第43章 空VS木の人形
今回はタイトル通り空と人形と淳しか、出てきません。
良祐が、淳の出した木の人形と戦闘に苦戦している中、空も苦戦を強いられていた。
「ハァ・・・ハァ・・・・」
人形には、「疲れ」とゆうのを知らないので、休むことなく空に、向かってきた。
「ハァ・・・・ちょっとは、休憩させろよ!!」
向かってくる人形に対して、斬りかかった。
人形は斬撃を避けると、空の腹、目掛けて膝蹴りを放った。
「ッぐ!!」
腹を蹴られ、軽く中に浮いた瞬間、人形は後ろに振り返った。
「な!?」
次の瞬間、空の右頬に回し蹴りが直撃した。
「がっ・・・ぐっ・・・・」
蹴られた反動で端の壁に叩きつけられた空は、口から血を流していた。
(これも、幻術かよ?つッ!!)
空が感じている痛みは、現実では受けていないし、血も出ていない。だが本人には、痛みが感じている。
(まぁ体を壁に叩きつけた痛みは、現実だが)
淳は、良祐の戦闘から目を離し、空の戦いを見ていた。
「ク・・・ソ・・がっ!!」
壁を思いっきり蹴りつけて一気に人形の前まで移動してきた。
「オラァ!!」
怒号と、共に空は、人形に斬りかかったが、人形は精密機械のように避けられないと感じたら腕で防御をして、致命傷を喰らわないでいた。
「この・・・ッが!!」
斬れないと悟った空が、勢いよく刃を振りかぶると、その瞬間に人形が空を突き飛ばした。
「っく!!」
が、吹き飛ばされている間に体勢を立て直した空は、地面に着地した瞬間、その場から消えた。
「ほ~」
消えたところを見た淳は思わず声を出し、感心した。
(ファーストになってからまだ、15分・・・・・・早いな)
感心している間に空は、人形の後ろをとっていた。
「これで・・・・・・!!」
空は、人形の首を斬り裂いた。
「ハァ・・ハァ・・・」
「空、油断してはいけないぞ」
「はっ?」
声を掛けられた空は、淳を見ると、淳は空の後ろを指差した。
「・・・・?」
振り向くと、そこには、さっき頭を切り落とした筈の人形が、元に戻っていて、空に殴りかかってきた。
「んな?」
間一髪後ろに体を動かして攻撃を避けた。
「マジ!?」
「ほら、頑張れ。まだファーストを使いこなせていないだろ?」
「くっ、やっぱ本辺はサドだろ?」
「さ~?それより、いいの?人形から目を離して?」
「ん?って、おい!!」
視線を人形に戻すと、いつの間にか人形の手には木の剣が握ってあった。
「二回戦、開始!!」
一人、淳は楽しそうに呟いた。
「オラァ!」
二人の刃がぶつかった。
(たく、いつまでこの訓練やらされるんだ?)
「ん?」
考え事している間に、人形が空の刃を掴んで動かないようにしていた。
刀に視線を向けると、空の額、目掛けて刃が飛んできた。
「おっと!」
咄嗟に手から刀を離して、刃をかわした。
「・・・・・・」
(ファーストでも、陽炎ぐらいなら出せるだろ。・・・・・多分)
距離をとった空は、構えを作った。
人形はそれを、見ると空の刀を地面に刺し、空に向かってきた。
「よし、こい!!」
空は迎え撃つ体勢をした。
(・・・・・迎え撃つつもりだろうが実際、陽炎を使って人形の攻撃を避け、刀を取りに行く。ってとこだろう。・・・・だが、そう簡単にいくかな?)
笑みを浮かべながら淳は、空を見ていた。
人形の剣戟を尽く捌いていると、人形の動きが突然遅くなった。
(今だな・・・)
タイミングを見つけた空は、振ってきた刃に業と切り裂かれた。
空の体が真っ二つに切り裂かれると、切り口から、炎が空の体を覆って消滅した。
(よし!成功!!)
陽炎を使って空は刀の刺してある所に現れた。
「これで・・・・・」
刀を抜こうと柄に手をかけた瞬間、出した手、目掛けて刃が振り下ろされた。
「なっ!!」
瞬時に手を引いたが、腕を切り裂かれていた。
「おいおい・・・・・」
人形が刀の前に立っていた。
(あの速度は反則だろ)
「ちっ、刀、離すんじゃ無かった」
(切り裂かれたのは、左・・・利き腕か。動かそうと思えば動かせるけど・・・・)
「・・・・こうなったら右手でやってやろうじゃねぇか!!」
決断すると空は左腕を隠すように構えた。
「いくぜ!!」
叫び声と共に、人形に突っ込んでいった。




