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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
クッキング開始編
13/204

第2試合 有音VS香理 2

「どうやら気づいたみたいですね。今回は制限時間があります。20分以内で鶏むね肉料理と決まっております、試合開始~~」


 試合開始宣言されちゃった、どうしよう。そうそう、鶏むね肉料理はチキンカツなどに合うお肉で鶏もも肉の方が唐揚げ向きなんだって。作り方にもよるけど。真奈先輩に教えてもらったんだー……っていけない、制限時間を無駄にしちゃってる。香理ちゃんはもう鶏むね肉に塩こしょうと小麦粉をまぶす下ごしらえを終わらせちゃってるよ。


「残り15分、全力で作らなきゃ」


 私はナス2個を食べやすい大きさに斜め切りにして、ラップにかけた耐熱皿に並べて3分加熱する。その待ち時間の間に、鶏むね肉に酒と潮を少し振っておいた。


「良かった、一段落ついたよ」


 余裕がほんの1分程度出来たので香理ちゃんのお手並みを拝見しようと見てみたところ、鶏肉をそぎ切りにしてサラダ油大さじ2くらいで両面をしっかり焼いている段階のようである。


「有音ちゃん、頑張って」


 私の事を2人っきりの時は呼びすてで呼ぶけど、奏は誰かがいると私の事を無難に呼ぶんだよね。級友とかは付き合っているんでしょとかちゃかしてくるけど昔から名前で呼びあっているんだもん、今更名字で呼ぶとか変だし。一見頼りのない奏だけど、今の応援のタイミングは絶妙で嬉しかったよ。今の奏に対する気持ちは親しい男友達って感覚しか私は持ちあわせていないと思う。でもやる気は高まったかな。


「次はこれ~」


 ナスを別皿に置いて、しょう油をたらした。さっきの耐熱皿に鶏肉を入れてまた電子レンジを4分使用で蒸していく。また少し空いた時間にタレ作りだ。砂糖小さじ2としょう油小さじ1、次は大さじでみそと料理酒を大さじ1・すり白ごまと水を大さじ3を大きめの皿に入れて大さじでかき混ぜる。


「出来ましたーっ」


 香理ちゃんが青じそを細かく切って全体にからめ終わったみたいだ。シソの香りがキッチンスタジオに広がってきた。完成したみたいだ。まだ時間が少し余っているのに。


「有音ちゃん、あせらないあせらない」


 また私、焦りで時間を無駄にしかけちゃった。真奈先輩ありがとう。電子レンジの温め終了音が調度よいタイミングで聞こえた。


「残り制限時間5分でーす」


 司会者に焦りを生ませるような言い方をされたと邪推してしまったが、私は鶏肉をそぎ切りにして、タレをかけるだけだというのもあって落ち着きを取り戻していた。


「私も完成しました」


 残り3分くらい余裕のあるまま、私も料理を作り終えれた。良かった、人の視線がある中だから緊張しちゃったよ。


「両者、完成したようです。試合終了~~」


 四界命の終了合図によって、私と香理ちゃんが審査員席に料理を置いていく。


「今回は飯尾香理くんの方から食すとしよう。そうだ、有音君。一度置いてもらった後で悪いがこれからはそちらのテーブルにおいて審査時に持ってきてもらう形にするつもりだったんだ、覚えておいてくれ」


 番参理事長が左側に審査待ち料理テーブルが設置されている事を指さして教えてくれた。まだ2回めの生放送だから仕方がないかもしれないけどね。


「さて、香理君の料理からいただこうかな。ふむっ、青じそと鶏肉は相性が良いようだな」


 番参理事長、香理ちゃんの作ったものの味はお気に召したみたい。独創性はどう判断されるんだろう。


「うん、ご飯がすすむ味だね。匂いも良いからかな」

「日中元さんが少し言ってましたけど、この料理は肉をしっかり食べた感じと匂いを感じながら食べるって楽しみ方がありそうね」


 清さんの方は予想しづらいけど、高美さんは香理ちゃんのこれに好印象を持ったっぽいな。これから私の料理が審査されるのかドキドキと考える。スタッフが洗い物を片付けたので、私の料理を審査員の人達の机に置いていった。



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