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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
得意分野で勝負編
82/204

第14試合目 2

 ここからは男同士女同士にわかれてスタジオまで行きましょうという香理の提案を全員受け入れた。ケーブルテレビ局受付で6人全員がちらっと出演者用パスを見せただけで関係者用通路に通される。これはこの受付嬢の仕事さばきがうまいのか、人気料理番組の出演者6人も集まっているから顔パス同然に入れたという事なのか? 両方かもしれない。


 スタジオまでの道すがら、気の合う副部長と込流で農業についてや、近況の話をしていた。奏は聞き上手って程じゃないが、大抵の話はわかるので年長者2人の顔を立てたりしていた。一方、部長と有音に香理はちょっとしたおしゃれについてや、デザートの話について盛り上がっている様子だった。


「ずいぶんと変わった組み合わせですね。おはようございます」

 全員にしっかり挨拶してから、想が香理に話しかける。

「こんな発想が思い浮かだんだけど、どう思う? 香理ちゃん」

「それとこの食材を!? 面白いね。あっちでどういう感じになるか想像して遊びましょ?」

 料理を作っているものなら誰だって新たな発想の料理に憧れる事はある。想も料理についての話を同性の奏達としてみたい気持ちはあるものの、結局は一番年が近くて話しやすい香理と話しているなと思った。


「皆さんいつもありがとうございます。お陰様で番組好評ですよ。今日、誰が作ってくれるかわかりませんが期待しています」

 いつも通り、司会者と審査員達が一緒にスタジオ入りした。司会のみことに褒められた全員嬉しいやらくすぐったいやらという心境である。モチベーションが高くなる効果もあるので司会者の賞賛タイミングはベストだ。

「今日は誰になるでしょうね~。2試合連続もあり得ますし、小学生対決の確率も0ではない」

 楽しみ、ながらも緊張の張りつめる瞬間といえる。やはりこういう観覧者のいる舞台にと考えているのは、どちらかといえば久々にキッチンスタジオで料理がしたいと思っている者の気持ちの強さが大きいだろうと予測出来る。


 14試合目で料理スタジオに降りてきて頂く方

『飯合 風良さん』 4回目

『響  奏 さん』 4回目

料理のテーマ<変わった麺対決>


 今回選ばれたのは調料学園料理研究部の2人。今までで先輩後輩対決や、幼なじみ対決はたまたまあったが、この2人が対戦するのは初である。

「奏さんと風良さんは部活内で師弟関係らしいですね。これはまた熱い一戦が見られそうです!」

「同じ学園で先輩後輩関係だからそう見られがちなだけだよ。こちらとしては好敵手だと思っている」

 選ばれた風良と奏がエプロン着用の上でキッチンスタジオへ。そんな中、風良先輩ににそんな風に思われていたのかと気持ちの高揚がすごい事に。


「風良君、先輩として一歩先行いっぽさきゆく気持ちで」

「奏。私も成長しているんだから、成長している姿を見せてくれないとダメだぞ」

 

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