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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
クッキング開始編
49/204

第10試合の前に―― みんなで作ろう 5

 普通に今まで通り料理をする案にこの生放送直前までは傾いていたのだが、有音が謝罪したいとかこの生放送番組収録の雰囲気などを総合して番参審査委員長が『出演者全員でお菓子パーティー』へ変えたのは良い判断だと思われた。それはみんなの表情がやわらかくなっていって笑みを浮かべているからわかる。


 ビスケットケーキを作った有音と真奈が他のお菓子で何かを作ろうかと確認しようとしている所で香理が小さな手でコーヒーゼリー3個パックとプリン3個パックを取り出そうとしているのを見かける。それをいっぺんに取り出すとどちらかが床に落ちてしまいそうだったので有音が手を貸した。

「香理ちゃん、一人で平気?」

「あっ、有音お姉さん。ありがとうございます」

 それからインスタントコーヒーを小さじ1杯またはそれより少し多いくらいいれた香理が3個入りプリンの内、1個を手にとって振り始める。

「楽し~~」

 言葉通り香理が嬉しそうにプリンを振り続ける。この後どうするかというと――――

「もしかしてそれをカップに入れて!?」

「はい、そうです。大胆ですよね! カップに水を入れてレンジで熱めの1分30秒とかそんな感じでしょうか」


 さっきまで真奈と一緒にいた有音は先輩にしばらく声をかけられなかったなと思い、どうやら香理も真奈の動作が気になっていたらしく同じようなタイミングで注目した。

「トロトロトロ~リ、この食感がたまらないー」

 とっても楽しそうに鼻歌を口ずさんでいた真奈。それについては触れないようにしようと思った。市販品『ドロ◯ッチー』風ドリンクを作っている。

「私も牛乳とコーヒーゼリーを混ぜて小さくした飲み物を作ろうとしていたので手間が省けちゃいました」

「香理ちゃんがやろうと考えていた仕事を取っちゃった? ごめんね」

 確かにやりたかったかどうかでいえばという事実はあるが、香理は年上の真奈が心から楽しそうに牛乳とコーヒーを混ぜあわせている動作が意外でレアな光景を見たかもと控えめに喜んだ。


                      ◇

 有音達がスタジオの食事または試食の際にいつも使用している机の周辺で作っている、奏とおもいで一緒にいたのはガスコンロの近くである。そこでかなでが変わったスパゲティを作る予定との話を聞いて年齢相応に目を輝かせている想が興味を持ったようだ。

「僕が何を作る気かって? このうめえ棒エビマヨ味とコーヒーに使う粉末のブラ◯ト=クリーミングパウダーでパスタソースを作ってみたくてさ」

「えっ、何それ面白そう。奏さん、手伝わせてよ~」

 興味ありありと目で訴えかけている想に奏はよろしくとばかりにハイタッチを促す動作をし、気づいた想がそれに応じた。


 2人で一緒に作る約束をした奏は最初にパスタソースの素地を作るための塩を少量入れたお湯を沸騰させつつあった。そこに奏からこういう事をしてくれと頼まれていた想が、深皿に入れて砕いていたうめえ棒とブラ◯トを大さじ5以上入れて混ぜ始める。

 良いかなと思ったタイミングで奏がフライパンにナベの中身を入れ替えて5分くらい煮つめる。火は消さないで中火に弱めてかき混ぜるととろみっぽくなるのでそこで塩による味の調整を済ませた。



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