第15試合の前に―― コンビニなどの商品活用 8
「これの作り方で大切なのはお米に30分吸水させる所だね。オムライスに使う調味料、材料の入れる時はこれから教えるタイ」
ロースハムは5mm角、玉ねぎはみじん切りにしておく、先にするのは味付け=ケチャップ大さじ3と顆粒コンソメ小さじ2を入れること。1合の線まで水を入れて混ぜてからハムと玉ねぎを加える。どこから持ってきたか不明だが、フリップを使っての解説なのでわかりやすかった。
これにより、8人が作った内訳は『ご飯もの』8点、『スープ・汁物』が変わらず2点。『おかず系』が4点いつでも食べられる様に。
最初に料理を作っていた風良と高美の方に戻ってみるとしよう。
「もう1品すぐ出来るとは言いましたけど、来るの遅かったですね。材料の用意はすでに完了しています」
豆腐の水分をキッチンペーパーで拭いておく。600Wのレンジで2分過熱する事で時短。<筑前煮>を1口大に切る。豆腐の味付けはマヨネーズ大さじ2としょう油大さじ1である。そこに<筑前煮>も加えて和えるだけ。塩と白ごまで味を調えよう。
「結構雅な和風おかずね。はいっ、料理はここに置くと良いわ」
風良の作った品を見に来た真奈が保温装置の空いている場所を教えた。
「さて、見たい人は見に来てね。私はインスタントつけ麺を作るわ」
近くで見ようと思ったのは有音と想のようである。最初からつい「へ~っ」と思ってしまうような行動、小鍋に<インスタントラーメン>の袋の中にある粉末スープとマヨネーズ大さじ2、刻みネギは好みの量、豆板醤大さじ1でつけダレの準備完了。これにお湯を入れれば良いだけである。
「これで全員が2品くらい作った事になるんじゃないかしら。私は食べたい人へ麺をゆでて、ゆであがった麺にごま油大さじ1を回しかけるという作り方を見せてから食べさせて頂きます」
最終的に出来たもの『ご飯もの』が8点、『スープ・汁物』が3点、『おかず系』が5点となった。
命はこのSP番組中にほとんど仕事らしい仕事はしていなかったなと全員に対して司会らしい仕事をしようとする。
「1人ずつお聞きしますか。風良さんがその食材を使った理由は?」
風良が元気良く返答。
「筑前煮だけでは物足りないと思ったのがきっかけです。それと、こういう作り方なら楽というちらし寿司を教えたかったので」
次は誰にしようか決めていなかったが、奏と目が合ったので問う。
「鶏のからあげに工夫した品、楽しみにしています」
「はい! きっと驚くと思いますよ」
3人目は真奈を選んだ。
「真奈さんの作った品は手が込んでいるように見えますね」
「そんな事ないですよ。楽に作れちゃいますし」
4人目を選ぶ過程で目が合いそうになった有音に少しほわほわした雰囲気で会釈されたので語りかける。
「実は3品も作っていませんでしたか包味有音さん、あなただけが!?」
「あっ、気づきました? 1人2品って決めつけられていた訳じゃないでしょうし、3品思いついたので」
簡単なコメントをもらう感じになっている5人目は高美のようだ。今やっている作業的にラーメン屋の女将状態、聞くタイミングですよとばかりに手を止めているので司会者は話す事にした。
「高美さんも早めに皆さんとの試食タイムに合流してくださいね」
「ええ。私も皆さんの品を食べたいって思いますから」
命は6人目の想に今日の調子はどうだったかと尋ねる。
「調子の良い悪いだけで判断すれば良かったですね。作りたい料理も失敗なく完成させましたから」




