げるの?もしかしてずっと前に一緒にいた後輩君?」


「ずっと前?」


いつの事だか分からないでいる桜は記憶を振り返っていた。


「夏休み前のテストの朝」


「テスト・・・・・・っあ!!」


後輩君が良祐だってことに気付き桜は頬を赤くした。それを見た春子は満面の笑みもとい好奇心が出てきた。


「っで、後輩君にあげるの?」


「えっと・・その・・・・・・」


顔を下に向けもじもじとする桜を見て声を殺して笑っている。




その日の放課後、三人は帰宅しようと学校の門まで行くとそこには今日始めてみる桜の姿があった。


「あっせんぱい」


「えっ?」


一番最初に気付いた紅希の声に良祐は反応した。


「三人とも今帰り・・・って空と紅希凄いわね」


桜が言ったのは鞄に入らないほどのチョコの量だった。


「良祐は?」


「オレは一個も貰ってませよ」


手を横に広げ言うと桜はホッとしたような表情をしたが良祐には見間違えだろうと思い気にしなかった。


「こんなとこでどうしたんですか?」


空の質問に桜は少し顔を赤くして良祐を見た。それを見た空と紅希は桜の言いたい事が分かって良祐に「先に帰ってるわ」と言い二人は行ってしまった。


「えぇ!?なんで?」


二人の行動に納得できない良祐だったがすぐに開き直り桜に視線を向けた。


「えーっと、帰りますか?」


「そ、そうね」


いきなり二人っきりにされ緊張する二人を遠くから見る視線が二つある。


「どうでると思いますか紅希せんせい」


「ん~コレばっかりは何とも言えませんよ空せんせい」


二つの視線は空と紅希だった。


「で、何であそこで待ってたんですか?」


直球で聞いてくる良祐に焦る桜だが、さすがは騎士団副隊長。すぐに冷静になり言葉を考え始めた。


「えっとね・・・・・」


「はい?」


良祐は桜が言うまで何も言わないでいる。それを見ている空と紅希は焦れていた。


「じれったいなー」


「コレばっかりは先輩が渡さないと」


すると、桜が手に持っていた紙袋から長方形の箱を取り出し良祐に向けるように持った。


「えーこれは?」


余りに突然の事で良祐は箱を見て言葉を発した。


「チョコよ・・・・いらなかった?」


今にも泣きそうって程でもないがそういう感じの表情をみて顔が赤くなる良祐は緊張しながら


「いいんですか?」


と聞くと首を縦に振り良祐に渡した。


「えーっと・・その・・・・あ、ありがとうございます先輩」


「義理じゃ、ないからね・・・・・・」


恥ずかしくって顔を見れないで良祐はお礼を言うと桜は顔を下に向けて小さく言葉を発した。


「えっ!?」


聞き返そうとすると桜は「じゃあね」と手を振っていってしまった。残った良祐はぽつんと一人貰った箱を見ていた。


「やったなー、良祐君」


「よかったね良祐」


「お前ら!」


隠れていた空と紅希が良祐の首に腕を回してきた。もちろん顔を真っ赤にしているので怒るに怒れない良祐に二人はニッコリと笑いかけている。


「よーし、何か食いにいこうぜ?」


「さんせー」


「ちょっ!?」


良祐は有無を言わせてもらえないで二人に連れて行かれた。


ついに完結です。つぎはセカンドでよろしくおねがいしまーす

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