第4試合 真奈VS高美 3
真奈が了承したので高美の料理の審査からになった。
「早速一口。ふむ、味のほぼない淡白な豆腐に調味料と豚肉やねぎなどの味の絡まった感じが良いな」
「うん、栄養バランスもいいんじゃないかな」
2人の審査員は慣れたものだろうが、奏には他の人の料理審査なんて初体験である。戸惑ったものの、感じたままを表現しようと決める。
「全部の食材に味が染みこみわたって、どの食材の味も主張しあって味に深みの複数奏があったよ。惜しい点はアク取りが少し面倒。"楽"な豆腐料理と考えると――」
高美の料理審査終了まで待機していた司会者が良いタイミングで次の料理評価をしてくれるよう進行した。
「まずは阿多さんへのコメントをいただきました。続いて板野さんの料理を食していただきましょう」
真奈が手際良く3人の審査員席に料理を置いていく。スタッフのする作業なのだが、料理を作った人に持っていくといわれればそれに従うだけである。真奈ノその行動はこれが理由なのかもしれない、反則ではないだろうから奏に公正な評価をするように念押ししていった。
「審査員の皆さん、どうぞ遠慮のない審査を。どんな評価でも納得行くものであれば受け入れる覚悟は出来ていますから」
同じ部活で料理部活動をしている関係ではあるが、審査方法の確認についてなどを会話しているようだったので番参審査委員長は黙認した。
「それでは審査をして下さい」
司会者に暗な催促をされて、それぞれの評価が始まる。
「この舌触りは良いな。食べやすさというのも評価に値するかもしれん」
「辛味を七味でプラスするとまた変化が楽しめる。作るのも楽だし」
2人の審査の後に、奏も厳しく審査をするつもりだったのだが少しずつ2回程口に入れただけで自分の率直な意見を出していた。
「僕も作った事がない料理だったのでちょっとした指摘が可能な程度かな~。でもわざわざ言うまでもない話なので。それと普通に味わって辛味をプラスするって方法は僕も好んでいますよ」
審査が終了いて、審査員の3人が評価のボタンを押す事で電光掲示板に結果発表が映し出される。
豆腐とネギのふんわり卵とし (真奈 55点)
清 味総合 10 独創性 9
奏 味総合 9 独創性 10
番参 味総合 9 独創性 8
28 + 27
豚キムチとうふ (高美 54点)
清 味総合 10 独創性 9
奏 味総合 9 独創性 8
番参 味総合 9 独創性 9
28 + 26
司会者の命の進行で審査員3人による勝因・敗因について語られる。まずは敗因の方から奏が応じた。
「僕が独創性を少し低めにしたのは自分でも何度か作っているからなんですよね。という事は、一般的になってきている料理かもしれないという評価でした」
その後で審査委員長が評価基準について試合を行った2人に伝える。
「高美君にも確認した訳だが先に高美君、きみが料理審査を許可したのは結果的に失敗だったのではないだろうか。こってりした味わいの料理の後にあっさりしたものを食べたくなってしまう経験もあるはず」
高美に告げた後、真奈の方に目線を移し笑顔で語った。
「それと真奈君の勝利要因については上品なダシの旨味もあげたいね、あっさりした味わいだからこそふんわり卵にもしっかり味が染みていたと思う」
料理の審査をしていた前後の順番でタッチの差で敗北な高美は少し油断したかもという表情になった。
「せっかく審査委員長が選択の機会を与えてくれていたのにそこでの差異が勝敗を……でも負けた気はしないわ。今度は勝つから」
真奈が審査の順番の前後で勝つのに成功しただけだと考え、高美は高美で負けず嫌いの性格もあってか今度の勝負は負けないと宣言していく。
「勝負は時の運だったかもしれません。今度は私も腕を磨き続けて私の成長速度に驚いてもらえるくらいになるつもりですよ」
目標を高く設定して健闘を讃えてほしい真奈、はにかむ程度の笑顔で手を差し伸べてくる高美としっかりと握手をした。
「視聴者の皆様、応援ありがとうございました。今回も楽しんで頂けたのなら幸いです。最近は番組宛に来ている応援メッセージ《ファンレター》も頂いているので選手達のモチベーションになっております。これで8人の選手達が1回ずつ作ってもらった事に。これからも期待しましょう」
こってりした味のものを食べた後に、あっさりした味の料理を食べるとあっさり味が印象に残ってしまう。そういう表現をしたかったのですが、作者的にも改稿したいと思う状態(良い助言がありましたらお願いしたいです……)
すいません>< 作者の力量不足ですね。。




