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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
得意分野で勝負編
66/204

第11試合目 7

 ~~帰り道の奏達~~


「いつも通り審査終了後に込流さんと想君の料理を味見した訳だけど、想君のあえものは良かった。味を変化させられるのが好きなんだよなー」

「確かに想君の料理も見事だったわね。でも私は野菜の種類であれだけ味わいが変わるんだという事に驚きを感じたわ」

 奏が今回の料理についての感想をつぶやくと有音がそれに乗ってきた。2人の会話が聞こえてきたので副部長の風良が割り込んでくる。

「そう。込流さんのあれは野菜の特性などを理解してこの料理に合うとか覚えていないと出来ない事なんだよ。野菜に関する知識が豊富なんだろうね」

 まだ会話に参加していなかった真奈も話に参加する。

「そうよね。それだけ野菜に愛着があるとも取れるわ。ところで風良君はそれを『お米』でやりたいのよね?」

 

 確かに真奈だけに話した事のあるベストなご飯の友を風良は考えていたりするのだ。後輩達も興味を持っていそうな表情だったので話題に出した。

「例えば、生卵を混ぜるご飯一つとってもさ、粘り気とか硬さ……他にもあるだろうけど美味しく食べられる『お米』があると思うんだ。このご飯だからこそ卵かけご飯を食べたいという品種がね」


 そのお米に対する話を聞いている内に料理の専門学校(調料学園)で最近習った覚えのある海外米について有音と一緒に風良へ尋ねる。

「それって日本が十数年前に米不足になった頃、アメリカとかタイなどからお米を輸入してしのいだという授業で聞いた事実を思い出しますね。確かタイ米は炒飯向けだったとか」

「そうそう、奏の割にはちゃんと覚えていたんだね。タイ米はパラパラだから炊きたてご飯より炒飯が美味しかったとか。アメリカのはうまくもまずくもない感じで日本米が恋しくなったとか、親や先生に聞いたんだったね」


 ちょうど話題になっている話に近い事を授業で習ったんだなと風良は納得し、うなずく。

「タイ米の件を教わったばかりなら話は早い。その件なんか最たる例だからね。僕はとにかくお米を美味しく食べる方法を品種別に調べ続けるよ」

 

 まとまりそうだと察知した真奈が終わらせやすいよう助け舟を出した。

「自分の得意を伸ばすのは大切よ。今日の込流さんの献立を見ても分かったでしょ? 最低でもよく使う食材とかの美味しい食べ方は生、焼く、煮る、揚げるのどれが良いかすぐ思い浮かべられるようになりましょうね」

 電車が彼らの最寄り駅に到着したので、奏達と先輩達は駅で別れた。

「これからも頑張りましょうね」

「はい! さようならです」



 今日のは少し短めでしょうか。


今回の話はこれからの話と関連付けますから(いつかは不明)

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