第7試合 奏VS真奈 3
第7試合目、全体的に見直しました。
内容に変化はほぼありません
「それではよろしくお願いします」
奏の作った料理からみその香りが湯気と一緒に来て食欲がそそられる。まずは番参審査委員長がどれどれといった風に箸で料理をつまんだ。
「味噌の香りは良いが、使う量が多いと味の濃さでくどくなりすぎるし果たしてどうなのか……? (一口程くちにいれて)少し濃いくらい、ご飯との相性を意識したかな」
真奈の作った辛みあるひき肉料理も食べればやみつきになる者がいそうだが、味噌というの『和』の代表格(?)だけあって香りからして惹きつけられる人も多そうだ。
審査員の2人もその点を気にしていた。
「もやし単品だと味が無いも同然な分、味付けは自由だよね」
「清さんの言う通りね。味がつけやすいからごまかしがきかない部分もあるかもだけど」
キャベツと豚ひき肉のピリ辛炒め (真奈 54点)
清 味総合 10 独創性 9
高美 味総合 9 独創性 9
番参 味総合 9 独創性 8
28 + 26
豚ひき肉ともやしのみそ炒め (奏 55点)
清 味総合 9 独創性 9
高美 味総合 9 独創性 10
番参 味総合 9 独創性 9
27 + 28
実力者同士、そして先輩と後輩の勝負になったこの1戦は奏がどうにか勝利をおさめた。料理だけの審査で悩んでいた審査員達が料理の食べ合わせなどを考慮して決定した採点は興味深い。
「それでは先に敗因について語ろうか。とはいっても、1点から3点くらい差が多いのでいつも苦労していたりするが」
今更確認し直すのも何なのだが、料理を楽しんで何度となく作り続けている番組出演者は誰もがレベル高い人材なので1つ1つのコメントにも気を使っているんだよと番参理審査委員長が渋面を作る。
「この料理の辛さを冷製ミルクスープでやわらげる発想は素晴らしかったよ。満腹感もこっちの料理の方が味わえるかと思う。だけど奏君の作った物の方が僅差で上だったという事だ」
やるだけの事はしたとはいえ、真奈は敗因を聞かされても心中穏やかと言い難い部分はある。だけどそれ以上に満足感が勝っていて自然に顔がほころんでいた。
その後でどうにか勝利宣言を受けた奏の料理、勝因についてが高美から発表される。
「どこが良かったかというと、豚ひき肉ともやしが味噌にからんだ具合のバランスとこれをご飯の友としてでも食べれる自由さといったところが1点の差だったといえるかしらね。味噌のしょっぱさをすまし汁で中和も良かったわよ」
真奈と奏両名ともが審査員の意見を受け入れて白熱した対決を思い返す。ほんの少しの差だったので彼女は今度こそと燃える気持ちを覚えたようであったし、彼も勝利したとはいえ結果または予定通り以上の嬉しさは得られず。むしろいくら強い相手にでも一目置かれるくらいの存在になりたいという危機感のようなものを得たので双方にメリットがあったのではないだろうか。
「お2人の表情からは手応えをつかんだという自信が伝わってくるかのようです。こちらも手に汗握る対決でした。次回の番組予定ですが早くお伝え出来るはずです」
そこで番組スタッフから司会者の命に何らかの資料が手渡された。
「どうやら来週にも放映決定したようです。それではお楽しみに」
真奈と奏の料理を出演の可能性のあった8名が食べる準備をしているところで番組がしめくくられる。
15時30分、編集完了
あの子の様子がどうなっていくか注目(読んでくれている方はわかりますよね?)




