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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
クッキング開始編
41/204

第9試合 有音VS奏 5

「どうしたんです? その表情はどこを褒めようか迷っているとか?」

 その問いに審査委員長が短く返答し、清達に食べてもらう事にする。

「後で話そうか。とても美味は美味だが、君らはどう思う!?」

 審査委員長だからこそ焦らしているのだろうとか今の有音は勝手な解釈で静観し始める。そして清と高美2人の審査員が思ったままを口にした。

「とても美味しくはあるね。ここまで材料の大きさまで整っているのは言葉を失うくらいだけどね……多分僕も審査員長と同じ感覚を覚えている気がする」

「私も美味しさは満点に限りなく近いと思うわ。でもこの一見完全さの絶妙な高さ、そこに結構大きな落とし穴が潜んでいる気がするわね」


審査員達の評価で良い点だけが耳に届いているらしく、自信ありすぎな有音が微笑みで目を細める。

「それでは続きまして奏さんの審査に移ってほしいと思うのですが良ろしいでしょうか?」

 司会者みことに尋ねられて、番参審査委員長がうなずきだけでOKサインを出す。番組スタッフ数名の手から、奏作かなでさくの料理が審査員席の机の上に置かれたので後は食して得点審査をという流れになっているようだった。

「うん。食べさせてもらうとしようか」

 奏の作ったじゃがいもとベーコン中心の料理。見た目は男の料理状態で全体的に大きめになってしまっている。

「たまたま有音君と似た味付け部分のあるこの料理だが、こちらの方がガーリックバターという強さがしっかりしていてご飯が食べたくなるな」

 このじゃがいも料理はおかずとしての評価と考えるとなかなか好評価に結びつきそうだ。続けて清と高美が食べ終え、そして得点を考え始めた。


「僕的にはこのガーリック醤油バターの味、好きですね。家庭の味になっている家があるかも」

「私としてはパセリとバジルで味の変化を楽しめる感覚が気に入りました。香辛料の使い方がGOODよ、それとどこか幸せな気分になれる不思議」

 今日は有音の望ましくない心境の変化を始め、審査の最中にも口を出したからか生放送の時間が予想通りにいかずにいた。特に生放送では時間を一応目安として決めていても会わない事が結構ある。なのでタイムテーブル変更ですぐ番参審査委員長が2人の採点を電光掲示板を押して映し出した。


 ポテトリヨネーズ  (有音 55点)


  清  味総合   10     独創性  9


  高美  味総合   9      独創性  8


  番参 味総合   10     独創性  9


              29   +      26

                       


 GBSポテト  (奏 58点)


  清  味総合    9     独創性 10


  高美  味総合   9     独創性 10


  番参 味総合   10     独創性  10



           28   +       30



 




 審査結果が表示された。しかし、勝つとしか思っていなかった有音があり得ない結果だと審査員達に詰め寄る。

「ちょっと! 納得いきません!! 私の料理に独創性が少ないですって? それに審査委員長の味審査の足りない部分について私の怒りを沈める確固たる理由が聞けるんでしょうね!?」

 手の痛みなんて構わず、有音が審査員達の座る机を強く叩いたので清と高美は少し驚いて異様な雰囲気に飲まれたが番参審査委員長はドンっと構えていた。



 今回は少し短めです。


なかなか大変ですよ、良い感じにしようとしていますが。。

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