第52章最終戦編 隊長格VS国生蓮
「竜也!!」
「あぁ!」
呼ぶ声に答えると二人は一瞬で蓮の前後に詰めた。
「・・・・・・」
斬られる前にその場から移動したが、移動先には桜が構えていた。
「この前の借りを返させて貰うわ」
「出来るかな?」
蓮が刃を振ると無数の刃が桜を襲った。
「ん?」
刃が桜を切り裂くと桜は花びらとなった。
「花吹雪」
いつの間にか桜は蓮から距離をとっていた。
「ちっ、騎士団って同じ様な技が多いな」
「あら、花吹雪は防御技じゃありませんよ」
切られた花びらがヒラヒラと地面に落ちると思いきや蓮に襲ってきた。
「なっ!?」
無数の花びらが蓮の腕、足、胴、顔を切り裂く。
「ざっけんなー!!」
左手を掲げると、襲ってきた花びらが地面に叩きつけられた。
「くっ!」
動揺する桜に視線を向け右手にある刀を力いっぱい振った。
刃から斬撃が放たれ轟音と共に地面を削っている。
「きゃっ!!」
間一髪、竜也が桜の手を引いて斬撃から避けた。
「なっ!?」
桜に放たれた斬撃は後ろの森を切り裂いて飛んでいった。斬撃が通ったところは地面が削られている。
「どこ見ている?」
斬撃が通った道を見ていると、蓮の声が後ろから聞こえた。
「ちっ!」
その場から離れようとしたが、距離をとるどころか膝が地面に付いた。
「じゅ、重力・・・か」
「ご名答」
蓮に顔を向けると蓮は刃を掲げていた。
「し・・・」
「はぁっ!」
無数の鎌鼬が蓮を切り裂いた。ように見えたが蓮はその場にいなかった。
「サンキュ、竜也」
「出し惜しみは無しだ」
「おう」
二人は蓮に突っ込んだ。
「ふふ・・」
二人を確認すると蓮は立花たちの足元に鎌鼬を撃った。
「あたんねぇよ」
臆す事無く二人は蓮に向かった。
鎌鼬のおかげで立花たちの足元はひび割れだらけだった。ひび割れた部分が突如、立花たちの上に浮いた。
「なっ!?」
「重乱連打」
刃を横に振ると浮いていた部分が立花たちに降りかかって来た。
「ぐッ!」
後ろに下がろうとしたが体が重くて動かない。
「て、めぇ・・・セカンドに・・・・なってん・・じゃ、ねぇ・・・か」
「今頃か?お前らと同じときに私も出したんだぞ」
無数の破片が雨のように立花たちに降り注ぎ煙で見えなくなった。
「ハハハハハ・・・・・っと」
笑っている間に聖華が蓮の瞳目掛けて斬りかかったが、体を後ろにずらして避けた。
「次はお前か?」
勝ち誇った顔でいると煙の中から声が聞こえた。
「お前の相手はこっちだろ?」
「隊長!」
「退け、聖華」
「はい!」
立花たちの姿を見ると蓮は、少し驚いたが、すぐに戻した。
「よく、今のが避けれたね」
「はっ、こっちもそれなりに強いからね」
立花の挑発を受けても眉一つ動かさない。
(立花の光壁のおかげだな)
立花は重力が圧し掛かって動けなくなると重力に逆らわず、地面に肩膝を付き左手を地面に当て、立花と竜也の周りに光の壁を作り、地面の破片から身を守った。
「そろそろ、この状況をうごかすか」
「ああ」
二人の刃は蓮の顔と右腕に狙いをつけた。
「はっはー」
それを、長い刀を利用して一辺に受け止めた。




