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【ジェムストーンズ1人目 ガーディマン】〜みんなを護るため弱虫少年はヒーローになる〜  作者: 七乃ハフト
番外編その2 《地球を守るヒーローだって独りぼっちは嫌なんです!》
46/148

番外編その2の9 (約700字)

ガーディマンが飛び上がる少し前。


  闇に包まれたマンションの屋上に、明かりも持たずに歩く男がいた。


  男は暗闇でも視界が効くのか、まるで障害物の方が避けて行くように歩いている。


  右手に黒いアタッシュケースを持った男はある装置の前で止まった。


 それは楕円形の全身鏡のようだ。鏡と違うのは鏡面にあたる部分が真っ暗で何も映していない。


  小太りで茶色のベストを着た男は、アタッシュケースを地面に置くと、全身鏡に近づき側面に触れる。


 すると黒い鏡面が一瞬爆発したような光を放つ。


 額が後退し、ニコニコと笑顔の中年男は強い光を見ても、目が眩んだ様子も見せずに淡々と作業を進める。


「これでよし」


  作業を終えた男は満足したのか一度頷き、振り向いてアタッシュケースに近づき、中を確認するためにロックを解除した。


  中にあるのは衝撃吸収材に包まれたガラスの小瓶だ。数は十個。


  小瓶の中身は、青い液体が満ち、小さな人形のようなものが入っている。


  それは人形ではなく人間であった。


  しかも全員十代前半の子供で、その中にはラチカの祖父が助けたはずの子供も収められていた。


  みんな死んだように目を閉じているが、ケース内部の生命維持装置のお陰で仮死状態にあるようだ。


 アタッシュケースには一丁の拳銃のようなものも収められていた。


  さてと、サンプルの採取はこのくらいにしておくか。


  マンションの管理人は、笑みを浮かべて、誘拐した子供の様子を確認すると、ケースを締めてロックする。


  そして立ち上がったところで……。


「こんなところで何してるんですか?」


  振り向くとそこには白銀の金属生命体がいた。


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