第13試合目 1
料理番組に出演予定のある学生達、特に奏達が所属している『調料学園』は12試合目終了数日後、金曜と土曜日に文化祭を行った。ちなみに文化祭では1年生と2年生のクラスが県民メシから好きな物を作るというもの、3年生は自らの料理技術を見せる場にしている。例えば『肴の解体ショー』別の3年の方は『野菜採り体験』また他の人は『デザート品評会』などなどこれからお世話になる料理関係の企業または店舗に関係する事をしている者達が多かった。
ちなみに奏達のクラスが作った県民メシは『おっきりこみ』というほうとうに近い料理で、真奈達のクラスが作った県民メシは『瓦そば』作る地域では普通に食卓に並べられるが、他地域ではまずそんな料理あったんだと思われる(一部メジャーになっている県民メシは除く)もう少し彼らの作る県民メシについて触れよう。うどんに合う鶏肉と好きな野菜で作る醤油味の平たいうどん=ほうとうで作る群馬県の郷土料理に、茶そばと牛肉・錦糸たまご・長ネギをホットプレートで焼いてつゆで食べる山口県の郷土料理。
「調料学園」は北海道にあるが実は料理研究部の4人は東京出身で寮生なので地方料理を作るのは新鮮だ。正確に書くと奏と有音の2人は東京出身、小学校からは北海道育ちという感じだが。
野菜盛りだくさんの料理を作る際の均等に材料に火を入れる技術や香ばしい匂いの焼いた茶そばを用いた郷土料理を作った経験はこれから活きるだろう。
調料学園の文化祭に見学に来た想と香理の小学生組と、込流・高美は珍しい食べ物を味わう事を中心に楽しんだ。
調料学園の理事長番参と、今年の後期から学園の特別講師を引き受けている清。ここで番組出演者達が揃った事になる。集まったみんな、作る者達も食べていった者達も何かを得て調料学園文化祭を満喫していった。
◇ ◇
2日連続の文化祭で料理を作ってきた奏達。奏達にとっては初めての文化祭で面白かった。楽しくてしょうがないという気持ちでアドレナリン分泌しっ放しのせいか疲れを感じない。それは真奈先輩達も同じなのか疲れているかどうかわからない。
「今年の文化祭の趣向、面白かったわ。ご当地料理なんてたまに作るくらいが普通ですものね。あれだけ作ったから覚えたわ。アレンジ料理に応用しましょ」
文化祭の話題になったのでまずは有音が応じる。
「私もああいう屋台で作るという非日常感と、料理を作る役も結構任されて作り方を覚えちゃいました。アレンジしてみたくなりますよね」
女の子同士で盛り上がり出している。そんな2人にも聞こえるよう風良が気持ち声を大きめに出して奏に文化祭の感想を求めた。
「奏君にとっても初体験だったと思うけど、どうだった?」
「お客さんが多い独特な祭りの雰囲気に並んでいるお客さんの心待ちにしている気持ちが伝わってきて緊張感が有りましたね。僕は料理ショーを演じているつもりで作り続けてました」
キリが良い所まで書ききれなかった。
くそぅ。。




