第13試合目 3
全員料理をしたい気持ちの高まりも自覚していそう、だから誰が主演に選ばれても愉快な一戦が見られそうである。司会者はこの番組主演の2人を選択する作業が楽しかったりする、誰が料理を作る姿を見せてくれるだろうという楽しみで。
「そりゃ機械がランダムに決めている訳ですけど動かしているのは僕ですからね。そろそろ奏さんの出番になったりするか!?」
しばらく主演者としての出番がなかったりする出演者の一人、奏は名前を出されてドキッとした。大舞台でまた料理を作りたいと思ってはいてもランダムでは厳しい……?
13試合の料理スタジオに降りて来て頂く方
『阿多 高美さん』 3回目
『飯尾 香理さん』 3回目
料理のテーマ<アレンジ料理対決>
機械も再調整されているその結果、趣向が変わっている。
さて、今回の<アレンジ~~>というのは料理が用意されているのかそれとも?
「対決テーマについてなのですが、番組では特に出来上がった料理などは用意しておりません。という事はわかりますよね? 食材を自由に使って一から作って頂いて結構ですよ」
選ばれた高美と香理がエプロンを付けてキッチンスタジオへ向かっていく。他の出演者達は作りたかったとか今試合の主演になれなくて残念という気持ちなどを消化して出演者用の応援席へ移動した。
奏だけはそういえばと思って審査員席へ移動。真剣勝負の方が得るものが大きいと思うが、味わって審査の決め手を探さなければならない体験もまた貴重。審査側だからこそ気をつけるものを探したいと考える。
「久しぶりに審査員席へ来ました。今日もよろしくお願いします」
「よろしく!」
「よろしく頼むよ」
審査員の番参審査委員長と清審査員にフレンドリーな感じで接してもらったので奏の緊張はやわらいだ。清にハイタッチをうながされたので軽く手のひらを叩く。それはやらないだろうと決めつけていたが、番参も利き手を上げていたので手を滑らす感じで一瞬手を合わせた。
「いつもと審査員が1人違うのでしばらくお待ちしていたのですが、そろそろ準備も問題ないでしょうか? 制限時間は30分です。それではよろしくどうぞ」
今回審査員を務める奏が手を上にやって手を合わせて準備OKを表現した。司会の料理スタート合図だけでなく、奏の審査準備完了を見届けてから主演の2人《高美と香理》が食材の前へ行って何を作るかの最終決定をする。
「さてっと、まずは肉類とか魚系に野菜など何をメインにするかってところよね。やはり定番料理を個性的な味付けに変えたいところかな」
高美が作る献立をどうしようかとの考えを口に出している。冷蔵庫や机においてある野菜などを見た香理も前試合で少し低めの採点をされた悔しさをバネにしようと自分を奮い立たせていた。
「定番料理に近くてもこれは良い! という料理を出せるのが鍵かもしれない。ここは勝負の一品で高得点を狙おっ」
すいません、次週に間に合わない場合は番外編を投稿しますので(汗)




